対イラク武力行使

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「なぜ、民主主義を世界に広げるのか」①

投稿者: imonoyamashotengai 投稿日時: 2005/10/09 04:02 投稿番号: [82138 / 118550]
「The Case For Democracy」

ナタン・シャランスキー氏(57歳)
旧ソ連(ウクライナ)で生まれたユダヤ系市民。
反体制運動家。
サハロフ氏の英語通訳を務める。
1977年国家反逆罪で逮捕・投獄。
9年間のシベリア獄中生活。

「圧政国家は国民を抑えつける為に莫大な力を必要とする。
  だから実は弱い国家であり、いつかは崩れるものだ」

1985年、レーガン・ゴルバチョフ会談
「シャランスキーを閉じ込め続けるなら信頼関係を築くことはできないですね」
翌年釈放。その日の内にイスラエルに移住。

『収容所列島』であった、独裁国家ソ連で、反体制活動を行って投獄された
ということに対して、私は、深い敬意を表明します。

独裁国家と闘うことが、そして、必ず勝てるんだということが、
彼の強固な実存的支柱だと推測しています。

氏の主張は、
①現代世界を二種類に分類する。
「さまざまな濃さの灰色が存在する自由世界」「民主主義国」と
「恐怖世界」「独裁国家」「非民主的国家」

②その二種類を分類する基準は、
「町の広場テスト」:広場の真ん中で、逮捕や投獄や身体的危害の心配なしに
  自分の意見を発表できる権利が認められているかどうか

③しかるに、西側諸国は、デタントと称して、ソ連圏の延命を手助けしてきた。
  これは、ソ連圏で戦っている者達への裏切りだ。

④ソ連圏を崩壊に導いたものは、デタントを放棄し、
  ・74年ジャクソン=バニク修正条項:対米貿易で最恵国待遇を受けられるか
   どうかを、その国の政府が自国の市民の移住の権利を保護しているか否かに
   リンクさせた
  ・75年ヘルシンキ条約・ヘルシンキグループ
  ・81年レーガノミックス

  ③については、全面的に賛同します。
米ソデタントによって、ソ連圏で苦吟する人々を裏切ってきたと全く同感です。

  しかし、④については、手前味噌ですね。
確かにソ連からユダヤ人を出国させる運動は、ソ連の独裁体制をこじ開ける
きっかけのひとつとなったとは思いますが、過大評価もいけません。

1956年ハンガリア革命
1967年プラハの春
1980年代ポーランド連帯の労働者達の戦い
ソ連圏で苦吟する民衆は何度も立ち上がったのです。

ソ連は国家予算の半分以上を軍事費に回すという異常な経済構造であり、
共産党幹部ノーメンクラツーラという特権官僚層が汚職に腐敗しており、
マフィアも暗躍していた。
一般国民は労働意欲を喪失していた。
ソ連崩壊は、政治的・経済的・思想的、その総体において分析されなければ
ならないと思います。


⑤パレスチナ問題については、
  西側の支援は、アラファト独裁体制を強化しているだけ
 
  確かに、パレスチナ自治政府(PA)は腐敗しています。
幹部の汚職が蔓延し、民主社会ではなく、恐怖社会でした。
それを許しているのは、日欧米のアラファトへの支援であった点では同感です。
しかし、パレスチナの民衆の反イスラエル意識を、
独裁によるプロパガンダのみで説明している点は、認められません。
確かに、独裁によるプロパガンダという側面があることも確かです。
しかし、それは主要な原因ではありません。
イスラエルの占領が、日々、パレスチナの人々に行ったことそのものこそが
主要な原因です。

氏の主張によると、<独裁国家をどう打倒するのか>という方針として示されて
いるのは、自由国家が、独裁国家を単に支援しただけでは、独裁者の強化にしか
つながらないから、内部の民主化の進展とリンクすることということしか書かれ
ていません。

  その方針に軍事的行動も含まれるかどうかも書かれていません。
しかるに、イラク戦争も、イスラエルの軍事行動も賞賛されています。

明らかに説明不足です。
いや、氏の主張の体系には、軍事行動は組み込めないのかもしれません。
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