対イラク武力行使

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「イラク零年」川上泰徳(朝日新聞社)②

投稿者: imonoyamashotengai 投稿日時: 2005/09/23 08:24 投稿番号: [80800 / 118550]
「米軍が2004年秋、大規模攻勢をかけたサーマッラーやファルージャでは、
  地元勢力もアルカイダやアンサール・アルスンナなどのイスラム過激派勢力と
  ともに戦ったという」

2005年春、統一指導部の政治部門の指導者が、
イラクの隣国で開かれた会議出席時に筆者は接触した。
アルカイダ系と「ある時は共同で米軍攻撃をすることもある」
「市民を巻き込む自爆作戦については、立場が異なる。アルカイダに入っている
若者達に、アルカイダを離脱して抵抗グループに加わるように働きかけている」
「もし、米軍が撤退に応じたら、武装勢力も治安維持に協力するのか」と問うと
「第一段階として米軍が、市街地から外に撤退すれば、我々は米軍への攻撃を
  やめる」
「警察を襲撃しているアルカイダ・グループを抑え込むことはできるのか」と
問うと、
「たやすいことだ。我々の命令に従わねば、力で従わせる」と言い切った。


「13世紀にモンゴル軍が中東に侵略してきた時、
  モンゴル兵はイスラム教徒を盾として攻撃を仕掛けてきた。
  イスラム側では、盾とされた者を犠牲にしても反撃が許されるという
  宗教見解が出された。
  それを今のイラクに適用できるというザルカウィの言い分だ」
  エジプトの元国家宗教指導者ナセル・ワセルは
「タタール・ルールは、敵が我々を攻撃し、
  イスラム教徒を盾にしている場合に限る。
  占領から国を守る戦いでは、敵を攻撃する場合には、
  民間人が巻き添えにならないことを確認しなけれなならない。
  イラクの場合に、敵を攻撃するという口実の下に、
  民間人を殺害するのは、イスラム法では許されない。
  タタール・ルールは、盾となっているイスラム教徒を犠牲にしてでも
  攻撃しなければ、イスラム教徒が全滅させられてしまうという場合に限ると
  ザルカウィの論理を退けた」

<各地で対米軍攻撃を続ける地元の武装組織>と
<都市部で市民を巻き添えにして自爆テロを繰り返すイスラム過激派>を
区別しなければならない。

  エジプトのディーア・ラシュワンは、
「イラクで多発する自爆テロが世界のメディアの目を奪い、
  地元の武装勢力による抵抗運動の激しさを覆い隠している」と語る。
「イラクは戦争を繰り返し経験し、強大な軍隊を抱えていた国だ。14万人の
  米軍を苦しめているのは、明らかにプロの元軍人達のゲリラ戦法である。
  米軍は、ザルカウィが潜伏しているという口実で、ファルージャなど
  反米武装勢力の拠点を攻撃してきた。ザルカウィは米軍が『対テロ戦争』
  として軍事作戦をする口実として利用されている」


「戦後のイラクの悲劇は、現実をいびつに単純化したイメージや宣伝によって、
  実像を結ばないまま、事態が悪化していくことにあるだろう」

「テロリストに戦争のルールは通じない、というかのようではあるが、
  米軍の「無法」の対象となっているのは一般住民なのだ。
  さらに「疑わしきは、撃て」式の過剰な先制攻撃が、各地で行われる。
  無法者と戦って秩序を回復するはずの米軍が、地元のイラク人には
  無法者そのものに見える」
「特に女性に対する対応では、イスラムも部族のしきたりも知らない軍隊が
  武力を振り回せば、それだけで無法者になってしまう」

「復興と民主化支援を訴える軍隊が、国民の多くを敵に回して
  利益があるはずもない。そこに対テロ戦争の問題がある。
  どのような軍隊であれ、戦闘部隊が丸腰の民衆や住宅地域で
  軍事行動を行うことは、それ自体が暴力なのだ。
  住民の中に潜む「テロリスト」を捜し出すという、
  本来、警察が行う行動を、重武装の軍隊が行うためである」

「『対テロ戦争』を掲げる米軍は、自爆テロを行うイスラム過激派を掃討するの
  ではなく、地方で対米攻撃を仕掛けるゲリラ的な反米武装勢力と戦っている。
  「反米聖戦」と「対テロ戦争」は奇妙にすれちがい、ねじれている」
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