wing_in_the_windさんへ
投稿者: bonno_216 投稿日時: 2005/08/26 14:47 投稿番号: [78314 / 118550]
>フセイン政権が9・11テロに関与したのではないかという疑いが
>武力行使の決断を促したことはあったでしょうが、それのみで
>武力行使が決行されたわけではありません。
おおむね同意ですが、「9・11関与の疑いが(ブッシュ政権に)武力行使の決断を促した」というのであれば、少し違うように思います。ブッシュ政権は9・11の前から、正確には政権誕生当初からイラク侵略を決断しており、準備してきたのです。極端なことを言えば、ブッシュ政権はイラク侵略のために生まれたようなものだと言ってもよいでしょう。
ネオコン系シンクタンクであるPNACは、1997年の設立時点で「フセイン政権の打倒が、1990年代から米国の基本政策である」と公言しています。クリントン政権が武力攻撃に消極的だったために、永い期間待たされただけなのです。
ブッシュ政権は、イラクにWMDがないことも、フセイン政権が9・11に関与していないことも、最初から知っていました。したがって、イラク戦争の目的が「WMDの廃棄」でも「テロからの防衛」でもないことは自明なのです。
WMD疑惑やアルカイダ・コネクションの疑いが大きく影響したのは、米国の世論に対してです。イラク侵略という積年の既定路線にとって世論の反戦気運は大きな障害です。9・11とWMD疑惑は、この障害を取り除くことに貢献したというだけであり、ブッシュ政権の政策決断には、いささかも影響していません。
ブッシュ政権は、イラクが9・11に関与したかどうかなど、何の関心もありませんし、イラクがWMDを保有しているかどうかについても、興味がありません。重要なのは、国民がイラクのテロ関与やWMD保有に「疑い」を持つことなのです。
諜報機関からの情報は、虚々実々です。もしブッシュ政権が9・11関与やWMD保有に関する「事実」を重視していたのなら、それらの情報を、なんの検証もしないままマスコミに流すなんてことはしません。間違った情報を流せば、事態を混乱させ、対処を誤るからです。しかし現実には、イラクと9・11を結びつける情報があれば、それがどれほど荒唐無稽なものであっても、その信憑性を検証することなく、世間に流布されました(後日、ほとんどが虚偽だったと判明しました。お示しのチェコ外相証言も、後にチェコ政府が正式に否定しています)。
9・11事件の直後、ラムズフェルド長官は、CIAとDIAに対して「この事件とイラクを結びつける情報を持ってこい」と命じています。これは彼が、イラクの関与を疑ったからではなく、国民にイラクの関与を疑わせるためだったのです。でなければ、あれほど真偽の怪しげな情報をマスコミに垂れ流したりはしなかったでしょう。
WMD保有や9・11関与だけじゃありません。1990年代を通じて米国指導層(ホワイトハウスという意味じゃありません)は、あらゆるメディアで「フセイン悪魔化」のキャンペーンを繰り広げてきました。いわく「嬰児惨殺」「マス・グレイブ」、いわく「拷問室」、ついには「フセイン=快楽殺人鬼」だとか「変態」だとか言う記事まで氾濫したのです。もちろん、これらは真偽不明のまま、本格的な調査が成されることすらありませんでした。しかし今でも、米国では半分以上の人がそれらの記事を「事実」だと思い込んでいるか、事実ではなくても、それに近い事があったのだろう…と信じています。
私も、それらが全部「真っ赤な嘘」だとは言いません。誰も真偽を確認しようとしないので、事実は闇の中なのです。しかし事実であるかどうかは別にして、そうした「悪魔化」に役立つ情報を意図的に選択し、誇張し、大量に流布させてきた勢力が存在することだけは、疑う余地のない事実です。そして、その勢力の目的は最初から「イラク侵略」であり、この決意が揺らぐことは十数年間、一度もなかったのです。
WMDもアルカイダ・コネクションも、要するに「フセイン悪魔化キャンペーン」の一環であり、長年に渡る「イラク侵略計画」に向けた作戦に過ぎません。このことを理解していれば、「戦争の原因が変化した(j_girlさん)」とか「戦争の目的は一貫して『テロからの防衛』だった(カカシさん)」などという頓珍漢なコメントは出てくるはずがないのです。
イラク戦争は最初から「大義なき戦争」です。いまさら底の割れた正当化ロジックを突いてみたところで、何も出てきません。今は戦争の正当性を議論するよりも、本当の原因をしっかりと認識し、同じ過ちを繰り返さない方法を模索する段階に来ていると考えます。
>武力行使の決断を促したことはあったでしょうが、それのみで
>武力行使が決行されたわけではありません。
おおむね同意ですが、「9・11関与の疑いが(ブッシュ政権に)武力行使の決断を促した」というのであれば、少し違うように思います。ブッシュ政権は9・11の前から、正確には政権誕生当初からイラク侵略を決断しており、準備してきたのです。極端なことを言えば、ブッシュ政権はイラク侵略のために生まれたようなものだと言ってもよいでしょう。
ネオコン系シンクタンクであるPNACは、1997年の設立時点で「フセイン政権の打倒が、1990年代から米国の基本政策である」と公言しています。クリントン政権が武力攻撃に消極的だったために、永い期間待たされただけなのです。
ブッシュ政権は、イラクにWMDがないことも、フセイン政権が9・11に関与していないことも、最初から知っていました。したがって、イラク戦争の目的が「WMDの廃棄」でも「テロからの防衛」でもないことは自明なのです。
WMD疑惑やアルカイダ・コネクションの疑いが大きく影響したのは、米国の世論に対してです。イラク侵略という積年の既定路線にとって世論の反戦気運は大きな障害です。9・11とWMD疑惑は、この障害を取り除くことに貢献したというだけであり、ブッシュ政権の政策決断には、いささかも影響していません。
ブッシュ政権は、イラクが9・11に関与したかどうかなど、何の関心もありませんし、イラクがWMDを保有しているかどうかについても、興味がありません。重要なのは、国民がイラクのテロ関与やWMD保有に「疑い」を持つことなのです。
諜報機関からの情報は、虚々実々です。もしブッシュ政権が9・11関与やWMD保有に関する「事実」を重視していたのなら、それらの情報を、なんの検証もしないままマスコミに流すなんてことはしません。間違った情報を流せば、事態を混乱させ、対処を誤るからです。しかし現実には、イラクと9・11を結びつける情報があれば、それがどれほど荒唐無稽なものであっても、その信憑性を検証することなく、世間に流布されました(後日、ほとんどが虚偽だったと判明しました。お示しのチェコ外相証言も、後にチェコ政府が正式に否定しています)。
9・11事件の直後、ラムズフェルド長官は、CIAとDIAに対して「この事件とイラクを結びつける情報を持ってこい」と命じています。これは彼が、イラクの関与を疑ったからではなく、国民にイラクの関与を疑わせるためだったのです。でなければ、あれほど真偽の怪しげな情報をマスコミに垂れ流したりはしなかったでしょう。
WMD保有や9・11関与だけじゃありません。1990年代を通じて米国指導層(ホワイトハウスという意味じゃありません)は、あらゆるメディアで「フセイン悪魔化」のキャンペーンを繰り広げてきました。いわく「嬰児惨殺」「マス・グレイブ」、いわく「拷問室」、ついには「フセイン=快楽殺人鬼」だとか「変態」だとか言う記事まで氾濫したのです。もちろん、これらは真偽不明のまま、本格的な調査が成されることすらありませんでした。しかし今でも、米国では半分以上の人がそれらの記事を「事実」だと思い込んでいるか、事実ではなくても、それに近い事があったのだろう…と信じています。
私も、それらが全部「真っ赤な嘘」だとは言いません。誰も真偽を確認しようとしないので、事実は闇の中なのです。しかし事実であるかどうかは別にして、そうした「悪魔化」に役立つ情報を意図的に選択し、誇張し、大量に流布させてきた勢力が存在することだけは、疑う余地のない事実です。そして、その勢力の目的は最初から「イラク侵略」であり、この決意が揺らぐことは十数年間、一度もなかったのです。
WMDもアルカイダ・コネクションも、要するに「フセイン悪魔化キャンペーン」の一環であり、長年に渡る「イラク侵略計画」に向けた作戦に過ぎません。このことを理解していれば、「戦争の原因が変化した(j_girlさん)」とか「戦争の目的は一貫して『テロからの防衛』だった(カカシさん)」などという頓珍漢なコメントは出てくるはずがないのです。
イラク戦争は最初から「大義なき戦争」です。いまさら底の割れた正当化ロジックを突いてみたところで、何も出てきません。今は戦争の正当性を議論するよりも、本当の原因をしっかりと認識し、同じ過ちを繰り返さない方法を模索する段階に来ていると考えます。
これは メッセージ 78246 (wing_in_the_wind さん)への返信です.
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