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米国と国連②

投稿者: silverlining430 投稿日時: 2004/12/16 20:38 投稿番号: [59781 / 118550]
<国連分担滞納金をほぼ完済した米国>
米国の保守主義には国際主義も混入してくるため、極端に国連離れになり過ぎないような力学も、米国は働く国のようです。

米国が国連分担金を支払わなくなるのは、米国がユネスコ、ILOと衝突し、両国連機関から脱退するということに端を発しています。

1960年以降の発展途上国の相次ぐ独立に伴い、国連加盟国に途上国が増加し、一国一票制を取るユネスコのような機関で、米国の意思が、途上国が連帯した多数の意思に押し切られるようなことが頻繁に起こるようになります。

特に先進国と途上国の情報格差をなくすことをめざした当時ユネスコの議長を務めていたセネガル出身のムボウ氏の「新国際情報コミュニケーション秩序」案に、米国が反発し、「ムボウは無謀だ」と米国が言ったかどうかは知りませんが、ムボウ氏への不信任を突きつけるような形で、米国がユネスコから脱退します。(確かにムボウ氏の施策は、国連の財政的な側面から見ても無駄なものが多く、ある一部の途上国への偏向傾向はあったようですが…)

米国がユネスコから脱退した翌年、米国議会は国連に加重投票制の導入を要請しますが、受け入れられなかったため、米国が国連分担金の25%の支払いを割り当てれていたところを、20%までしか支払わないように下方修正するガバセウム修正を通過させます。

これ以後、国連分担金の不払い、ないし警告という手段で、米国は国連に対抗するようになります。

一方、米国のこのような1980年代以降の政策的に分担金支払いを遅延させるという行動は、98年末には20億ドルを超える滞納金を抱えるまでになり、米国の国連離れ傾向が度を過ぎてひどいのではないかという批判が見られるようにもなります。

これに対し、「米国の分担金は義援金ではなく見返りを期待した投資であり、米国民は国連の米国に対する感謝が足りないと苛立っている」とすら発言した歯に衣を着せぬ国連批判をすることで有名な共和党保守派のヘルムズ元上院外交委員長も、国連に対する姿勢を大きく変え(背景にホルブルック米国連大使と国連側との精力的な折衝がありましたが)、
民主党のハイデン上院議員(当時の上院外交委員長)とともに、滞納金の支払いを開始するための「ヘルムズ・ハイデン法」を、ブッシュ政権が誕生した2000年の1月に通過させます。

この法律は、米国の国連分担金の負担額を減額することを条件に、年毎に5億8200万ドルずつ滞納金を支払っていくというものですが、ブッシュ政権は当初外交には興味がなく、単独主義を強める傾向にもありましたし、国連人権委員会の議席を米国が失うということもあったため、その報復として、ブッシュ政権はこの法律を一時凍結させました。

が、2001年に9・11米国同時多発テロが起こり、国際的な対テロ包囲網を形成する必要に迫られた米国は、そのために国連を巻き込んでいくという趣旨のもと、「ヘルムズ・ハイデン法」の凍結を解き、滞納金を支払い始めるようになります。

2002年末には、米国の国連分担金の滞納はほぼ解消したようです。

滞納金の支払いの開始とともに、ブッシュ政権は、ユネスコの加盟の復帰も果たします。「国連軽視」の批判を受ける同政権は、「国連へのすり寄り」の顔も同時に覗かせます。

僕は、米国の保守主義が国際主義をも内含し、単純な孤立主義とは一線を画すしたたかな外交をしているがゆえの、米国と国連の離れているようで離れないこの奇妙な関係が成り立ってしまっているように思えます。

ですので、米国を一概に国連無視とは批判できないところが、米国の保守主義の妙ではないかと思う次第です。
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