兵隊さんの作り方〜日本編 (2)
投稿者: yugafee 投稿日時: 2004/12/06 09:06 投稿番号: [59049 / 118550]
教育隊長の S 少尉が軍刀の鞘を払った。当番兵が持ってきた飯盒の水を刃にかけて、老人の背後に立ち、振りかぶった。
(中略)振り下ろしたが、首は一刀では落ちなかった。
(中略)二の太刀、三の太刀で落ちた。頚動脈から血がトクトクと流れた。
(中略)老人は終始無表情だったが、切り落とされた首も無表情だった。
さあ今度はお前たちの番だ。一番鑓[いちばんやり]をつけるのはだれだと上等兵たちが触れ回るが、シンとしてだれも身動きもしない。遂に一人が怒りだし、「 腰抜け! 一選抜上等兵になりたい奴はいないのか! 」 と怒鳴った。 「 ハイ、山岸! 」 山岸源太郎が出て行った。
(中略)
「 突撃イ!・・・・・ 」
山岸は走り出す、距離がみるみる縮まる。
「 突けえ! 」
甲高い喚声を上げて山岸は突く。
「 もう一本! 」
山岸は突く。
「 もう一本! 」
山岸は突く。
(中略)
山岸に引きずられるように、四、五名が飛び出したが、後が続かなかった。はじめは笑っていた助教、助手の顔が鬼の顔になった。ためらう者を手旗の棒で殴り、残酷に横腹を突いた。私の前の兵隊が突きとばされて走り出した。そうなってもまだ私は 「 これでいいのか 」 「 これでいいのか 」 と思っていた。
結局私は十六番目に突いた。
山内 久著『 私も戦場に行った 』/ 岩波新書
殺された中国人に、こう、言いましょう。
『 センソウダカラ、シカタナカッタ 』
殺した兵隊さんに、こう、言いましょう。
『 ジンジャデ、マッテイル 』
これは メッセージ 59048 (yugafee さん)への返信です.
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