視座: ドイツと日本ー1
投稿者: pikaichi_kink_100000 投稿日時: 2004/10/15 15:00 投稿番号: [55797 / 118550]
「欧州どまんなか」
September
28, 2004
■今「勝ち組」に入ること
数日前の朝、新聞を手にとると、写真の中で四人の男性が手をつないでいるではないか。一瞬、彼らが舞台の上で冗談で脚を上げてカンカン踊りをはじめるような気がして、私はおかしくなる。二人は誰だかすぐわかった。小泉首相とフィッシャー独外相で、残りの二人がインド首相とブラジル大統領であることを写真の説明を読んではじめて知る。この四つの国は国連安保理の常任理事国に立候補した。
写真の中で、小泉首相はいちばん積極的で、身体がわずかながら突出し、他の三人の足並みがそろっているかどうかを気にしているようにみえる。四人ともうれしそうな顔をしているが、各々微妙に異なる。フィッシャー外相の口もとで笑っているが、遠くのほうに向けられた眼は笑うどころでない。
ドイツの常任理事国立候補であるが、国内でもEU内でも批判者が少なくない。国連改革は本当に重要で真面目な議論を必要とする問題である。そういうこともあって、野党キリスト教民主同盟の政治家の一人は、自国の立候補に理解をしめしながらも、日本やブラジルやインドといっしょにキャンペーンを張ること反対した。(写真は四カ国共同開発した「新車発表会」という感じがしないでもない)。
ヘルムート・シュミット元首相は、昔からドイツ・常任理事国に反対していることで有名である。ちなみに彼はシュレーダー現首相とおなじ社民党に属し、ドイツ社会では今でもほんとうに尊敬されている権威者である。
国際法が権威をもち遵守されるようになり、また国連が今よりよく機能する国際社会の実現ために貢献することは、ドイツの重要な外交目標である。シュミット元首相は、この目標を実現するためにドイツが安保理の常任理事国になる必要がないと考える。
ドイツ外交の次の重要な目標は、統合欧州共通の外交政策の実現である。ドイツが常任理事国になることは、この目標の実現には逆効果になると、彼は考える。
シュミット元首相があげる三つ目の理由は、ドイツの国益との兼ね合いである。安保理の常任理事国になって、ドイツがどこか地球上の遠い場所の戦争についての決議に参加する。この結果ドイツは責任を負うことになるが、これはドイツ国民にとってどんな得になるのであろうか。
(ここで止めないで、更に一歩踏み込んでいいにくいことをいうのがシュミット元首相らしいところである)。以上の三つの理由は明白であるのに、それでも常任理事国入りしたがるとすれは、国威の発揚の欲求にその政治家が駆られて、自国の置かれた立場を客観視できないからだ。
以上がドイツ常任理事国に反対するシュミット元首相の論拠で、正直なところ、どれをとっても、反論するのはそう容易ではない。
(つづく)
■今「勝ち組」に入ること
数日前の朝、新聞を手にとると、写真の中で四人の男性が手をつないでいるではないか。一瞬、彼らが舞台の上で冗談で脚を上げてカンカン踊りをはじめるような気がして、私はおかしくなる。二人は誰だかすぐわかった。小泉首相とフィッシャー独外相で、残りの二人がインド首相とブラジル大統領であることを写真の説明を読んではじめて知る。この四つの国は国連安保理の常任理事国に立候補した。
写真の中で、小泉首相はいちばん積極的で、身体がわずかながら突出し、他の三人の足並みがそろっているかどうかを気にしているようにみえる。四人ともうれしそうな顔をしているが、各々微妙に異なる。フィッシャー外相の口もとで笑っているが、遠くのほうに向けられた眼は笑うどころでない。
ドイツの常任理事国立候補であるが、国内でもEU内でも批判者が少なくない。国連改革は本当に重要で真面目な議論を必要とする問題である。そういうこともあって、野党キリスト教民主同盟の政治家の一人は、自国の立候補に理解をしめしながらも、日本やブラジルやインドといっしょにキャンペーンを張ること反対した。(写真は四カ国共同開発した「新車発表会」という感じがしないでもない)。
ヘルムート・シュミット元首相は、昔からドイツ・常任理事国に反対していることで有名である。ちなみに彼はシュレーダー現首相とおなじ社民党に属し、ドイツ社会では今でもほんとうに尊敬されている権威者である。
国際法が権威をもち遵守されるようになり、また国連が今よりよく機能する国際社会の実現ために貢献することは、ドイツの重要な外交目標である。シュミット元首相は、この目標を実現するためにドイツが安保理の常任理事国になる必要がないと考える。
ドイツ外交の次の重要な目標は、統合欧州共通の外交政策の実現である。ドイツが常任理事国になることは、この目標の実現には逆効果になると、彼は考える。
シュミット元首相があげる三つ目の理由は、ドイツの国益との兼ね合いである。安保理の常任理事国になって、ドイツがどこか地球上の遠い場所の戦争についての決議に参加する。この結果ドイツは責任を負うことになるが、これはドイツ国民にとってどんな得になるのであろうか。
(ここで止めないで、更に一歩踏み込んでいいにくいことをいうのがシュミット元首相らしいところである)。以上の三つの理由は明白であるのに、それでも常任理事国入りしたがるとすれは、国威の発揚の欲求にその政治家が駆られて、自国の置かれた立場を客観視できないからだ。
以上がドイツ常任理事国に反対するシュミット元首相の論拠で、正直なところ、どれをとっても、反論するのはそう容易ではない。
(つづく)
これは メッセージ 51316 (GivingTree さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/552019567/bpa5a4a5ia5afipno9tbbh_1/55797.html