米大統領選挙(追加)
投稿者: masajuly2001 投稿日時: 2004/09/26 17:47 投稿番号: [54496 / 118550]
リンク先がなくなっていて紹介できないのだが、次はワシントンDC在住の村上博美さんという方が、「経済問題がイシューにならない選挙戦?」という見出しのコラムで書いているアメリカの経済状況。俺が怖いのは、国家を支える国民という基盤が崩壊しているのではないか、という点だ。これからも需要があるであろう主要産業の競争力が、アメリカにはもうないのだ。そうとなれば、アメリカはどうするか...
「8月の雇用統計では約14万人の雇用増という結果がでたが、依然として「雇用なき
回復」の様相も見せている。4年前に比べ、雇用の増減は差し引きマイナス91万人強、
平均世帯の所得も年間1500ドル強減り、医療費も3500ドル以上増大した。マ
クロでいえば、大統領就任時に黒字だった財政も今や過去最大の4220億ドル(約
46兆円強)の赤字に転落し、全米の失業率も2000年の4%から今年8月の5.
4%へ上昇した。また今年上半期の貿易赤字は前年同期比15.7%増の2877億
ドルとなり、過去最大を記録。このままでは年間5千億ドルを超えるだろう。消費行
動に多大な影響を与えるといわれる株価も、ブッシュ就任時に比べS&P500指数
は18ポイント下がり、ナスダック総時価は3分の2へ激減した。また、失業率悪化
に伴って無保険者が約4500万人へ増加した。全米人口2億8千万のうち、実に1
6%の人が健康保険を持っていないのだ。
なぜ、これだけ経済状況が後退しながら、ブッシュの支持率が下がらないのだろう
か。ひとつには財政赤字の悪化は直接、国民の生活には響かないという点だ。なぜな
ら、米国債は外国政府が先を争って買ってくれるため、長期金利も上がらない。その
結果、インフレも2%未満に抑えられたため、金利も低く家のローン借り換えも進み、
住宅保有率は過去最高を記録した。米国民にとって、イラク戦争のせいで自分達の生
活が悪くなったという意識はない。9.11をきっかけに国土安全保障省という最大
規模の官庁が誕生し、アフガン・イラク戦争関連の支出拡大は財政赤字として累積さ
れているが、当面痛くもかゆくもないのだ。だから一般市民には、イラク戦争と雇用
の関係にリンクが見出せない。これが、アメリカ以外の国であれば、これだけの財政・
貿易赤字を抱えれば国債の金利や長期金利が上昇するはずだ。そうなれば、必然的に
緊縮財政といった国内調整を行わざるを得ない。しかし、アメリカは機軸通貨ドルを
持つために、為替レートが変動しようが為替損の心配をする必要がなく、緊縮財政も
やる必要性も強く感じない。何よりも、この財政状態でブッシュやケリー両陣営とも
「減税する」といっているほどなのだから。
こういった軍事支出の増大や減税によって究極的にしわ寄せがくるのは製造業など
の産業とその労働者であろう。失われた機会コストとして、社会保障や医療といった
分野の制度改革に使われるはずの予算が軍事費に回っているため、社会インフラの整
備が遅れ、企業が医療保険や年金といったコストを負担し続けている。その上、他国
の為替介入などによりドル高が維持され、産業の空洞化が加速している。既に低労働
コストの中国やブラジルなどとまともに競争できない上、社会インフラコストを負担
しなくてはならない企業にとっては海外移転は生き残るための手段なのだ。そういっ
た状況下では国内に雇用をとどめるためには、ケリーが提案するような課税優遇措置
ではなく、構造的な対処が必要だろう。」
「8月の雇用統計では約14万人の雇用増という結果がでたが、依然として「雇用なき
回復」の様相も見せている。4年前に比べ、雇用の増減は差し引きマイナス91万人強、
平均世帯の所得も年間1500ドル強減り、医療費も3500ドル以上増大した。マ
クロでいえば、大統領就任時に黒字だった財政も今や過去最大の4220億ドル(約
46兆円強)の赤字に転落し、全米の失業率も2000年の4%から今年8月の5.
4%へ上昇した。また今年上半期の貿易赤字は前年同期比15.7%増の2877億
ドルとなり、過去最大を記録。このままでは年間5千億ドルを超えるだろう。消費行
動に多大な影響を与えるといわれる株価も、ブッシュ就任時に比べS&P500指数
は18ポイント下がり、ナスダック総時価は3分の2へ激減した。また、失業率悪化
に伴って無保険者が約4500万人へ増加した。全米人口2億8千万のうち、実に1
6%の人が健康保険を持っていないのだ。
なぜ、これだけ経済状況が後退しながら、ブッシュの支持率が下がらないのだろう
か。ひとつには財政赤字の悪化は直接、国民の生活には響かないという点だ。なぜな
ら、米国債は外国政府が先を争って買ってくれるため、長期金利も上がらない。その
結果、インフレも2%未満に抑えられたため、金利も低く家のローン借り換えも進み、
住宅保有率は過去最高を記録した。米国民にとって、イラク戦争のせいで自分達の生
活が悪くなったという意識はない。9.11をきっかけに国土安全保障省という最大
規模の官庁が誕生し、アフガン・イラク戦争関連の支出拡大は財政赤字として累積さ
れているが、当面痛くもかゆくもないのだ。だから一般市民には、イラク戦争と雇用
の関係にリンクが見出せない。これが、アメリカ以外の国であれば、これだけの財政・
貿易赤字を抱えれば国債の金利や長期金利が上昇するはずだ。そうなれば、必然的に
緊縮財政といった国内調整を行わざるを得ない。しかし、アメリカは機軸通貨ドルを
持つために、為替レートが変動しようが為替損の心配をする必要がなく、緊縮財政も
やる必要性も強く感じない。何よりも、この財政状態でブッシュやケリー両陣営とも
「減税する」といっているほどなのだから。
こういった軍事支出の増大や減税によって究極的にしわ寄せがくるのは製造業など
の産業とその労働者であろう。失われた機会コストとして、社会保障や医療といった
分野の制度改革に使われるはずの予算が軍事費に回っているため、社会インフラの整
備が遅れ、企業が医療保険や年金といったコストを負担し続けている。その上、他国
の為替介入などによりドル高が維持され、産業の空洞化が加速している。既に低労働
コストの中国やブラジルなどとまともに競争できない上、社会インフラコストを負担
しなくてはならない企業にとっては海外移転は生き残るための手段なのだ。そういっ
た状況下では国内に雇用をとどめるためには、ケリーが提案するような課税優遇措置
ではなく、構造的な対処が必要だろう。」
これは メッセージ 54493 (masajuly2001 さん)への返信です.
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