安保理常任理事国入り>モリヤさん
投稿者: silverlining430 投稿日時: 2004/09/23 00:25 投稿番号: [54168 / 118550]
まず、背景事情について。
アナン国連事務総長が立ち上げた「高級諮問委員会」が安保理改革についての議論を進めており、今年末か来年初頭には報告書を提出する予定です。
日本はこれを安保理常任理事国入りの絶好の機会と見なしており、「高級諮問委員会」の運営を積極的にバックアップしています。
なぜか?
常任理事国となった日本が、日本独自の特色を生かした貢献を安保理内でできるような方向で、安保理改革論議が進むことを期待しているからです。
問題は日本が常任理事国になって何をするのか?従来のP5との違いは何か?――ですが・・・。
そもそも論から入ると、国連安保理の目的と機能は何なのか?――ということですが、安保理は発生した紛争を終結させ、その再発を防止するために存在しています。
では現在の紛争の特徴は?
一般に"deep-rooted conflict"と言われています。「根の深い紛争」です。
民族・部族間、宗教の対立を基調とした紛争で、社会の様々な階層や人々の生活に至る深い憎悪の念が関わっている紛争のことです。
国連安保理が解決すべき紛争とは今や、そういう類の紛争であるということになります。
翻って、従来の常任理事国は5カ国とも軍事大国であり、核保有国です。そしてP5に期待されていた機能は、軍事介入による紛争の終結と停戦合意の締結です。
国家間戦争であれば、誰と誰の間の停戦を取り付ければよいのかが明確です。軍事介入により紛争を抑え込み、その後、紛争当事国双方の政府代表を呼んで、停戦合意文書にサインさせればよいのですから。
ところが「根の深い紛争」の場合、誰と誰の停戦を取り付ければ紛争が終結するのか極めて曖昧です。たとえ代表らしい紛争当事者間で停戦合意に至ったとしても、社会の人々の生活レベルで残っている憎悪の念
を取り除かない限り、紛争再発の火種が残っている脆弱な状態に置かれ続けるわけです。
軍事大国であり核保有国のP5では、根の深い紛争を根本的に解決させる機能を持ち得ません。
したがって、常任理事国の構成がもっと多様化され、軍事的・非軍事的なあらゆる戦略を用いて、根の深い紛争を解決に導くことが求められるというわけです。
とりわけ重要なのは、社会の生活レベルにまで浸透してる憎悪の念を、いかにして取り除くことができるのか?ということであり、そのために安保理は何ができるのか?新たに常任理事国入りしようとしている日本は何ができるのか――という視点が重要になります。
そのために必要な安保理改革の方向性として指摘されていることは、安保理の構成国の多様化ということです。
複雑な憎悪の念を取り除くためには、どんな外交チャンネルが役に立つか分からないからです。
かなり前になりますが、イラクでサドル派民兵が武装闘争を開始した当初、イランとシリアに働き掛け、サドルの仲介をお願いしたことがありました。暫定的ではありますがサドルから停戦の妥協を引き出すことが出来たと記憶しております。
P5以外の意外な外交チャンネルが、根の深い紛争を解決する上で有効なことがあり得るのです。どの国のどの外交チャンネルが役に立つかは分かりませんが、できるだけ国連安保理を欧米諸国だけではなく、アジア、中東、アフリカ諸国を多く含むようなメンバー構成にしておくことが重要となるという発想です。
そして日本が考えていることは、P5とは別の形で、根の深い紛争を解決に導く多様な外交チャンネルの一つとして、常任理事国として機能しようということなんです。
ここに「憲法を改正せずして常任理事国入りは可能だ」との日本の主張の真意があります。
根の深い紛争は、軍事介入では根本的に解決しません。人々の憎悪を取り除くための戦略を設計し、それを実行することこそが重要なのです。
根の深い紛争における人々の憎悪を取り除く戦略の設計者に、果たして日本はなれるのか?――この点こそ、日本の常任理事国入りを僕たちが監視する際の、本質的な視点になるのではないかと僕は感じています。
以上です。
アナン国連事務総長が立ち上げた「高級諮問委員会」が安保理改革についての議論を進めており、今年末か来年初頭には報告書を提出する予定です。
日本はこれを安保理常任理事国入りの絶好の機会と見なしており、「高級諮問委員会」の運営を積極的にバックアップしています。
なぜか?
常任理事国となった日本が、日本独自の特色を生かした貢献を安保理内でできるような方向で、安保理改革論議が進むことを期待しているからです。
問題は日本が常任理事国になって何をするのか?従来のP5との違いは何か?――ですが・・・。
そもそも論から入ると、国連安保理の目的と機能は何なのか?――ということですが、安保理は発生した紛争を終結させ、その再発を防止するために存在しています。
では現在の紛争の特徴は?
一般に"deep-rooted conflict"と言われています。「根の深い紛争」です。
民族・部族間、宗教の対立を基調とした紛争で、社会の様々な階層や人々の生活に至る深い憎悪の念が関わっている紛争のことです。
国連安保理が解決すべき紛争とは今や、そういう類の紛争であるということになります。
翻って、従来の常任理事国は5カ国とも軍事大国であり、核保有国です。そしてP5に期待されていた機能は、軍事介入による紛争の終結と停戦合意の締結です。
国家間戦争であれば、誰と誰の間の停戦を取り付ければよいのかが明確です。軍事介入により紛争を抑え込み、その後、紛争当事国双方の政府代表を呼んで、停戦合意文書にサインさせればよいのですから。
ところが「根の深い紛争」の場合、誰と誰の停戦を取り付ければ紛争が終結するのか極めて曖昧です。たとえ代表らしい紛争当事者間で停戦合意に至ったとしても、社会の人々の生活レベルで残っている憎悪の念
を取り除かない限り、紛争再発の火種が残っている脆弱な状態に置かれ続けるわけです。
軍事大国であり核保有国のP5では、根の深い紛争を根本的に解決させる機能を持ち得ません。
したがって、常任理事国の構成がもっと多様化され、軍事的・非軍事的なあらゆる戦略を用いて、根の深い紛争を解決に導くことが求められるというわけです。
とりわけ重要なのは、社会の生活レベルにまで浸透してる憎悪の念を、いかにして取り除くことができるのか?ということであり、そのために安保理は何ができるのか?新たに常任理事国入りしようとしている日本は何ができるのか――という視点が重要になります。
そのために必要な安保理改革の方向性として指摘されていることは、安保理の構成国の多様化ということです。
複雑な憎悪の念を取り除くためには、どんな外交チャンネルが役に立つか分からないからです。
かなり前になりますが、イラクでサドル派民兵が武装闘争を開始した当初、イランとシリアに働き掛け、サドルの仲介をお願いしたことがありました。暫定的ではありますがサドルから停戦の妥協を引き出すことが出来たと記憶しております。
P5以外の意外な外交チャンネルが、根の深い紛争を解決する上で有効なことがあり得るのです。どの国のどの外交チャンネルが役に立つかは分かりませんが、できるだけ国連安保理を欧米諸国だけではなく、アジア、中東、アフリカ諸国を多く含むようなメンバー構成にしておくことが重要となるという発想です。
そして日本が考えていることは、P5とは別の形で、根の深い紛争を解決に導く多様な外交チャンネルの一つとして、常任理事国として機能しようということなんです。
ここに「憲法を改正せずして常任理事国入りは可能だ」との日本の主張の真意があります。
根の深い紛争は、軍事介入では根本的に解決しません。人々の憎悪を取り除くための戦略を設計し、それを実行することこそが重要なのです。
根の深い紛争における人々の憎悪を取り除く戦略の設計者に、果たして日本はなれるのか?――この点こそ、日本の常任理事国入りを僕たちが監視する際の、本質的な視点になるのではないかと僕は感じています。
以上です。
これは メッセージ 54152 (moriya99 さん)への返信です.
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