正義の戦争でも良い人から死んでいく 2
投稿者: syoumenkyousi 投稿日時: 2004/03/02 20:30 投稿番号: [33372 / 118550]
▲正義の戦争でも良い人から死んでいく
2
ホアは跳びかかろうとする犬の体に弾丸を2発続けざまに送り込んだ。弾丸はそれで尽きた。犬が倒れると、彼女はいったん右腕を下ろし、拳銃を米兵たちの方へ下手投げで放り出した。
米兵たちはなぜかホアを撃たなかった。相手は拳銃一挺しか持たぬ若い女性で、しかも彼女は犬だけ狙っていた。だから撃つ必要がなかった。いや、この美しい獲物を撃たずに生きたまま捕まえたかった、というのがおそらく事態の真相だろう。
一人のパトロール隊員がホアに襲いかかった。ホアは身をひるがえし、道から全速力で遠ざかろうとした。米兵たちはいっせいに追いかけた。
(中略)
ホア。哀れな娘。だが天女のように限りなく美しい魂の持ち主。君は多くの他者のために、進んでおのれを犠牲に捧げた。あの捜索犬を殺し、さらに自分の体に米兵たちを誘いよせて、味方の傷病兵15人と搬送班員たちを、また俺と俺の部下たちを救おうとしたのだ。俺は君のその気高いこころざしを無にすることができない。米兵らと闘って死ぬことは許されない。キエンは手榴弾の安全レバーを静かに元に戻した。彼は結局、苦悩に凍りついた目で、なすすべもなく残酷場面を見つづけたのだった。
米兵たちは、後方に立っていた数人を除いて、次々にホアを犯したようだった。彼らはこの日のパトロール活動を集団レイプで終えようとしていた。
***
本当の仲間のために命を投げ出す「この世に生きる資格を人より多く持った人々が死んだという事」が正義の戦争の実相なのだ。毎日がテロ国家アメリカがまともな戦争映画を作り得ないのは当たり前のことなのだ。どう仲間のために戦おうとも、殺し屋として他国へ来ているという愚劣な本質を隠すことはできないからだ。
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多くの人間は利己的の程度はともかく利己的に生きている。それは本能として組み込まれているし、そうでないと生命を保持できないのかもしれない。だから問題はその程度なのかもしれない。地位・金・権力のためなら他人を蹴落としてもいい(あるいは最終的には死んでも構わない)と思う人は確実存在する。たぶんその利己的欲望を肥大化した最悪の集団がテロ国家アメリカの支配層なのだろう。
ベトナム戦争とは、最悪の利己的集団と最良の利他的集団の戦いでもあったのだろう。そして結局、無傷で生き残ったのが最悪の利己的集団なのだから、勝者はもはや明白だろう。
これは メッセージ 33370 (syoumenkyousi さん)への返信です.
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