それほど切迫してはいない北朝鮮問題
投稿者: silverlining430 投稿日時: 2005/05/24 10:13 投稿番号: [1562 / 1657]
イラクの大量破壊兵器をめぐる報道で前科のあるニューヨークタイムズのスクープにより、にわかに懸念され始めた北朝鮮が核実験を行うのではないかとの危惧についてですが。
イラクのときほど情勢は切迫していないというのが実情だと思われます。
北朝鮮が核実験を行う準備を進めていることについて有力な情報を入手していることは、実際シーファ米駐日大使も認めているところではありましたが、一方で同大使の話から判断する限り、米政府の対応は極めて落ち着いたものになっています。
つまり、この問題を即国連安保理に付託するということを、米国は今のところほとんど考えてはおらず、あくまで現在閉会中である6カ国協議を再開させ、そこに北朝鮮を参加させることを、安保理を使うことよりも優先しているからです。
米政府のこの姿勢から鑑みるに、北が核実験をするのかしないのかをめぐり、交渉の余地が多分にあるということなのでしょう。
もともと北朝鮮の外交に携わる高官たちの頭の中身は、現在のブッシュ政権の強硬路線を目の当たりにしながらも、クリントン政権時代の1994年の米朝枠組み合意当時のまま変化がない。
このことの要因の一つとして、現ブッシュ政権の官僚の中に、94年の米朝枠組み合意の交渉を体験した人間がそもそもいない一方で、北朝鮮側の高官は米朝枠組み合意に達した94年の交渉のことを覚えているからということが考えられる。
93年から94年にかけてのクリントン政権は、今のブッシュ政権に負けないくらいの強硬路線をとっており、北との取り引きには一切応じないとの姿勢を見せていましたが、94年の5月に北が原子炉から核燃料を取り出しプルトニウムを大量生産するとの脅しのカードを突きつけたら、クリントン政権は路線を180度転換した。このことを北朝鮮側は今でも対米交渉の成功例として鮮明に記憶しいてる。北は、「脅しがなければ米国は動かない」と今でも頑なに信じているということです。
ところが今回は米国側に余裕がありすぎる。「やれるものならやればいい。されば北は第二のイラクだ」との圧力をかけることも可能だから。
核実験が契機となり安保理にこの問題が付託されれば、イラクほど各国加盟国が分裂せずに武力行使という措置も含む決議が採択されることは、かなりの高い確率であり得るが、イラクの事例をちらつかせ、いざとなったら安保理決議なしの強制措置というカードを切ることが米国にはできる。ゆえに…、
>核実験した事により国連安保理にテーブルが移された場合
>北朝鮮は国連を脱退する可能性はあるか。
北朝鮮が国連を脱退しようがどうしようが、この際関係ない。脱退したら立場を悪くするだけで、北への国連加盟国による強制措置発動の口実を与えやすくするだけになる。「核実験を行った北はいよいよ国連から脱退し、国連憲章の規定に背き好き勝手に行動しようとしている。これは国際の平和と安全の脅威だ」――とかなんとか言って。
北は自国の核開発問題が国連安保理に付託されるとどれだけ不利な状況になるか分かっている。したがって安保理付託のトリガーとなる核実験を本気で行う気はおそらくないはず。
けれど、なんとかして米国とできるだけ対等な立場で交渉し、米国からとにかく譲歩を引き出したい。
「脅さなければ米国は動かない」――という一昔前の思考で、北は健気にチキンレース外交をしている真っ最中で、核実験だなんだというカードもちらつかせているだけでしょう。
余裕の米国は北の心情が分かっているから、だったらまずは6カ国協議に参加することだなと安保理付託前のカードが切れる。6カ国協議が再開されればホストは中国。北の核開発問題への根回しが中国には期待される。しかも、北の核開発問題は、中国にとっても大きな懸念事項なので、
>核実験した場合、中国は国連で拒否権行使して北朝鮮を庇うか。
――という事態は、問題が核である以上あり得ない。
イラクのときほど情勢は切迫していないというのが実情だと思われます。
北朝鮮が核実験を行う準備を進めていることについて有力な情報を入手していることは、実際シーファ米駐日大使も認めているところではありましたが、一方で同大使の話から判断する限り、米政府の対応は極めて落ち着いたものになっています。
つまり、この問題を即国連安保理に付託するということを、米国は今のところほとんど考えてはおらず、あくまで現在閉会中である6カ国協議を再開させ、そこに北朝鮮を参加させることを、安保理を使うことよりも優先しているからです。
米政府のこの姿勢から鑑みるに、北が核実験をするのかしないのかをめぐり、交渉の余地が多分にあるということなのでしょう。
もともと北朝鮮の外交に携わる高官たちの頭の中身は、現在のブッシュ政権の強硬路線を目の当たりにしながらも、クリントン政権時代の1994年の米朝枠組み合意当時のまま変化がない。
このことの要因の一つとして、現ブッシュ政権の官僚の中に、94年の米朝枠組み合意の交渉を体験した人間がそもそもいない一方で、北朝鮮側の高官は米朝枠組み合意に達した94年の交渉のことを覚えているからということが考えられる。
93年から94年にかけてのクリントン政権は、今のブッシュ政権に負けないくらいの強硬路線をとっており、北との取り引きには一切応じないとの姿勢を見せていましたが、94年の5月に北が原子炉から核燃料を取り出しプルトニウムを大量生産するとの脅しのカードを突きつけたら、クリントン政権は路線を180度転換した。このことを北朝鮮側は今でも対米交渉の成功例として鮮明に記憶しいてる。北は、「脅しがなければ米国は動かない」と今でも頑なに信じているということです。
ところが今回は米国側に余裕がありすぎる。「やれるものならやればいい。されば北は第二のイラクだ」との圧力をかけることも可能だから。
核実験が契機となり安保理にこの問題が付託されれば、イラクほど各国加盟国が分裂せずに武力行使という措置も含む決議が採択されることは、かなりの高い確率であり得るが、イラクの事例をちらつかせ、いざとなったら安保理決議なしの強制措置というカードを切ることが米国にはできる。ゆえに…、
>核実験した事により国連安保理にテーブルが移された場合
>北朝鮮は国連を脱退する可能性はあるか。
北朝鮮が国連を脱退しようがどうしようが、この際関係ない。脱退したら立場を悪くするだけで、北への国連加盟国による強制措置発動の口実を与えやすくするだけになる。「核実験を行った北はいよいよ国連から脱退し、国連憲章の規定に背き好き勝手に行動しようとしている。これは国際の平和と安全の脅威だ」――とかなんとか言って。
北は自国の核開発問題が国連安保理に付託されるとどれだけ不利な状況になるか分かっている。したがって安保理付託のトリガーとなる核実験を本気で行う気はおそらくないはず。
けれど、なんとかして米国とできるだけ対等な立場で交渉し、米国からとにかく譲歩を引き出したい。
「脅さなければ米国は動かない」――という一昔前の思考で、北は健気にチキンレース外交をしている真っ最中で、核実験だなんだというカードもちらつかせているだけでしょう。
余裕の米国は北の心情が分かっているから、だったらまずは6カ国協議に参加することだなと安保理付託前のカードが切れる。6カ国協議が再開されればホストは中国。北の核開発問題への根回しが中国には期待される。しかも、北の核開発問題は、中国にとっても大きな懸念事項なので、
>核実験した場合、中国は国連で拒否権行使して北朝鮮を庇うか。
――という事態は、問題が核である以上あり得ない。
これは メッセージ 1538 (sky_hyper_storm さん)への返信です.
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