「選挙後のイラク」酒井啓子(NHK視点・論点
投稿者: imonoyamashotengai 投稿日時: 2005/02/15 04:36 投稿番号: [4591 / 5091]
「選挙後のイラク」酒井啓子(NHK視点・論点)
(2005.2.14(月)放映)
275人の議員の三分の二が正副大統領を選び、正副大統領が首相を任命
・いずれの政党も単独で議員の三分の二を占めていない。
つまり、第一党も他の勢力と連立を組まない限り、正副大統領の任命が
できない。
組み合わせのパターンは、
・第一案:第一党とアラウィ首相やヤーウェル大統領らの現政権与党
これまでのアルウィ政権と大差のない陣容となり、従来の親米的な政策を継承
英米諸国が一番望ましいと考えるパターン
SCIRIは選挙直後に「アラウィと共闘することはしない」と発言。
アラウィ首相続投は選挙結果と矛盾するという反発を免れ得ないでしょう。
イラク統一同盟は、選挙後、得票は、58%以下になることはありえないと
自信を示してきました。
予想外に開票に時間が掛かったことなどを考えれば、開票に操作があったの
ではないかとの疑惑を有権者が抱く可能性も否定できません。
・第二の連立形態は、クルド勢力との連立
得票率から考えれば、最も安定的。
シーア派とクルドの共闘は、極めて強い反バース党路線をイメージ付ける。
SCIRIは、フセイン政権に追放されたり、国外亡命したイラク人が1982年に
イランで結成したもの。
ダアワ党と共に旧政権のバース党勢力に激しく戦いを挑んできた勢力。
イラクの戦後復興過程でバース党勢力を政治経済の中枢から徹底的に排除する
脱バース党政策を積極的に推進しようと考えています。
クルド勢力も1988年、イラク軍による化学兵器攻撃を受けたことで、
旧イラク軍人の復帰に強い反発を持っています。
これまでアラウィ政権は治安対策を第一と考え、旧政権に従事してきたバース
党員でも新たな軍や警察に積極的に起用してきました。
そうした人事政策が、イスラム勢力とクルドの連立のもとでは、百八十度転換
される可能性があります。
特に、こうした勢力は、いずれも、フセイン政権時代に、育成・確立してきた
民兵集団を抱えています。
これまで登用されてきた旧バース党系の軍人や警官がパージされ、
こうした政党の民兵に取って代わられることになれば、
軍自体が派閥抗争に巻き込まれることにもなりかねません。
安定的な治安組織の育成ができなくなることで、更なる治安の悪化を招くこと
になります。
その意味では、国防相と内務相のポストを誰が占めるかが今後重要になる。
今後、深刻な問題として立ち現れてくる争点は、
<イスラム主義勢力>と<世俗主義勢力>の拮抗と対立
シーア派だからではなく、イスラム主義勢力の伸張を促すことになるから
シスターニ師の写真を選挙キャンペーンに使ったことに対しては、
他の世俗派政党から批判が出ています。
今回の選挙では、宗教的象徴を選挙に利用することは禁じられ、キリスト教
政党には、十字架を政党の象徴として使うことが許されなかったのですが、
統一同盟はシスターニ師の写真を使ったり、同盟支持派のシーア派説教師が
金曜礼拝で同盟への投票を信者に呼びかけてきました。
<憲法制定>
「イスラム法が全ての法律の唯一の源泉」と憲法に規定すべきだとの声
昨年一月、イラク統一同盟の主要政治家が、これまでの世俗的なイラクの民法
を廃棄して、民法へのイスラム法導入の可能性を開いた法律を制定しました。
その後、左派政党や女性運動の反対に遭って、民法改正を撤回したという経緯
があります。
十ヶ月間の移行政府は、その間、政策によって、連立形態が変わるという
ような流動的で不安定な政権が成立するかもしれません。
それぞれの政治組織の掲げる政策が、どこまで相互に調整可能かどうかに
掛かってくることになるでしょう。
(2005.2.14(月)放映)
275人の議員の三分の二が正副大統領を選び、正副大統領が首相を任命
・いずれの政党も単独で議員の三分の二を占めていない。
つまり、第一党も他の勢力と連立を組まない限り、正副大統領の任命が
できない。
組み合わせのパターンは、
・第一案:第一党とアラウィ首相やヤーウェル大統領らの現政権与党
これまでのアルウィ政権と大差のない陣容となり、従来の親米的な政策を継承
英米諸国が一番望ましいと考えるパターン
SCIRIは選挙直後に「アラウィと共闘することはしない」と発言。
アラウィ首相続投は選挙結果と矛盾するという反発を免れ得ないでしょう。
イラク統一同盟は、選挙後、得票は、58%以下になることはありえないと
自信を示してきました。
予想外に開票に時間が掛かったことなどを考えれば、開票に操作があったの
ではないかとの疑惑を有権者が抱く可能性も否定できません。
・第二の連立形態は、クルド勢力との連立
得票率から考えれば、最も安定的。
シーア派とクルドの共闘は、極めて強い反バース党路線をイメージ付ける。
SCIRIは、フセイン政権に追放されたり、国外亡命したイラク人が1982年に
イランで結成したもの。
ダアワ党と共に旧政権のバース党勢力に激しく戦いを挑んできた勢力。
イラクの戦後復興過程でバース党勢力を政治経済の中枢から徹底的に排除する
脱バース党政策を積極的に推進しようと考えています。
クルド勢力も1988年、イラク軍による化学兵器攻撃を受けたことで、
旧イラク軍人の復帰に強い反発を持っています。
これまでアラウィ政権は治安対策を第一と考え、旧政権に従事してきたバース
党員でも新たな軍や警察に積極的に起用してきました。
そうした人事政策が、イスラム勢力とクルドの連立のもとでは、百八十度転換
される可能性があります。
特に、こうした勢力は、いずれも、フセイン政権時代に、育成・確立してきた
民兵集団を抱えています。
これまで登用されてきた旧バース党系の軍人や警官がパージされ、
こうした政党の民兵に取って代わられることになれば、
軍自体が派閥抗争に巻き込まれることにもなりかねません。
安定的な治安組織の育成ができなくなることで、更なる治安の悪化を招くこと
になります。
その意味では、国防相と内務相のポストを誰が占めるかが今後重要になる。
今後、深刻な問題として立ち現れてくる争点は、
<イスラム主義勢力>と<世俗主義勢力>の拮抗と対立
シーア派だからではなく、イスラム主義勢力の伸張を促すことになるから
シスターニ師の写真を選挙キャンペーンに使ったことに対しては、
他の世俗派政党から批判が出ています。
今回の選挙では、宗教的象徴を選挙に利用することは禁じられ、キリスト教
政党には、十字架を政党の象徴として使うことが許されなかったのですが、
統一同盟はシスターニ師の写真を使ったり、同盟支持派のシーア派説教師が
金曜礼拝で同盟への投票を信者に呼びかけてきました。
<憲法制定>
「イスラム法が全ての法律の唯一の源泉」と憲法に規定すべきだとの声
昨年一月、イラク統一同盟の主要政治家が、これまでの世俗的なイラクの民法
を廃棄して、民法へのイスラム法導入の可能性を開いた法律を制定しました。
その後、左派政党や女性運動の反対に遭って、民法改正を撤回したという経緯
があります。
十ヶ月間の移行政府は、その間、政策によって、連立形態が変わるという
ような流動的で不安定な政権が成立するかもしれません。
それぞれの政治組織の掲げる政策が、どこまで相互に調整可能かどうかに
掛かってくることになるでしょう。
これは メッセージ 4324 (imonoyamashotengai さん)への返信です.
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