イラク戦争

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「労働者たちの企業再生」アルゼンチン②

投稿者: imonoyamashotengai 投稿日時: 2005/02/05 05:29 投稿番号: [4559 / 5091]
  ここは、カーロさんが着手したばかりの案件、経営が破綻して間もない病院
です。
  共同組合が軌道に乗るかどうかは、従業員一人一人の意思統一がうまく図れる
かどうかに懸かっています。
この病院では、職員が中心となって経営を受け継ぐことを考え始めていますが、
本当に病院を建て直すことができるのか、まだ半信半疑の人達も大勢います。
カーロ弁護士は何度も説明会に出席し、根気よく説得を続けます。
「しばらく給料はもらえないという話を耳にしました。この点をカーロ先生に
  ご説明いただきたい。一体どういうことですか?」
「うわさを信じるのはやめて下さい。給料を払わないのではありません。
  支払える金額を検討している段階なのです」
「この病院が抱える問題は典型的なものです。従業員達は不信感でいっぱいなの
です。前の雇用者は給料を払わず、組合も守ってくれなかった。そう簡単に人を
  信用する気にはなれないのです。でも私は辛抱強く対話を続けるつもりです」

  企業の再生は、まず従業員の考え方を変えることが第一歩となるのです。

  工場再建の過程で、もう一つ大きなカギを握るのは、債権者や土地の所有者
などを、いかに説得するかということです。
  カーロさんがやって来たのは従業員が四十名ほどの造船所。
地主から立ち退きを迫られています。
事態を打開する為には、かなりのエネルギーを必要とする案件です。
共同組合はカーロさんを交えて緊急の対策会議を開きました。
「船の建造が始まると工場はフル稼働する。敷地を最大限に使う必要があるんだ
  あくまで操業を続けると地主には伝えておいた」
「操業許可証があるのだから何も恐れることはない。
  今月中に造船所と市役所で大規模なデモを展開しよう」

  街の中心で大規模なデモを行うこともカーロさんの重要な戦術の一つです。
この日のデモは共同組合の運営を後押しする為の新たな法案を世の中にアピール
することが狙いです。
「ここにいる労働者たちは工場再生に努めてきました。事態が良くなることを
  みんな望んでいます。さらに多くの労働者が恩恵を受けられるように」
  デモには、再生を果たした企業三十社の従業員が駆けつけ、カーロ弁護士の
取り組みへの支持を訴えかけました。

ブエノスアイレス郊外、ビジャコリーナ地区、貧困層が多く住むスラム街です。
カーロさんはこのスラム街で生まれ育ちました。
今も母親のマルタさんがここで暮らしています。
「父はこの地域の世話役だったので、家は近所の人たちの寄り合い所のよう
  でした」
「私の子どもたちはみんないい子なのよ。私たちは貧乏だけど善人ですから」

  勉強が大好きで、成績も優秀だったカーロさん。
父親はスラム街の貧しい生活を改善する活動を続けた社会運動家でした。
「少し変わった子どもだったかもしれません。
  よく父に連れられて集会に参加しました。
  友だちと遊ぶのも楽しかった。でもそれだけでは物足りない。
  幼いころから人助けに興味があったのです」

  二十歳の時、海軍士官学校を卒業したカーロさんは、その後十年余り商船の
乗組員として世界の海で活躍しました。
  しかし、十年前、カーロさんは船員生活にきっぱりと別れを告げます。
家族と過ごす時間を大切にしたいというのが理由でした。
船乗りを辞めたカーロさんは市役所の労働局で働き始めました。
長引く不景気の中、失業する多くの人々を目の当たりにし、
何か自分にできることはないかと弁護士になる勉強を始めます。
それを強く勧めたのは妻のリリアナさんでした。
「私たちの一生の仕事は社会に奉仕することです。
  それができるのも家族と仲間のおかげです」
「両親を尊敬しています。2人の活動はすばらしい。
  でもあまりに忙しくて私たちは寂しい思いもします」
「父はいて欲しい時にいてくれないことが多い。
  厳しくしかられるのも好きじゃないわ」
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