イラク戦争

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「ハジ・ムラート」トルストイ②

投稿者: imonoyamashotengai 投稿日時: 2004/11/26 18:35 投稿番号: [3028 / 5091]
反ロシアの民族独立統一戦線という性格

<ロシア帝国の利害>対<英トルコの利害>(山岳民族への英の軍事援助)
<イスラム宗教勢力の利害>
<ダゲスタンの中小封建領主勢力の利害>
<ダゲスタンの農民層の利害>
<チェチェンの自由農民層の利害>
<チェチェンの自由農民層内部での階層分化の進行>
<平地の農民の利害>と<山岳部の農民の利害>
<農民兵主体から代官(ナイブ)の私兵主体へとミュリディズムの変質>

  <内部崩壊の過程>
諸民族の民族統一戦線は、当初は、封建領主層がヘゲモニーを持っており、
ペルシャなどの援軍を期待していました。第三代イマーム=シャミーリになり、
農民層がヘゲモニーを持つようになります。そうなると、封建領主層は手を引き
始めます。農民層の封建領主層に対する闘いへと質的変貌を遂げます。
更に、地方代官(ナイブ)が、あたかも封建領主層のように振る舞い始めると、
農民層の支持も急速に低下していきました。

・農民は高い税と徴兵という圧政を受ける
・地方代官(ナイブ)の圧政
・ダゲスタン人支配層と被支配層であるチェチェンの自由農民層との確執
・ロシア軍の戦略:消耗・飢餓作戦:森林伐採、食糧補給を絶つ、農村の破壊

  チェチェンの農民層は、暴力装置たるイマームの弟子ミュリド兵達を殺害し、
ロシアへと次々と帰順します。

  ハジ・ムラートはチェチェンの東隣ダゲスタンのアジャール地方の封建領主
勢力です。
  第二代イマームに親族を殺され、その仇として第二代イマームを暗殺します。
第三代イマームであるシャミーリと当初は対立していました。
その後、ロシアの任命した封建領主と対立し、ロシア側を離れ、シャミーリ側に
付きます。
  シャミーリの下、地方代官(ナイブ)として力を付けたハジ・ムラートは、
徐々にシャミーリと利害対立が始まります。
シャミーリの指示から相対的に別個に自らの利害を追及し始めます。
ハジ・ムラート以外の他の地方代官も同様の行動を取り始めます。

  後継者を自分の息子に指名したこと(血縁による相続はイマームが世俗の
専制君主に変質することを意味する)とハジ・ムラートの独自行動を批判し、
地方代官を解任したこと、これによって、両者の対立は決定的となります。
ハジ・ムラートはロシア側に走ります。

  本書と植田樹氏の「チェチェン大戦争の真実」を併せ読むことにより、
相互により豊かに理解する助けとなりました。
また、現代のチェチェン問題をより深く理解する一助ともなりました。
「事情は全く異なるものの、現代の第二次チェチェン戦争では民族運動が
  ワハーブ派によって乗っ取られ変質していったことを想起させる。
  特にマスハドフ大統領らを押さえこんで主導権を握った”野戦司令官”は
  地方代官(ナイブ)達を連想させるものがある」

  ロシア帝国の植民地主義には嫌悪しつつ、山岳民族の民族的戦いにも同情し
つつも、しかし、未開の山岳民が文明化されること、そのこと自体は、
『良いもの』として肯定してしまう。
  これは何故誤謬と言い得るのか?
  トルストイは、何を拠点にこれを否定し、乗り越えたのか?

  冒頭のトルストイの言葉が21世紀現代にも妥当するのなら、私にとっても
同様の問題が突きつけられています。

  チェチェン、イラク、アフガニスタン、パレスチナ等々で、『遅れたイスラム
を民主化する』という口実の下に、多くのイスラム一般市民が傷つけられている
のだからです。

  考えてみれば、ロシア帝国主義・植民地主義の尖兵たるコサック達や農奴達も
また、自らの意思ではなく、ロシア帝国の国策によって送り込まれているのです。

  イラクの米軍兵士の多くが、市民権を持たぬヒスパニックで占められている
ことを想起させます。
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