イラクで日本人拘束

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古舘さん負けないで81367に反論された方へ

投稿者: dictionarius 投稿日時: 2004/04/17 16:39 投稿番号: [83285 / 280993]
柄にもなく自分の意見を投稿して、批判を受けるとすぐ尻込みして、あんな投稿するんじゃなかったと後悔し、再反論などもってのほか、できることなら、このままほっかむりしてやり過ごそうと思ったのですが、「平和への恩返し」などと偉そうなことを言った手前、どうにも後ろめたくて、少しだけ書きます。私は国際政治や歴史の専門家ではないので、不正確な点もあるかもしれませんが、その場合はお許し下さい。

私が現在住んでいるドイツの隣国ポーランドのシレジア地方を最近旅する機会がありました。現在のドイツの東に隣接するこの豊かで広大な土地(ドイツ語ではシュレージエンSchlesien)は、16世紀以来500年近くもの間ドイツ語を母語にする人たち(つまりドイツ人)が居住する地域だったのですが、1945年のドイツ敗戦と同時にすべてのドイツ人がこの地から追放され、その後には、それまでのポーランドにいた人たちや、ソ連のさまざまな地域の人たちが入植して来ました。彼らはドイツが再びこの地域の領有を主張することを恐れて、ドイツ人の墓や彼らの歴史の跡をとどめる多くの文化遺産を破壊しました。しかし戦後のドイツは、国家の意思としてシレジアの返還を要求することなく、ポーランドとの国境協定を誠実に守り、東西統一後も新たな協定で現在の国境を再認知して、それを遵守する姿勢を鮮明にし続けています。その結果ポーランドの人たちは隣国ドイツを信頼し、彼らは今やドイツ人と協力して、かつてのドイツ人が残した文化遺産の保護に乗り出しています。過去の二つの大戦を徹底的に反省する姿勢を内外に明確にし続けたドイツは、今やヨーロッパの隣国の深い信頼を得ており、その結果東西ドイツの再統一が実現し、ドイツが今やヨーロッパ連合の中心的役割を担っていることはご承知のとおりです。戦後のドイツを貫いているこのような姿勢こそが、私の投稿への反論で言われる「犠牲を払った上での成熟した平和主義」ではないのでしょうか。現在の日本にそうしたものが根づいていないとすれば、それを断念せず、それを学び、追い求めていくのが本当のあるべき姿ではないのでしょうか。

領土問題をめぐって隣国とのギスギスした関係がいまだに続いている日本で、ドイツの例を挙げてこんなことを主張したら、それこそ大変なお叱りを受けそうですね。でも私たちの国日本もドイツと同様第二次大戦で大変な「犠牲を払った」敗戦国であり、特に私の親の世代は戦争のさなかに少年時代を過ごし、その苦労には筆舌を尽くしがたいものがあったようです。大正15年生まれの私の父も敗戦時には19歳で陸軍士官学校に在籍しており、今から考えると信じられないような悲惨な日本のありさまを自分史に書き残し、戦争の苦しさ、恐ろしさを私たち子供に伝えて5年前に亡くなりました。

私は戦争を知らない、平和の申し子の典型的な世代ですが、平和の恩恵をどの世代にもまして受けた分だけ、かつて戦争で最も大きな苦しみを味わった私たちの国が戦争を支持するということには、反対の声を上げなければならないと思っています。この意味で、今こそが私たちの世代に訪れた本当の修羅場であると思っているのです。
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