イラクで日本人拘束

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イラク・クエストⅤその2

投稿者: sayuki206 投稿日時: 2004/07/08 08:33 投稿番号: [212536 / 280993]
アメリコ軍をやり過ごした赤の6号は、公海上に出たところで、本来の飛空艇としてのテストを行った。

「なんだか、騒がしくなってきたわね。」

居住区の隣にある食堂で食事をしていたナホコ達は、手を止め、近くに居た下士官を捕まえて、何事なのかと尋ねた。

「ああ、今から飛行テストするんです。
船体の強度テストも兼ねますから、かなり揺れますよ。」

下士官が言っているそばから、いきなり急上昇を始めたので、テーブルの上の料理がナホコ達を襲った。
イマイとコオリヤマは素早くかわしたが、喰い意地の張ったナホコは、それを受け止めようとして、料理を頭からかぶってしまった。

「ワ・タ・ナ・ベェ〜!許っさんっっ!!」

ナホコは怒り狂って、食堂を飛び出した。
床に落ちた料理を片付けながら、ナホコを見送っていたコオリヤマにイマイが話しかけた。

「止めに行った方がいいんじゃないですか?」

「巻き添えを食うのは御免だ。放っとこう。」

コオリヤマは冷めた口調で言い放ち、黙々と片付けを再開した。


その頃ブリッジでは、テスト項目を次々にこなす為、かなり慌ただしい空気に包まれていた。

「現在、高度1万2千メートル。設計限度です、艦長。」

「よし、高度4千メートルまで降下。降下中に左右のロールを行う。旋回Gは2Gを上限とする。」

ワタナベはテスト項目のリストをめくりながら、操舵手に指示を出していた。
張り詰めた空気の中、ブリッジの機密扉が静かに開くと、何かの影が素早く入り込んだ。
影は、艦長席の真後ろに来ると、小さな光るものをワタナベの首筋に当てた。

「ひと〜つ、人の食事を邪魔し、ふた〜つ、不埒な操艦三昧、みっつ、醜い髭面を退治てくれよう、偽善剣。」

「わっ!ナホコ!!何するんだ、危ないじゃないか。」

ワタナベが振り返ると、フォークを握り締めたナホコが立っていた。

「あんたねぇ、人が食事してる時に何すんのよ!
おかげで、頭から冷麺かぶっちゃったじゃない!!」

ナホコが感情の赴くままに、ワタナベを罵りはじめた時、操舵手が降下を始め、続けざまに左右のロールを入れる。
バランスを崩したナホコは、悲鳴をあげながらブリッジを右へ左へと転がっていき、「ゴン」という鈍い音がして、やがて静かになった。
水平飛行に戻った所で医療班が呼ばれ、ナホコは医務室へ運ばれていった。

そんなこんなで、赤の6号はニポンを目指して飛び続けた。
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