イラク・クエストⅤ
投稿者: sayuki206 投稿日時: 2004/07/08 08:31 投稿番号: [212534 / 280993]
翌日。
再びバスラ港へやって来た三人は、今まで見た事も無い、変わった船を見つけた。
「変な船ね。」
「色も赤で、目立ちすぎですよね。」
「なんだか、空でも飛びそうだな。」
三人は、口々に船を見た感想を呟いていた。
しばらく船を眺めていると、後ろから、なれなれしく声を掛ける奴がいた。
「ナホコ?ナホコじゃないか!」
ナホコが振り返ると、髭面の男が暑苦しい笑顔で、大げさに手を振って駆け寄って来た。
「【ワタナベ】…さん?……どうして、ここに?」
そこには、去年、ナホコが参加したブッチュ侵攻阻止作戦(通称【人間の楯】作戦)の時に知り合ったワタナベが立っていた。
「ナホコこそ、こんな所で何してるんだ?」
ワタナベは、相変わらず暑苦しい笑顔で、ナホコに問い返した。
「それが、実は……」
ナホコは、これまでの経緯をワタナベに話した。
「で、ニポンへ行く船を捜していたのか。」
ワタナベは感慨深そうに頷くと、「ドン」と自分の胸を叩き、再び、暑苦しい笑顔に戻って、話を続けた。
「だったら、乗せてってやるよ。どうせ、ニポンに帰るところだし。」
「はぃ?」
ナホコは何が何だか判らずに、目が泳いでいた。
「あれから俺様も出世したんだぞ。
今は、あの船の艦長をしている。」
ワタナベはニヤリと笑って、例の赤い船を指差し、さらに話を続けた。
「あの作戦の後…導師【ズキン】は、【ヂャミーラ団】だけでは、ブッチュに対抗できないと痛感され、サダム国王側近の協力を得て、反ブッチュ組織【赤】を創設されたんだ。
俺様の船は、その【赤】の第6番艦だから、仲間内では【赤の6号】と呼ばれている。」
「なんか、すっごく説明的な会話ね。」
ナホコは、多少、呆れた顔で肩を竦めた。
「でも、渡りに船とはこの事ね。遠慮無く、乗せてもらう事にするわ。」
「歓迎するぞ。」
二人はゲラゲラと笑って、肩を叩きあった。
その後、四人は赤の6号に乗り込んだ。
ナホコ達三人は、士官用の個室にそれぞれ通された。
三人で旅を始めて以来、初めての個室にナホコは大はしゃぎだった。
ワタナベは、三人の世話を艦務班の士官に任せ、そそくさとブリッジへと向かった。
艦内の狭い通路を通って、ブリッジに着いたワタナベは、中央の艦長席に座り、即座に指示を出し始める。
「これより本艦は、ニポンへ向けて出航する。
出港の際は、アメリコ軍団の攻撃に備え、全艦、第一戦闘配備とする。
各員の職務を全うせよ。以上。」
赤の6号の機関はアイドリング状態から、次第に唸りをあげ、甲高い音に変わって行った。
微速前進のまま、艦首を港の出口に向けた時、観測要員が金切り声を上げた。
「艦長!飛行タイプが三匹、右舷より接近してきます。迎撃しますか?」
「いや、ただの巡回かも知れん、やり過ごせ。
本艦のポテンシャルが奴等に知られるのはまずい。
……ただし、砲術班は対空砲を何時でも出せるようにしておけ。」
ワタナベの指示に、ブリッジには重苦しい緊張感が漂っていたが、しばらくしてモンスターが飛び去って行くと、誰からともなく安堵の溜息が漏れ、いつもの和やかさが戻った。
「行ったようだな……」
艦長という立場から、かなり緊張していたワタナベも、ホッと胸をなでおろした。
そうこうしている内に防波堤を過ぎ、港の外を示す信号ブイを通過した。
「機関全速、公海上で最終テストを行う。」
再びバスラ港へやって来た三人は、今まで見た事も無い、変わった船を見つけた。
「変な船ね。」
「色も赤で、目立ちすぎですよね。」
「なんだか、空でも飛びそうだな。」
三人は、口々に船を見た感想を呟いていた。
しばらく船を眺めていると、後ろから、なれなれしく声を掛ける奴がいた。
「ナホコ?ナホコじゃないか!」
ナホコが振り返ると、髭面の男が暑苦しい笑顔で、大げさに手を振って駆け寄って来た。
「【ワタナベ】…さん?……どうして、ここに?」
そこには、去年、ナホコが参加したブッチュ侵攻阻止作戦(通称【人間の楯】作戦)の時に知り合ったワタナベが立っていた。
「ナホコこそ、こんな所で何してるんだ?」
ワタナベは、相変わらず暑苦しい笑顔で、ナホコに問い返した。
「それが、実は……」
ナホコは、これまでの経緯をワタナベに話した。
「で、ニポンへ行く船を捜していたのか。」
ワタナベは感慨深そうに頷くと、「ドン」と自分の胸を叩き、再び、暑苦しい笑顔に戻って、話を続けた。
「だったら、乗せてってやるよ。どうせ、ニポンに帰るところだし。」
「はぃ?」
ナホコは何が何だか判らずに、目が泳いでいた。
「あれから俺様も出世したんだぞ。
今は、あの船の艦長をしている。」
ワタナベはニヤリと笑って、例の赤い船を指差し、さらに話を続けた。
「あの作戦の後…導師【ズキン】は、【ヂャミーラ団】だけでは、ブッチュに対抗できないと痛感され、サダム国王側近の協力を得て、反ブッチュ組織【赤】を創設されたんだ。
俺様の船は、その【赤】の第6番艦だから、仲間内では【赤の6号】と呼ばれている。」
「なんか、すっごく説明的な会話ね。」
ナホコは、多少、呆れた顔で肩を竦めた。
「でも、渡りに船とはこの事ね。遠慮無く、乗せてもらう事にするわ。」
「歓迎するぞ。」
二人はゲラゲラと笑って、肩を叩きあった。
その後、四人は赤の6号に乗り込んだ。
ナホコ達三人は、士官用の個室にそれぞれ通された。
三人で旅を始めて以来、初めての個室にナホコは大はしゃぎだった。
ワタナベは、三人の世話を艦務班の士官に任せ、そそくさとブリッジへと向かった。
艦内の狭い通路を通って、ブリッジに着いたワタナベは、中央の艦長席に座り、即座に指示を出し始める。
「これより本艦は、ニポンへ向けて出航する。
出港の際は、アメリコ軍団の攻撃に備え、全艦、第一戦闘配備とする。
各員の職務を全うせよ。以上。」
赤の6号の機関はアイドリング状態から、次第に唸りをあげ、甲高い音に変わって行った。
微速前進のまま、艦首を港の出口に向けた時、観測要員が金切り声を上げた。
「艦長!飛行タイプが三匹、右舷より接近してきます。迎撃しますか?」
「いや、ただの巡回かも知れん、やり過ごせ。
本艦のポテンシャルが奴等に知られるのはまずい。
……ただし、砲術班は対空砲を何時でも出せるようにしておけ。」
ワタナベの指示に、ブリッジには重苦しい緊張感が漂っていたが、しばらくしてモンスターが飛び去って行くと、誰からともなく安堵の溜息が漏れ、いつもの和やかさが戻った。
「行ったようだな……」
艦長という立場から、かなり緊張していたワタナベも、ホッと胸をなでおろした。
そうこうしている内に防波堤を過ぎ、港の外を示す信号ブイを通過した。
「機関全速、公海上で最終テストを行う。」
これは メッセージ 1 (topics_editor さん)への返信です.
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