>tanukiponpocoさん太平記を御教授
投稿者: tanukiponpoco 投稿日時: 2004/05/09 18:03 投稿番号: [172245 / 280993]
>朱子学は、中華思想によって立つと言うことでしょうか?
成立は中華思想が背景にありますが、朱子学は理論体系として中華思想は必要ないと思われます。
朱子(朱熹)の理論は、訓古学の批判とか、性即理説とか、かなり哲学的な内容を含んだものらしいです。この辺は私にはわかりません。「尊王賤覇」というイデオロギーがあるという所から説明します。
朱子学成立当時の時代は、中国(南宋)から見て「野蛮」な金と対等な立場で条約を結ぶはめになったという歴史的背景があります。中華思想をアイデンティティとする中国知識人には、耐え難い屈辱であり、このため、「尊王賤覇」の思想をよりどころとしました。このため、成立においては中華思想は大きく影響を及ぼしています。
この「尊王賤覇」の王とは徳で支配する皇帝、すなわち、中国の正当な皇帝、覇とは力のみで支配するもの(昨年の覇者のダイエーは乱暴者か?)、南宋時代は金の国を指します。更に、正当な支配者は絶対的な正義、これに尽くすのが忠義となるわけです。太平記の序段にもあるように、(臣下は)「道違ふ則は威ありといえども保たず」となります。更に、(君主は)「徳欠くる則は位ありといえども持たず」(太平記序段)と、君子のあるべき姿も説いています。これは金もじきに滅ぶと言いたかったのでしょう。
この「徳のある支配者」と中華思想が関連します。中国では清朝(異民族による支配)の皇帝をどのように見ていたかが判断材料になると思いますが、清朝でも官学になったということは、中華思想はあまり構成要素としては重要ではないと思います。
日本ではどれだけ歪められたかは知りませんが、武士という本来の姿でない支配者(朝廷から見れば覇者)のお抱えの学者(新井白石など)により、正統化されたわけなので、中華思想は理論上は必要ないと思います。ただ、水戸藩では、この件に関して議論が沸き起こっていました。
これは メッセージ 171893 (wintrip_02 さん)への返信です.
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