中国

Yahoo! Japan 掲示板トピックビューアー

[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

東京大学経済系講師の竹内靖雄の一言

投稿者: tokyo_made_kuso_benki 投稿日時: 2005/08/18 18:43 投稿番号: [41729 / 66577]
大学生に日本経済の構造を教える東京大学経済系講師の竹内靖雄は日本型社会主義経済の書籍を発行したことがある。

http://www.atc.ne.jp/seikindo/hyoushi/nihonno.jpg

『国家と神の資本論』竹内靖雄/講談社

  これは、市場信奉主義型アナーキストによる日本国家解体の企画書である。
  アナーキストといえば、かつては共同体精神の復活を願いつつ私有財産制を廃止しようとするユートピア主義者だった。それは個人の自由を謳いながら、結局は個人を共同体に埋没させるものでしかなかった。その失敗を反省したために、ロバート・ノージック、ピエール・ルミューなど現代のアナーキスト(リバタリアン)はあくまで個人の自由を手放さず、逆にその実現に専心した。それは、グローバルに広がった市場と情報のネットワークを最大限に活用するということにつながる。
  こうした見通しのもと、著者は本書という「消しゴム」で日本から国家制度を消してゆく。()内は評者の感想である。いわく−
  警察は解体して、治安は民間の「安全保障サービス会社」に任せる(金のない者は自衛のために武装せよということか。)裁判所も民営化して、調停の仲介機関とさせる。死刑はなくして、被告には被害者に労働で損害賠償させる(国家が解体されれば、判決結果は誰が強制するのだろう)。戦争は、請負業者に市場を通じて委託する。(アメリカの下層出身軍人をカネで買うことになろう)。ハイエクにならって、貨幣発行は自由化し、日銀は解体する(すべての貨幣の間でレートが乱高下するだろう)。政府は分割、大統領制を敷き、政策はシンクタンクに作成させ、議会は廃止する。日本とアメリカはM&Aして企業同様に合併、市場の大きさに合わせて国家としての枠を広げる。日本は、いわば会員制クラブになる。
  この一見したところ無謀な国家解体の発想は、明確な国家観を下敷きとしている。そもそもホッブズがリヴァイアサンと呼んだ国家は、個人の生命と安全を保障するはずのものだった。ところが国家は、二十世紀に入るや、対外戦争に国民を駆り出して強制的にその生命・財産を奪うに至った。戦後は一転して平和的になったが、今度は弱者への福祉を旨する官僚が強者の財産を奪っている。
  こうした壮大にして徹底的な思考実験が、本書の魅力である。それは、導かれる疑問点の多さにも表れる。私がもっとも重視したいのは、「公共性」をここまで解消してしまってよいのか、ということだ。著者の依拠するアダム・スミスは、公共事業として国民による国防の義務を挙げた。通常それは市場の失敗によるとみなされ、著者は反論している。しかし、スミスの議論はもともとそうしたものではない。市場で単純な分業労働ばかりしていると、人は限りなく凡庸になる。日常生活の知恵を得、社会の全体を見渡す心をもつために、公共性ある事業に当たるべきなのだ、というのである(『国富論』)。
  ちなみにノージックははやばやとリバタリアンを廃業して、現在は共同性を強調するコミュニタリアンにくら替えしたといわれている。国家と個人、公共性の関係を見直すのは、依然としてが経済哲学の課題であると思う。
[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

Yahoo! Japan 掲示板 アーカイヴ

[検索ページ] (中東) (東亜) (捕鯨 / 捕鯨詳細)