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品質と価格

投稿者: tokagenoheso 投稿日時: 2005/07/17 23:53 投稿番号: [39264 / 66577]
わたしも物作りに関わる人間の端くれですので、日本の技術力に対しては関心があります。

結論を言うと、日本の物作りの技術が失われて価格のみで中国と張り合うようになる、との懸念は今の所持っていません。

ドリームさんが例としてあげられたDVDですが、たしかに現在では理想的な品質なのでしょう。しかし、これは現在の話。将来一般のDVD自体の技術開発が進み、この森DVDを凌駕する品質のものが出てくる可能性は十分ありますが、あるいは可動部分を要するドライバが不要なフラッシュメモリーに置き換わるかも知れません。今、現実にそのような方向に動いています。

そうやって、かつて最高級記録メディアであった磁気テープは姿を消し、アナログレコードも姿を消しています(一部のノスタルジーを求める人々が要求する以外)

これは大量に生産されるから可能なのであり、生産量が少ないままであると製品の品質向上は停まってしまいます。普及することが品質向上の第一条件なのです。

私の子供の頃、テレビはは月収の何ヶ月分もしたでしょうが、今は比較的簡単に還るしそして品質は比べものにならないほど向上しています。

1)品質向上のためには普及しなければならず、その為には価格が下がらなければならない。その逆もあり得る。

日本人にはこだわりがあり、昔ながらの手作り品が高級というイメージがあります。たしかに、輪島塗のお椀と九谷焼の茶碗は、スーパーの特売品より高級なのは事実ですが、それは単なる感性による高級品なのであり、実用性や品質自体は500円の茶碗も1万円の茶碗も変わらないでしょう。

手作り=高級品とはたんなる満足感の問題であり、いま我々の身の回りにある製品の殆どが機械生産ものであって、手作り製品よりよほど高品質です。

車を手作りする人は居ても、鉄板、エンジン、電気系統などは機械生産のものを使うのであって、結局100%手作りの自動車など出来ません。

いわば、中国は諸外国から部品を買って自動車を作っているのであり、中国が鉄板やエンジン、電気周りなど全て自国で作って、なお日本製と価格や性能で勝るという事は少なくとも私たちの世代にはないし、今の体制のままでは永久にないでしょう。

2)手作り品≠高級品   従って手作り大国である中国が工業品で競争力を持つことはない。

私たちの生活では常に最高級品や最高性能品を使う必要はありません。

化学試験などでは1マイクログラム単位で量る化学秤が要るでしょうが料理をするときはグラム単位が分かれば十分です。キッチン秤の精度を追求するならむしろ耐久性や価格低下を追求すべきです。

化学秤とキッチン秤は似て非なるものなのであり、競合することはありません。その意味で、日本が中国製品との競合は起きません。今現在、工業品で競合が起きているものがあるでしょうか。または近い将来起きそうなものがあるでしょうか。

3)今の体制では、純日本製と純中国製で工業品の競合が起きる兆しはありません。

日本で若い人間達が物作りに興味を示さなくなったという見方があり、これは確かにそう思えます。

これだけは確かに用心をしなくてはならないでしょう。しかし企業も若い技術者の育成に力を入れ始めていますし、物づくりへの関心もよみがえりつつあるのではないかとの見方も出来ます。

むしろ、中国と言うより、それらの製品のシェアを他に奪われる可能性は常に考えておく必要はあります。そのうえで、日本は物づくりの原点を見直しつつあるように思えます。手作り品の項と矛盾するようですが、ものを作る人間に対する尊敬の念を、日本人は文化として持っていると思います。
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