やはり浅薄な、脳内『民族の世界史』
投稿者: Mishi_Mishi_01 投稿日時: 2005/02/17 05:24 投稿番号: [24283 / 66577]
戦前・戦中と、日本でも中国でも『五族協和(但し、日本人の言う“五族”は、中国人のそれと構成が違う)』ということが盛んに言われたので、恐らくはそれをどこかで聞きかじって誤解したのでしょうが、『中国は漢、満、蒙、回、蔵の5族から成り立つといいますが、この五族を「中国民族」と表現します』なんていうことはありませんし、現実としてもそういった把握の仕方は極めて不正確です。
まず第一に満州族は清朝没落後、『滅満興漢! 』というスローガンに象徴されるように極めて酷い迫害の対象となったため、今では民族絶滅に近いほどまで実質人口が減っており、固有満州語で会話できる人間に至っては、専門の研究者など、本当に数人しか残っていません。
(※近年、一人っ子政策などでの恩恵が受けられるため、満州族と通婚した漢族が、登録を満族に書き換えるなどのケースが続出し、戸籍上の満族人口は950万人まで膨れ上がっているが、これはある種の漢化政策の成功だと言って良い。)
ですから『中国は漢、満、蒙、回、蔵の5足から成り立つといいます』なんて言ったら、人口的にははるかに満州族を凌駕するチワン族など、ほとんど全ての少数民族は立つ瀬がありません。
そして第二に、御説の『中国民族(?)』を代表する重要な要素であるはずのモンゴル族に至っては、中国人が『外蒙古』と差別的な呼称で呼ぶ『モンゴル共和国』に250万人以上が住んでいます。
もし『中国は漢、満、蒙、回、蔵の5足から成り立つ』なんて言ったら、モンゴル共和国の国民は『俺達がいつ、中国人になったんだ! 』と抗議するでしょう。
というように『中国民族(?)説』は、関係するほとんどの民族・国家から意義をとなえられるだけでなく、現実にそういった用語が使われる場合もありません。
前にも述べましたが、中国国内に住む人間をみんなひっくるめて呼ぶ場合には、『中華民族』と呼びます。
これは極めて政治的な用語で、そうであるだけに現代中国人の世界観を間違った方向に導いていく大変に危険な概念だと思いますが、今のところどこの国も異論を唱えてはいません。
中国の為政者達が、どのような思惑を持って『五族』ではなく『(漢民族も含めた)56の民族』を総して『中華民族』と呼び、自国民にもそう呼ばせているのか、その意味をもっと警戒心を持って見つめる必要が、日本を含む中国の周辺国家の住民にはあるでしょう。
(そうしないと、知らない間に日本人まで“57番目の民族”にされちゃいますよ)
これは メッセージ 24282 (attoko12345 さん)への返信です.
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