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ナンキン虫

投稿者: unhoo 投稿日時: 2008/04/27 15:30 投稿番号: [14374 / 16409]
ナンキン虫は中国には普遍的に存在するらしい。ところが台湾にはない。戦後台湾へ来た外省人の荷物や衣類によって運ばれてきたナンキン虫は、台湾のアワテコヌカ蟻の餌食になって絶滅したらしいのである。

蒋介石軍が共匪に殲滅されて、大量の中国難民が台湾へ逃難してきたのは1949年だった。そのころの台湾の新聞に、ある中国人の投稿があった。彼は台湾に南京虫が少ないのを不思議がっていたが、ある日南京虫が微小な薄茶色の蟻の群れに取り囲まれて、運ばれて行くのを見たという。それで、台湾にこの蟻があるから南京虫が、増殖できないのだとわかったと。中国人が運んできた南京虫は、この蟻に退治されて、ついに全滅したのであろう。

新聞に上記の投稿があったとき、わしはこの蟻についてすでに若干の知識があった。わしは台北市の大正町に住んでいた幼児時代(昭和3年以前)に、この蟻をよく見た。この蟻は砂糖壺によくたかる。この蟻を防ぐため、我が家では皿に水を湛えてその中に砂糖壺を置くことにしていた。いかし母が料理のために砂糖を台所の机の上に置いて、そのまま置き忘れると、すぐさまこの蟻にたかられて、手のつけようがなくなった。

のちに少年時代、雑誌か新聞の記事で読んだところでは、この蟻は、いつもぐるぐる走り回っていて、その様子が非常に慌てているように見えるので、ある日本婦人が「慌て蟻」と呼んでいた。それを台北帝大の生物学の教授が聞きつけて、日本語の正式名称をアワテコヌカアリときめたのだという。漢字で書けば「慌て小糠蟻」である。ラテン語の学名は知らない。
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