チベット

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インド人からみったチベット(10)

投稿者: yorika3 投稿日時: 2008/05/07 21:10 投稿番号: [22676 / 30899]
チベットのパラドックス
  物静かで内気な宗教指導者は、1959年の武装蜂起によりチベットを逃亡するまで君臨し、その後1960年以来信奉者たちとダラムサラ――インドの「リトル・ラサ」――を拠点にしてから、完璧な公的存在と世界旅行者になった。1989 年ノーベル平和賞を受賞したダライ・ラマ十四世は、もっぱらチベット問題を国際的な議題として、世界的、中国内部、さらには印中関係において維持し続けている。

  政治的にはチベットはパラドックスとなっている。

  まず世界中でチベットの地位について異を唱える国や政府は一つたりともない。どの国も、チベットを中国の一部として認知しているし、ダラムサラにあるダライ・ラマの「亡命政府」にちょっとでも法的認知を与えている政府も一つもない。カシミールの法的地位について国際的な合意がないのとは好対照だ。

  チベットに関し、インドの立場は大きく進歩を遂げている。もともと英国植民地時代にははっきりした態度を取らない方針だったが、2003年にインド首相の訪中に際して印中関係に関する取り決めの一部として、インドは「一つの中国」政策を明確に認知し、「チベット自治区が中華人民共和国の領土の一部」であると認めている。またチベット人が「インド国内で反中国的な政治活動に従事すること」を禁ずるとつけ加えている。その後の政権も、2005年の温家宝首相訪印に際しての共同声明でこの立場を再確認している。

  一方で、チベットが政治問題であるのもまちがいない。これは頭の痛い国際的な側面を持っているし、中国の指導層や人民にとっての懸念であり、また国際的にも、そして部分的には国内でも、世論を分裂させてしまっている。

  この頭の痛い側面は、各種の客観的・主観的要因の相互作用からきている。ダライ・ラマの宗教的カリスマと、チベット仏教のイコン的国際地位の組み合わせ、その長寿と辛抱強さ、植民地主義者や西側勢力をはじめ、過去半世紀にわたりかれが支持してきたイデオロギー・政治的な狙い、かれの相当な資産と世界的な投資、世界各国のチベット亡命者たちが拠出するリソース、文化大革命期(1966-1976) に、チベットを含む中国全土で行われた文化的・人的被害の甚大さ、ダライ・ラマ個人とその事務所を中心に結集している「チベット独立」運動の、中道とはほど遠い性格、かれがハリウッドやメディア、立法者など西欧社会での影響力の高い人々に対してかれが持つ結びつき、そして進歩的なインド人の立場から最も頭が痛いのが、「チベット亡命政府」の活動がインドから行われているという事実だ。
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