ペテン五輪、ドイツの反応(上)
投稿者: fruity_wine33 投稿日時: 2008/04/25 15:44 投稿番号: [16750 / 30899]
ドイツマスコミスキャン〜チベット暴動と北京オリンピック(上)
竹森健夫2008/03/24
デモを武力で抑え、対話の申し出には耳をかさない。5か月後に五輪開催を控えた国の態度ではない――。ドイツのマスコミでもチベット暴動とボイコットの可能性に関する論評がたくさん出た。「中国は対話を拒絶することで最終的にテロを促進している」という非難も出ている。
◆「中国はテロを促進している」
デモを武力で抑え、外国人ジャーナリストを締め出し、ネット回線を遮断する。ダライ・ラマからの対話の申し出には耳をかさず、暴動の原因は「ダライ・ラマの一味」にあると逆に非難する。とてもオリンピック開催を5か月後に控えた国がとるべき態度とは思われない――。
というわけで、ドイツのマスコミでもチベット暴動とオリンピックの是非(ボイコットの可能性)に関する論評がたくさん出た。今回と次回でそれを紹介したいと思う(ただし、ほんとにたくさんあったので、ほんの一部だけ)。
さて、マスコミの論評である。まずは『ヴェルト』紙。論評のタイトルは『中国はテロを促進している』。
この論評は「チベットの解放運動は、パレスチナや北アイルランドと違って非暴力的であり、中国に占領されてから、ダライ・ラマが申し出た対話や妥協は数え切れないくらいだ」としたうえで、次のように総括する。
「しかし、こうしたやり方は、チベットに何ももたらさなかった。むしろ逆にチベット人を少数民族へと追い込む中国の政策を促進させてしまう結果となった」
そもそも聞く耳を持たない国に対しては、いくら対話を呼び掛けてみても、その努力は無駄に終わる可能性が高い。一方、パレスチナや北アイルランドはハイジャックやテロといった暴力的手法を用いることで、まがりなりにも相手を交渉のテーブルにつかせることに成功した。そして
「ここからチベット独立運動が導き出すであろう教訓は明らかである。すなわち――テロで国際社会の注目を浴びれば、政治交渉の相手として受け入れられる。中国はチベットに不当な行為をしているだけではない。中国は対話を拒絶することで最終的にテロを促進しているのである」
と論じ、ダライ・ラマとの対話を拒絶し続けていると、そのうちチベット解放運動がパレスチナ・北アイルランド方式にシフトしてくるのではないかと危惧している。
『ハンデルスブラット』紙の論評『北京の悪夢』も似たような見解。
「中国は過去50年間、対話の政治というものを築くことができなかった。相手がチベットであってもそうだし、台湾であってもそうだ。両地域が中国に対して自由意志にもとづく共存関係を築くことができていたら、中国の絶対権力に対して激しい抵抗運動が起こることもなかったであろう」
そしてこれを中国の戦略上の間違いだと評し、合わせて
「アメリカ政府が、国務省の報告にははっきりと人権侵害――特にチベットの宗教的自由の制限――を確認しているにもかかわらず、『最悪の人権侵害国』のリストから中国を削除したのはたいへんなまちがいであった」
とアメリカ政府の対応をも批判している。また、オリンピックについても
「ボイコットするぞと圧力をかけるのは、中国国民の中にある種の連帯感を生む効果がある。そうなれば、それだけ指導部のチベット陰謀説は強化されてしまうだろう。しかしその一方で、ボイコットの可能性を示すことは、政治力学的な梃子ともなるのである。だからこそ、それを性急に手放してはならない。どっちみち人権というのは中国にとって急所なのである。そして、オリンピックは人権尊重を要求する一つの手段なのだ」
と述べ、ボイコットを頭から否定する態度を戒めている。
竹森健夫2008/03/24
デモを武力で抑え、対話の申し出には耳をかさない。5か月後に五輪開催を控えた国の態度ではない――。ドイツのマスコミでもチベット暴動とボイコットの可能性に関する論評がたくさん出た。「中国は対話を拒絶することで最終的にテロを促進している」という非難も出ている。
◆「中国はテロを促進している」
デモを武力で抑え、外国人ジャーナリストを締め出し、ネット回線を遮断する。ダライ・ラマからの対話の申し出には耳をかさず、暴動の原因は「ダライ・ラマの一味」にあると逆に非難する。とてもオリンピック開催を5か月後に控えた国がとるべき態度とは思われない――。
というわけで、ドイツのマスコミでもチベット暴動とオリンピックの是非(ボイコットの可能性)に関する論評がたくさん出た。今回と次回でそれを紹介したいと思う(ただし、ほんとにたくさんあったので、ほんの一部だけ)。
さて、マスコミの論評である。まずは『ヴェルト』紙。論評のタイトルは『中国はテロを促進している』。
この論評は「チベットの解放運動は、パレスチナや北アイルランドと違って非暴力的であり、中国に占領されてから、ダライ・ラマが申し出た対話や妥協は数え切れないくらいだ」としたうえで、次のように総括する。
「しかし、こうしたやり方は、チベットに何ももたらさなかった。むしろ逆にチベット人を少数民族へと追い込む中国の政策を促進させてしまう結果となった」
そもそも聞く耳を持たない国に対しては、いくら対話を呼び掛けてみても、その努力は無駄に終わる可能性が高い。一方、パレスチナや北アイルランドはハイジャックやテロといった暴力的手法を用いることで、まがりなりにも相手を交渉のテーブルにつかせることに成功した。そして
「ここからチベット独立運動が導き出すであろう教訓は明らかである。すなわち――テロで国際社会の注目を浴びれば、政治交渉の相手として受け入れられる。中国はチベットに不当な行為をしているだけではない。中国は対話を拒絶することで最終的にテロを促進しているのである」
と論じ、ダライ・ラマとの対話を拒絶し続けていると、そのうちチベット解放運動がパレスチナ・北アイルランド方式にシフトしてくるのではないかと危惧している。
『ハンデルスブラット』紙の論評『北京の悪夢』も似たような見解。
「中国は過去50年間、対話の政治というものを築くことができなかった。相手がチベットであってもそうだし、台湾であってもそうだ。両地域が中国に対して自由意志にもとづく共存関係を築くことができていたら、中国の絶対権力に対して激しい抵抗運動が起こることもなかったであろう」
そしてこれを中国の戦略上の間違いだと評し、合わせて
「アメリカ政府が、国務省の報告にははっきりと人権侵害――特にチベットの宗教的自由の制限――を確認しているにもかかわらず、『最悪の人権侵害国』のリストから中国を削除したのはたいへんなまちがいであった」
とアメリカ政府の対応をも批判している。また、オリンピックについても
「ボイコットするぞと圧力をかけるのは、中国国民の中にある種の連帯感を生む効果がある。そうなれば、それだけ指導部のチベット陰謀説は強化されてしまうだろう。しかしその一方で、ボイコットの可能性を示すことは、政治力学的な梃子ともなるのである。だからこそ、それを性急に手放してはならない。どっちみち人権というのは中国にとって急所なのである。そして、オリンピックは人権尊重を要求する一つの手段なのだ」
と述べ、ボイコットを頭から否定する態度を戒めている。
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