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福岡強制連行訴訟

投稿者: jyoui 投稿日時: 2003/10/15 15:42 投稿番号: [6770 / 44985]
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200204/27-2.html


強制連行訴訟   明快な司法判断が欲しい

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  「福岡強制連行訴訟」で、福岡地裁が企業の不法行為を認定し、使用者の三井鉱山に1人当たり1100万円の慰謝料の支払いを命じた。強制連行について企業の責任を認めた判決は初めて。戦後補償のあり方を全面的に問い直す内容だ。
  第二次大戦中、労働力不足を補うために強制連行された中国人は約3万9000人に及び、全国135の事業所で強制労働させられた、とされる。「日本全体の食糧不足や悪化した労働条件を考慮しても、劣悪かつ過酷だった」と判決は述べたが、同鉱山に限らず、どこの事業所でもひどい仕打ちが行われたことは多くの証言や資料で明らかだ。戦争中とはいえ、異国で過重な労働を強いられた人々の辛苦には計り知れぬものがある。

  判決が除斥期間を原告に有利にとらえ、被害の救済を優先したのも悲惨な実態を重大に受け止めてのことだろう。しかし、政府や強制連行にかかわった企業側は、サンフランシスコ講和条約や日中共同声明などで補償問題は処理済みとする立場をとり、内外でも定着してきた。

  一方、戦後補償に関して最近の裁判では、国家間の交渉では解決していないという訴えを、個人補償によって救済する判断が続いている。一昨年11月には、虐待に耐えかねて蜂起した花岡事件の被害者らの訴訟で、当時の使用者の鹿島(旧鹿島組)が5億円の基金を寄託することなどを条件とした和解が東京高裁で成立。昨年7月には東京地裁で、戦後の13年間、北海道で逃亡生活を続けた故劉連仁さんに2000万円の損害賠償金を支払うように国に命じる判決が言い渡されている。

  これらは今なお中国をはじめアジアの人々に、日本の戦後処理に不満があることなどを踏まえた司法判断とも解釈できる。

  もっとも劉さんの訴訟で認められたのは戦後責任であり、暴動まで起きた花岡事件は強制連行の悲劇の中でも突出したケースで、就労状況などの記録も残されていたという特別な事情があったことも見逃せない。

  今回の判決は「同鉱山は原告らに労働の対価を支払わないばかりか十分な食事も与えなかったのに、国からは多額の補償金を受け、強制労働で多くの利益を得た」と認定、「著しく正義、公平の理念に反する」として原告の訴えを入れた。この判断が“処理済み”では片付けられない特別な事情を踏まえてのものかどうかは大きなポイントだ。

  判決は強制連行を国策としながら、企業の責任だけを認めた。国の責任を否定した理由や、他の事業所での被害と違う際立った状況が明らかにされたとも言い難い。

  劉さんの判決後、強制連行の被害者による提訴の動きはますます盛んになっている。今回の判決が、これらの訴訟はもちろん海外での同様の裁判にも大きく影響することは必至だ。重大事だけに上級審の判断も仰いで、明快な司法判断を確立すべきではないか。


(毎日新聞 04-27-01:27)
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