昔話①
投稿者: tippler_365 投稿日時: 2003/09/01 13:49 投稿番号: [3293 / 44985]
昔は良くあった話だと思いますので、忙しい方は、お読みになるほどの文章ではありません。
会話は広島弁です。
私の中学生の頃の話です。 私の故郷は極めて田舎で、100m程向こうをJRが走っている以外は、両手で余る程度の民家があるだけで、見渡す限り山と田畑でした。
其の頃、道徳という授業のなかで、部落や在日の方々への差別に関する教育が映画などを交えて行われていました。 大昔の事なので詳しく記憶していませんが、結婚や就職に関する差別が大きく印象に残っています。
中学生という事もあり、具体的な歴史背景や、現在ネットで公開されているような情報が頭に有る筈も無く、単純に「ああ、なんて可愛そうな人達なんだ」という印象を持つ生徒が殆どで、授業後の生徒の感想文も概ねそのようなものでした。
私自身、それまで家庭内で親からそのような話を聞いた事も無く、そういう差別の存在自体を知りませんでした。 勿論、同級生や上下級生の中にそういう境遇の人達がいるという事も。
そんなある日、ツッパリ生徒達の間でちょっとした揉め事があり、一人の特に喧嘩の強い生徒が其の揉め事の間に割って入り、先生にも手がつけられなかった揉め事を、何とか丸く収めました。
其の生徒(A君)は、なかなか男前で喧嘩も強く、またそういう事を全く鼻にかけない性格だったので、私は勿論のこと、他の生徒も彼の事を頼りこそすれ、悪く言う生徒はいませんでした。
もともと、学校では彼とよく話をしていたほうの私は、胸のすく思いで家に帰り、晩御飯の時に母にその話をしました。 母は最初「ふーん、そがあな事があったんね、先生にももっとしっかりしてもらわんにゃあいけんね。」と言っていましたが、私が「今度、Aの家へ遊びに行ってくるけんね。」と言った途端、急に険しい表情に変わりました。
「A君ゆうたら、○○(地名)のA君じゃろ。 兄弟が二人ほどおる。」
「ほうよ。」
「あんた、ありゃぁ朝鮮人よ。」
「。。。。。ほいじゃけぇ、どうしたんね?」
「あがぁなんと、付き合いんさんなや。」
「なんでね?」
「「なんでね?」ゆうて、“ちょん”や“よつ”(部落差別用語)と付き合わん方がええゆうのは、皆ゆうとるわいね。」
「なんが、悪いんね?」
「近所のもんが、「○○(我家)の○○ちゃん(私の名前)はAと仲がええらしいよ。」ゆうて言うじゃろうがね。」
「別にええじゃん。」
「ええことないわいね! あれらあ、昔悪い事ばっかりしよったんよ! 今でも、“どかた”(現場作業員)やら“バキュームカー”(糞尿回収車)やらそがあな仕事しかしょうらんのんよ。」
「昔、どがぁな悪い事をしたんね?」
「泥棒に入ったり、人を殴ったり。 私が若い頃にゃあ、よう畑のもんを盗られよったわいね。」
「昔の日本人が、あの人らが普通の仕事が出来んように差別したけえ、泥棒したり悪い事をしたりしよったんじゃろうがね。 喜んで、そがぁな仕事をするもんはおるまぁがね。」
「悪い事をするけぇ、ええ仕事がもらえんのよ。 当り前じゃろうが。」
「ほいじゃが、そりゃあAがやったことじゃああるまぁがね。 なんで、Aが関係あるんね?」
「ほがぁな事をゆうても、朝鮮人じゃろうがね。」
「朝鮮人じゃったら、皆悪いんね?」
「そうは言わんけど、あんたがええ思うとっても、他のもんはそう思わんわいね。 朝鮮人と付き合よおるゆうだけで、おかしげな目で見られるんよ。」
②へ続く
私の中学生の頃の話です。 私の故郷は極めて田舎で、100m程向こうをJRが走っている以外は、両手で余る程度の民家があるだけで、見渡す限り山と田畑でした。
其の頃、道徳という授業のなかで、部落や在日の方々への差別に関する教育が映画などを交えて行われていました。 大昔の事なので詳しく記憶していませんが、結婚や就職に関する差別が大きく印象に残っています。
中学生という事もあり、具体的な歴史背景や、現在ネットで公開されているような情報が頭に有る筈も無く、単純に「ああ、なんて可愛そうな人達なんだ」という印象を持つ生徒が殆どで、授業後の生徒の感想文も概ねそのようなものでした。
私自身、それまで家庭内で親からそのような話を聞いた事も無く、そういう差別の存在自体を知りませんでした。 勿論、同級生や上下級生の中にそういう境遇の人達がいるという事も。
そんなある日、ツッパリ生徒達の間でちょっとした揉め事があり、一人の特に喧嘩の強い生徒が其の揉め事の間に割って入り、先生にも手がつけられなかった揉め事を、何とか丸く収めました。
其の生徒(A君)は、なかなか男前で喧嘩も強く、またそういう事を全く鼻にかけない性格だったので、私は勿論のこと、他の生徒も彼の事を頼りこそすれ、悪く言う生徒はいませんでした。
もともと、学校では彼とよく話をしていたほうの私は、胸のすく思いで家に帰り、晩御飯の時に母にその話をしました。 母は最初「ふーん、そがあな事があったんね、先生にももっとしっかりしてもらわんにゃあいけんね。」と言っていましたが、私が「今度、Aの家へ遊びに行ってくるけんね。」と言った途端、急に険しい表情に変わりました。
「A君ゆうたら、○○(地名)のA君じゃろ。 兄弟が二人ほどおる。」
「ほうよ。」
「あんた、ありゃぁ朝鮮人よ。」
「。。。。。ほいじゃけぇ、どうしたんね?」
「あがぁなんと、付き合いんさんなや。」
「なんでね?」
「「なんでね?」ゆうて、“ちょん”や“よつ”(部落差別用語)と付き合わん方がええゆうのは、皆ゆうとるわいね。」
「なんが、悪いんね?」
「近所のもんが、「○○(我家)の○○ちゃん(私の名前)はAと仲がええらしいよ。」ゆうて言うじゃろうがね。」
「別にええじゃん。」
「ええことないわいね! あれらあ、昔悪い事ばっかりしよったんよ! 今でも、“どかた”(現場作業員)やら“バキュームカー”(糞尿回収車)やらそがあな仕事しかしょうらんのんよ。」
「昔、どがぁな悪い事をしたんね?」
「泥棒に入ったり、人を殴ったり。 私が若い頃にゃあ、よう畑のもんを盗られよったわいね。」
「昔の日本人が、あの人らが普通の仕事が出来んように差別したけえ、泥棒したり悪い事をしたりしよったんじゃろうがね。 喜んで、そがぁな仕事をするもんはおるまぁがね。」
「悪い事をするけぇ、ええ仕事がもらえんのよ。 当り前じゃろうが。」
「ほいじゃが、そりゃあAがやったことじゃああるまぁがね。 なんで、Aが関係あるんね?」
「ほがぁな事をゆうても、朝鮮人じゃろうがね。」
「朝鮮人じゃったら、皆悪いんね?」
「そうは言わんけど、あんたがええ思うとっても、他のもんはそう思わんわいね。 朝鮮人と付き合よおるゆうだけで、おかしげな目で見られるんよ。」
②へ続く
これは メッセージ 1 (topics_editor さん)への返信です.
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