海と夕焼
投稿者: nagoyan_2shiki 投稿日時: 2004/06/23 22:37 投稿番号: [19577 / 44985]
>騙されて全員奴隷としてイスラム教徒に売られてしまった、
>少年十字軍なんてのもありましたね。
三島由紀夫に少年十字軍を扱った面白い小品がある。
「海と夕焼」
<あらすじ>
文永9年(1272)の晩夏、鎌倉・建長寺の裏山から、
稲村ヶ崎の海に沈む夕日をみながら老齢の寺男・安里(アンリ)が、
口のきけない、耳の聞こえない一人の少年に、みずからの経験した
「不思議」を語り聞かせる。
60年前、アンリはフランスのセヴェンヌの羊飼いだった。
ある日の夕暮れ、羊たちとともに丘をのぼりかけると、キリストに出会う。
キリストはいう、「エルサレムを奪い返すのはお前だよ、アンリ」と。
多くの同士を集めてマルセイユに行けば、地中海は二つに分かれ、
エルサレムに導かれる」と。
アンリら少年十字軍らは多くの犠牲者をだしながらも、マルセイユに着くが、海は分かれない。
永いこと祈ったが海は満々と水をたたえている。
そのうちある信心深い様子の男からエルサレムに舟で連れていくという申し出があり乗船するが、
彼らはエルサレムに行くことなく、アレキサンドリアの奴隷市場でことごとく売られてしまった。
売られ売られてインドの地で、修行に来ていた大覚禅師に助けられたのが縁で、
師に供だってアンリが来たのがこの鎌倉の地である。
今や、いたずらに来世を願ったり、まだ見ぬ国にあこがれることもない。
ただ夏の空を夕焼けが染め、海が緋色に輝くのをみると、
みずからの生涯のはじめのころに訪れた不思議を思い返さないではいられない。
「安里は自分がいつ信仰を失ったか、思い出すことができない。
ただ、今もありありと思い出すのは、いくら祈っても分かれなかった夕映えの海の不思議である。
奇跡の幻影よりも一層不可解なその事実、何のふしぎもなく、基督の幻を受け入れた少年の心が、決して分かれようとしない夕焼けの海に直面したときのあの不思議」
「おそらく安里の一生にとって、海がもし二つに分かれるならば、
それはあの一瞬を措いてはなかったのだ。
そうした一瞬にあってさえ、海が夕焼に燃えたまま黙々とひろがっていたあの不思議。」
あの夕焼けに映える海とは何なのだろう?
>少年十字軍なんてのもありましたね。
三島由紀夫に少年十字軍を扱った面白い小品がある。
「海と夕焼」
<あらすじ>
文永9年(1272)の晩夏、鎌倉・建長寺の裏山から、
稲村ヶ崎の海に沈む夕日をみながら老齢の寺男・安里(アンリ)が、
口のきけない、耳の聞こえない一人の少年に、みずからの経験した
「不思議」を語り聞かせる。
60年前、アンリはフランスのセヴェンヌの羊飼いだった。
ある日の夕暮れ、羊たちとともに丘をのぼりかけると、キリストに出会う。
キリストはいう、「エルサレムを奪い返すのはお前だよ、アンリ」と。
多くの同士を集めてマルセイユに行けば、地中海は二つに分かれ、
エルサレムに導かれる」と。
アンリら少年十字軍らは多くの犠牲者をだしながらも、マルセイユに着くが、海は分かれない。
永いこと祈ったが海は満々と水をたたえている。
そのうちある信心深い様子の男からエルサレムに舟で連れていくという申し出があり乗船するが、
彼らはエルサレムに行くことなく、アレキサンドリアの奴隷市場でことごとく売られてしまった。
売られ売られてインドの地で、修行に来ていた大覚禅師に助けられたのが縁で、
師に供だってアンリが来たのがこの鎌倉の地である。
今や、いたずらに来世を願ったり、まだ見ぬ国にあこがれることもない。
ただ夏の空を夕焼けが染め、海が緋色に輝くのをみると、
みずからの生涯のはじめのころに訪れた不思議を思い返さないではいられない。
「安里は自分がいつ信仰を失ったか、思い出すことができない。
ただ、今もありありと思い出すのは、いくら祈っても分かれなかった夕映えの海の不思議である。
奇跡の幻影よりも一層不可解なその事実、何のふしぎもなく、基督の幻を受け入れた少年の心が、決して分かれようとしない夕焼けの海に直面したときのあの不思議」
「おそらく安里の一生にとって、海がもし二つに分かれるならば、
それはあの一瞬を措いてはなかったのだ。
そうした一瞬にあってさえ、海が夕焼に燃えたまま黙々とひろがっていたあの不思議。」
あの夕焼けに映える海とは何なのだろう?
これは メッセージ 19572 (perusonanongrata さん)への返信です.
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