【コラム】韓日関係と日中関係
投稿者: samsung_mania2003 投稿日時: 2005/01/06 16:26 投稿番号: [5467 / 85019]
【コラム】韓日関係と日中関係
東アジアの地域協力において、ASEAN+韓国・中国・日本のいわゆるテン・プラス・スリーが大きな意味を持ちつつある。このうち、歴史的に見て、協力の輪が最も弱いのが韓国・中国・日本の「スリー」の部分である。逆に言えば、この3国の関係が真に密なものとなれば、東アジアのこの枠組みが本物になっていく可能性が高い。
韓国・中国・日本の3国関係は、これまで複雑な軌跡をたどってきた。日本では1980年代まで、日中関係が韓日関係のモデルだと言われたことがあるが、近年では逆に、韓日関係が日中関係のモデルだと言われるようになっている。日本では近年、中国に対する親近感が低迷しているのに対して、韓国に対する親近感が増大しているからである。
昨年10月の日本政府の世論調査によると、中国に対して「親しみを感じる」が47.9%で「親しみを感じない」が48%、韓国に対して「親しみを感じる」が55%で「親しみを感じない」が41%であった。中国に対しては世代に関係なく親近感が伸び悩んでいるのに対して、韓国に対する親近感は20代が約63.9%と最も高かった。
中国に対する親近感のピークは、同じ調査では1980年の78.6%であったが、この年、韓国に対しては43.1%しかなかった。「親しみを感じない」にいたっては、この年、中国に対しては14.7%であったのに対して、韓国に対しては46.9%もあった。中国についていえば、接触がまだあまりなかった1980年にイメージのピークを迎え、あらゆる分野で接触が増え、相互依存が現実化した今になってイメージが悪化しているのは皮肉である。
こうした逆転現象はいつから始まったのであろうか。日本人の中国に対するイメージは1989年以後に急速に低下し、それ以後回復することがなく、90年代を通して少しずつだが悪化の一途をたどった。一方、韓国に対する親近感は90年代後半に着実に伸びていった。
その背後に何があったのであろうか。中国の場合、1989年の天安門事件の衝撃をテレビ映像で直接見たことが大きい。これにより日本人はロマンの中国から現実の中国に引き戻された。同時に、90年代を通して日中間にいわゆる歴史認識問題をはじめとして絶え間なく問題が発生したことも大きい。また冷戦が終結し、ソ連という「脅威」が消滅したなかで、台頭する中国をどう認識するかで複雑な思いを抱き始めている面もある。
一方、韓国の場合、金大中前大統領の対日政策上の決断が前提としてあるが、何よりも大きいのは2001年のワールドカップサッカーの共同開催である。日本が敗退したあと、私の学生の多くも勝ち残っていた韓国を応援するようになった。ワールドカップ開催と並行して韓国のさまざまな文化が大量に日本社会に流入しはじめ、しかもそれらはきわめて好意的に受け入れられた。
日中関係は、たしかに経済面での交流は拡大しているが、政治的にはさまざまな問題が起こっている。しかも政治の関係が社会や経済の関係の健全な発展を阻害する傾向が強い。それは日中関係では依然として国家関係が主導しているからである。ところが韓日関係は、少なくとも日本から見たかぎり、国家や政治に問題が発生しても社会や経済がそれらを吸収している。つまり社会や経済が全体の関係の基礎となっている。日中関係が韓日関係に学ぶべきだとの議論はこうした背景からである。
慶應義塾大学東アジア研究所所長·国分良成
2004.04.28 20:20
東アジアの地域協力において、ASEAN+韓国・中国・日本のいわゆるテン・プラス・スリーが大きな意味を持ちつつある。このうち、歴史的に見て、協力の輪が最も弱いのが韓国・中国・日本の「スリー」の部分である。逆に言えば、この3国の関係が真に密なものとなれば、東アジアのこの枠組みが本物になっていく可能性が高い。
韓国・中国・日本の3国関係は、これまで複雑な軌跡をたどってきた。日本では1980年代まで、日中関係が韓日関係のモデルだと言われたことがあるが、近年では逆に、韓日関係が日中関係のモデルだと言われるようになっている。日本では近年、中国に対する親近感が低迷しているのに対して、韓国に対する親近感が増大しているからである。
昨年10月の日本政府の世論調査によると、中国に対して「親しみを感じる」が47.9%で「親しみを感じない」が48%、韓国に対して「親しみを感じる」が55%で「親しみを感じない」が41%であった。中国に対しては世代に関係なく親近感が伸び悩んでいるのに対して、韓国に対する親近感は20代が約63.9%と最も高かった。
中国に対する親近感のピークは、同じ調査では1980年の78.6%であったが、この年、韓国に対しては43.1%しかなかった。「親しみを感じない」にいたっては、この年、中国に対しては14.7%であったのに対して、韓国に対しては46.9%もあった。中国についていえば、接触がまだあまりなかった1980年にイメージのピークを迎え、あらゆる分野で接触が増え、相互依存が現実化した今になってイメージが悪化しているのは皮肉である。
こうした逆転現象はいつから始まったのであろうか。日本人の中国に対するイメージは1989年以後に急速に低下し、それ以後回復することがなく、90年代を通して少しずつだが悪化の一途をたどった。一方、韓国に対する親近感は90年代後半に着実に伸びていった。
その背後に何があったのであろうか。中国の場合、1989年の天安門事件の衝撃をテレビ映像で直接見たことが大きい。これにより日本人はロマンの中国から現実の中国に引き戻された。同時に、90年代を通して日中間にいわゆる歴史認識問題をはじめとして絶え間なく問題が発生したことも大きい。また冷戦が終結し、ソ連という「脅威」が消滅したなかで、台頭する中国をどう認識するかで複雑な思いを抱き始めている面もある。
一方、韓国の場合、金大中前大統領の対日政策上の決断が前提としてあるが、何よりも大きいのは2001年のワールドカップサッカーの共同開催である。日本が敗退したあと、私の学生の多くも勝ち残っていた韓国を応援するようになった。ワールドカップ開催と並行して韓国のさまざまな文化が大量に日本社会に流入しはじめ、しかもそれらはきわめて好意的に受け入れられた。
日中関係は、たしかに経済面での交流は拡大しているが、政治的にはさまざまな問題が起こっている。しかも政治の関係が社会や経済の関係の健全な発展を阻害する傾向が強い。それは日中関係では依然として国家関係が主導しているからである。ところが韓日関係は、少なくとも日本から見たかぎり、国家や政治に問題が発生しても社会や経済がそれらを吸収している。つまり社会や経済が全体の関係の基礎となっている。日中関係が韓日関係に学ぶべきだとの議論はこうした背景からである。
慶應義塾大学東アジア研究所所長·国分良成
2004.04.28 20:20
これは メッセージ 5464 (natal_xxyzz さん)への返信です.
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