東条英機 -東京裁判宣誓供述書-
投稿者: senrigoma 投稿日時: 2010/12/21 14:11 投稿番号: [920 / 2332]
欧米列強の無制限な世界征服時代、日本は一六三六年以来ニ世紀にわたって鎖国を続けていた。一八五四年、黒船の威圧下に開国をした。当時、露、英、仏、米などの世界征服はシベリヤ、満州、インド、東南アジア、南太平洋、支那を圧しており、やがて日本にも迫ってき、列強の野望の前に累卵の危機に瀕していた。
そのような事態に直面し、日本は封建幕府政治を清算して近代統一国家になる。初めて国際社会の一員になった。列強が帝国主義的世界分割によって広大な領地ないし植民地を獲得している間に、日本は貧しき国土と資源を擁し孤立していた。日本も列強に不平等条約を強要され、治外法権を容認させられ関税自主権を否定されていた。いいかえれば、国土の安全も経済上の生存も、人種の平等も進歩した科学技術にも恵まれず国際社会の一員になったようなものだ。
日本の国際的地位における根本的難点は、日本がいち早く近代的統一国家の体制を整え、欧米列強に肩を並べようとしたのに対し、支那はなんらの自覚もなく半封建的体制のまま易々と列強の半植民地に陥ってしまったことに依存する。そのような支那を隣国に持って、支那を舞台に列強の錯雑する勢力関係の前では、日本の安全と生存をはかろうとすることは至難の業であった。不幸な日支紛争はこのような歴史的矛盾に最も深い禍根を持っていた。このことを考えずに東亜問題は理解できない。
大陸問題は日本の内外政策の出発点であり帰着点でもあった。日本にとって国土の安全と国民生存のための生命線であった。しかし、列強の半植民地で混乱と無秩序の支那を隣国とした日本の立場は宿命的な矛盾でもあった。支那の領土保全と統一、強固となった支那との和協提携は、日本の念願であった。分割され混乱している支那は、日本の安全の脅威になる。
日本が根本的に東亜の保全と日支の協力を求めていながら、欧米といっしょになって支那に対して侵略行動に出た矛盾。
列強に人種平等を要求している日本が、支那から列強とともに不平等条約を享受していた矛盾。
日本の国防上、経済上の必要から生じた大陸政策が、半植民地、半封建状態を脱却しようとしている中国の民族主義と相克したこと。
欧米列強の支那侵略は、金融経済力によって軋みを起こさずに侵略したのに、日本は金融経済力がないため軍事的政治工作を採り、軋みを立ててしまったこと。
これらは根本に日本経済の脆弱性と後進性、国際政治における経済の未熟さに基因していた。
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