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民族自治は認めても自決は認めないシナ

投稿者: kyurokuhachi 投稿日時: 2005/10/22 23:39 投稿番号: [20343 / 28311]
「多民族国家」という名で正当化される

中国共産党権力構造

書評   王柯著   「多民族国家   中国」岩波新書

評論家   三浦小太郎

「中国事情   民族問題研究」第4号(殿岡昭郎事務所発行)掲載

コンパクトだが問題の多い記述

  岩波新書としてこの3月発売された本書は、コンパクトな中国民族問題の解説書として、多くの人々の手に取られる事であろう。だが、その内容は、基本的に民族独立運動を過小評価もしくは批判し、中華人民共和国の改革解放以降の民族政策を肯定する方向で述べられ、かつ誤解を招きかねない記述が散見する。

  本稿は頁数も限られているため、特に目に付いた点のみを挙げる。まず、本書は第1章「『中華』と異民族」では、中国の歴史が本質的に、周辺民族と漢民族との混合(それも自発的な周辺民族の民族移動や、逆に漢民族の周辺への人的、文化的伝播)によって発展してきたことに触れ、中国が本質的に多民族国家としての文化的、歴史的包容力を持っている事を語る。第2章の「漢民族国家という幻想」では、新帝国の統治を例に、中国を漢民族国家として捉える視点を出切るだけ相対化しようとする視点が見られる。これらはむしろ著者の良心的な一面を示すものであろう。

  しかし、ここから少しずつ、著者の論には矛盾が現れてくる。今現在中国で評価されている民族論は、先月号の拙文「東トルキスタン憲法を読む」で引用したように、民族学者であり、かつ全国人民代表会議常務委員という重要な政治的地位にある費孝通のものである。彼は、「漢民族自体が歴史的に中国領域で生きてきた諸民族の接触、混合、融合の複雑なプロセスを経て生まれた『中華民族の凝集的核心』であり」「中国領域内に住む諸民族はその形成は多元的だが一体を形成し、『中華民族多元一体の構造』」にあるとする。つまり、中国国内の各民族は、融合、混合を繰り返し、漢族を中心とした一体の「中華民族」とみなされるのだ。実はこの思想は、清朝打倒を目指した孫文、その後の国民党の姿勢と決して遠いものではなく、一見狭い民族主義を乗り越えているかに見えて、実は絶対多数の漢民族への従属を正当化するものである。
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