nachitakaoさま、ポツダム科長♪
投稿者: cafebangchhunhong 投稿日時: 2005/11/15 12:55 投稿番号: [7436 / 10346]
那智高雄さま♪
昨日まで暑かったのに、今日は雨で肌寒いというおかしな天気が続く台北です。
呉濁流さんの小説にはまり、最近では暇があると彼の小説ばかり読んでいます。
>当然目に見えない場所で差別を受けた作家です。おっしゃるとおり、中立で通した彼は本骨のある台湾人であったのです。国民党からの差別と日本からの差別はかなり本質ではちがいましたが、結局認同が喪失した点では同じでした。
「ポツダム科長」を読んで、戦後の台湾の人々のアイデンティティー(自己認識、認同感)が「中国」と「日本」の間で揺れ動く様子がよくわかりました。
主人公の裕福な若い台湾人女性、玉蘭は終戦後、国民党政府の上陸で祖国(中国)への愛に目覚めます。それまで何となく日本人に対して劣等感を感じていた玉蘭でしたが、さっそく中国語を勉強して中華民国に貢献しようとする。
そして、上海で汚職をやって台湾に逃げてきた「ポツダム科長」こと中華民国政府の官僚で外省人の青年、范漢智に出会います。
当時、上海は東京よりもファッショナブルで文化的な大都会だったようで、スマートでハンサムな上海青年の范に玉蘭はすっかり夢中になり結婚。
しかし、范は自分の私腹をこやすことしか頭にない、全く愛国心のない外省人で、とうとう台湾でも汚職をやって検挙されてしまいます。
1940年代から50年代の台湾では国民党政府の関係者による汚職事件が世間を騒がせていたようです。小説の中に、玉蘭が、夫の范に愛国心がないことに驚く場面があります。
「玉蘭、世の中はすべて商売と芝居だよ。取引の上手なものが出世するからな。愛国とか忠義とか口にこそ言うが、それも多くは飯のためだよ。官吏をけなすものは官吏になりたくてもなれないからさ」と、范は玉蘭に言います。日本統治時代に日本の愛国主義教育を受けてきた玉蘭は「范の国家観念のないのに驚くのであった」。
玉蘭は日本統治時代に日本人男性医師から求婚されていたのに、拒絶したことがあり、それは中国という祖国に対する愛国心からだったと述懐しています。そして、外省人の范と結婚してみたら、なんとその范こそ祖国に対する愛国心の全くない、金儲けにしか興味のない堕落した男性だったことに気づくという。
全く皮肉な物語ですが、おそらく当時の台湾の人々は、いったい自分のアイデンティティーが「日本」にあるのか、「中国」にあるのか全くわからない分裂した精神状態だったと予想できます。そこにはまだ「台湾」というアイデンティティーは確立されていないので、深刻なアイデンティティーの混乱が感じられるのです。
昨日まで暑かったのに、今日は雨で肌寒いというおかしな天気が続く台北です。
呉濁流さんの小説にはまり、最近では暇があると彼の小説ばかり読んでいます。
>当然目に見えない場所で差別を受けた作家です。おっしゃるとおり、中立で通した彼は本骨のある台湾人であったのです。国民党からの差別と日本からの差別はかなり本質ではちがいましたが、結局認同が喪失した点では同じでした。
「ポツダム科長」を読んで、戦後の台湾の人々のアイデンティティー(自己認識、認同感)が「中国」と「日本」の間で揺れ動く様子がよくわかりました。
主人公の裕福な若い台湾人女性、玉蘭は終戦後、国民党政府の上陸で祖国(中国)への愛に目覚めます。それまで何となく日本人に対して劣等感を感じていた玉蘭でしたが、さっそく中国語を勉強して中華民国に貢献しようとする。
そして、上海で汚職をやって台湾に逃げてきた「ポツダム科長」こと中華民国政府の官僚で外省人の青年、范漢智に出会います。
当時、上海は東京よりもファッショナブルで文化的な大都会だったようで、スマートでハンサムな上海青年の范に玉蘭はすっかり夢中になり結婚。
しかし、范は自分の私腹をこやすことしか頭にない、全く愛国心のない外省人で、とうとう台湾でも汚職をやって検挙されてしまいます。
1940年代から50年代の台湾では国民党政府の関係者による汚職事件が世間を騒がせていたようです。小説の中に、玉蘭が、夫の范に愛国心がないことに驚く場面があります。
「玉蘭、世の中はすべて商売と芝居だよ。取引の上手なものが出世するからな。愛国とか忠義とか口にこそ言うが、それも多くは飯のためだよ。官吏をけなすものは官吏になりたくてもなれないからさ」と、范は玉蘭に言います。日本統治時代に日本の愛国主義教育を受けてきた玉蘭は「范の国家観念のないのに驚くのであった」。
玉蘭は日本統治時代に日本人男性医師から求婚されていたのに、拒絶したことがあり、それは中国という祖国に対する愛国心からだったと述懐しています。そして、外省人の范と結婚してみたら、なんとその范こそ祖国に対する愛国心の全くない、金儲けにしか興味のない堕落した男性だったことに気づくという。
全く皮肉な物語ですが、おそらく当時の台湾の人々は、いったい自分のアイデンティティーが「日本」にあるのか、「中国」にあるのか全くわからない分裂した精神状態だったと予想できます。そこにはまだ「台湾」というアイデンティティーは確立されていないので、深刻なアイデンティティーの混乱が感じられるのです。
これは メッセージ 7392 (nachitakao さん)への返信です.
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