紫陽花亭日乗

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桃花谿     張旭

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/09/04 23:19 投稿番号: [429 / 735]
桃花谿            張旭(盛唐・生没年不詳)


隠隠飛橋隔野烟       隠隠たる飛橋   野烟を隔て
石磯西畔問漁船       石磯(セキキ)   西畔   漁船に問う
桃花盡日隨流水       桃花   盡日   流水に隨う
洞在芿溪何處邊       洞は芿溪の何處(いずこ)の邊に在りや

うららかな春の日、遠くにぼんやりと霞んで渓川にかかる飛橋が見える

石のごろごろしている河原の西のあたりで、
おりしも近くにやってきた漁船の釣りをする漁師にたずねてみた

ひねもす流れる桃の花

あの『桃花源記』に書いてある桃花源へ入る洞穴は、
この清らかな渓川のどこいらあたりにあるのかね


★張旭・・・
蘇州人、仕爲常熟尉。嗜酒、善草書、毎大醉、號呼狂走乃下筆、自視以爲神。

(張旭は) 蘇州の人。
仕えて常熟(蘇州の端にある蘇州常熟県)の尉と爲(な)る。
酒を嗜(この)み、草書を善(よ)くす。
大醉する毎に、號呼狂走して乃(すなわ)ち筆を下す。
自ら視(み)て以て神(シン)と爲(な)す。

大酒を飲んで酔っぱらうたびに、大声をあげて狂ったように走りまわり、
筆をはしらせた(だから必然的に草書になる)。
自分で自分の作品を見て、人間わざとは思えないと感心するのだった。

「尉」というのは、課長クラスの役職。酒が大好きで草書の達人だった。


★飛橋・・・高所にかかる橋。建物ならば飛閣というのと同じ。


★この詩は名作だといわれています。その理由は、

①陶淵明『桃花源記』を典故とした詩。
即ち、古典の教養をふまえて作られている。教養の滲出がみられる。

②詩の情景にに山水画のような奥行きがある。

③結句が特にシャレている。


★『唐詩三百首』より、訓読・解釈はトピ主です。


>張旭三杯草聖傅       張旭は三杯   草聖伝わる<

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