紫陽花亭日乗

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「死友」の故事

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/12 01:47 投稿番号: [299 / 735]
こういう物語もあります。


列士傳。羊角哀、左伯桃相與爲死友。欲仕於楚。遇雨雪不得行。饑寒無計。
度不倶生。乃并衣糧與角哀。伯桃入樹中而死。
楚平王愛角哀之賢。嘉伯桃之義。以公卿禮葬之。

列士傳。羊角哀、左伯桃、相與に死友となる。楚に仕えんと欲す。
雨雪に遇いて行くを得ず。饑寒するに計るなし。
度(はか)るに倶(とも)に生きず。
すなわち衣糧をあわせ角哀に與(あた)う。
伯桃、樹中に手入りて死せり。
楚の平王、角哀の賢を愛す。
伯桃の義を嘉(よみ)す。公卿の禮を以てこれを葬す。


羊角哀、左伯桃のふたりは戦国時代末期の燕の人。
ふたりは楚王が賢君であると聞き、
仕官したいと思い、連れだって楚へ行く。

途中雨雪に遭遇。このままでは共倒れになることは必定。
左伯桃は自分より学才があるとして羊角哀に自分の服を与え、
みずから樹林の中に姿を消して死んだ。

羊角哀は九死に一生を得、楚王に仕えることができた。
楚王は羊角哀の賢を愛し、羊角哀は栄達した。
楚王は羊角哀のために、左伯桃を公卿の礼をもって手厚く葬った。

これが「死友」の故事である。


★『関中流寓志』に後日譚がある。


あるとき、羊角哀が左伯桃の夢枕に立って云う。
自分の墓は荊軻の墓の近くにある。
だから、なんとか燕の亡国の恨みをはらしたいけれど、
荊軻には高漸離という仲間がいてかなわぬ、と。

その夢を見た羊角哀は自害した。
その夜、激しい雷鳴をともなった嵐となった。
明け方になって見ると、荊軻の墓があばかれて白骨が散乱していた。


★燕の亡国の恨み
荊軻が秦始皇帝暗殺にドジを踏んだために、燕の亡国が早まった、
という恨みです。


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