Re: 生もの嫌い
投稿者: tokyo_cachito3 投稿日時: 2010/10/27 15:58 投稿番号: [2309 / 3149]
志賀直哉の「小僧の神様」という短編小説にも出てくるが、明治期には、寿司などというものは屋台で売っていたほどで、本来、職人などが仕事の帰りがけにつまむファースト・フードだった。上流階級にはほとんど縁のない焼き芋やフライドポテト並みである。冷蔵庫もなく、衛生状態もよくない時代ではナマの刺身や貝はかなり危険な食い物で、モノの本によると当時の寿司のネタは大抵、火を通していたのだそうだ。それも、おそらく、魚河岸の近辺だけの商売だったのだろう。
それが、いつのまにか「大出世」をして、ちょっとした寿司屋に這入り、燗酒の二合もつければまず五千円はあたりまえ、銀座界隈で名の知れた店なら楽に一万円の出費になる。いくら不景気でも交際費を使える一流会社の管理職ならどうってことはないが、昼食は500円までの普通のサラリーマンでは回転寿司だって贅沢な食い物である。そんな時代、常連にならなきゃ客じゃない、といった風情で偉そうな能書きを垂れる駅前の寿司屋に人が這入るわけはない。昔、張さんが台中の寿司屋に連れて行ってくれたが、あの店ももうないだろう。
これは メッセージ 2308 (unhoo さん)への返信です.
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