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豚流感

投稿者: unhoo 投稿日時: 2009/05/01 02:16 投稿番号: [1850 / 3149]
流感は風邪の一種とちがうか。「ぶたかぜ」と言ったほうが語呂がよいな。

わしが高雄の小学校の小学生だった時代、すなわち昭和5年から11年までの間にも流感がはやって、学校で流感予防注射をしたことが2、3回はあった。あの時代にも流感の予防ワクチンが作れたのかと感心する。人が飛行機で旅行することはなかったから、豚流感が流行することはなかったと思う。流行ったのはおそらくは鳥流感であろう。当時は鳥や豚が流感のバイキンを伝播をするという知識がなく、バイキンが風に乗って伝播するのだとされていた。

あの時代にもマスクの使用が奨励された。薬局で売っているマスクは外面が黒で、内面は白だった。中にセルドイド製のちょっとした装置を取り付けて、マスクの布地と口鼻をすこし離しておくようにし、呼吸が苦しくならないようにしてあった。流感の流行開始から終止まで一人一個のマスクで押し通した。その時代の名俳人が作ったユーモラスな句に、

マスクして汝と我にてありにけり    虚子

というのがある。俳句の約束では、マスクは冬を表す季語である。お互いにマスクしていたから、そばにいた人が知人だとはなかなか気がつかなかったという意味である。「汝と我」はそのころ非常に尊敬されていた哲学者西田幾太郎の著書の題である。「汝と我」といういかめしい語の挿入が、この句のユーモア味を更に増強した。
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