チャングムの戦い 大江戸捜査網⑥
投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/01/11 01:23 投稿番号: [1621 / 6952]
根岸らの協力を得たチャングム、根岸宅を宿舎として、用心しながら江戸市中で聞き込みを続けます。
今日は、太田と二人で八丁堀あたりに聞き込みです。
おや、太田が、見回り中の奉行所同心に近寄っていきます。
「南町の中村さん、この絵描きを知らないか?」
「あ、これは太田様。んー、ちょっと知りませんねぇ。いや、お役に立てなくて面目ない」
顔の長い中村という同心は気の毒そうに答えます。
この日も、江戸中を歩き回ったのにたいした成果はありません。根岸宅からは結構距離のあるところまで来てしまいました
もう夕暮れです。早く戻ろうと歩き始めました。
いきなり薄闇の中から白い光が飛び出してきました。
「危ない!」
とっさによける二人。
白刃を提げた食い詰め浪人風の男が数人迫ってきます。太田は御家人とはいえ剣の腕には覚えがありません。
塀際に追い詰められる二人。
一斉に落ちてくる白刃、もうだめか!とおもったそのとき、一陣の風が吹き抜けたかのように浪人どもはひっくり返って地に伏し悲鳴をあげました。
「?」
何が起こったのか分からず、呆然とする二人に、刀を鞘に収めた剣士が近寄ります。
長い髪を後ろできりりと束ね、袴姿も凛々しい男装の麗人でした。
「おけがはないですか」
「は、はい。あ、あなたさまは、ご老中さまの」
言いかけた太田をぴしゃりと遮るように女性は名乗ります。
「私は佐々木美冬、一介の剣士です」
「あの、この連中は?」
地に伏していた連中は逃げ去っています。お約束どおり峰打ちだったようですね。
「食い詰め浪人でしょう。辻斬りでもないようですし。・・・あなたたちに狙われる心当たりはありませんか」
「いいえ、ありません。わたしはこの国に来てから、狙われるようなことをなにもしたおぼえがありません」
「そうですか。今日はもう暗いのでお家へ帰るのは危険です。私についてきなさい」
女剣士佐々木美冬に連れられてやってきたのは川のほとり、おしん似の女性が操る船に乗って渡って着いた先は一軒の農家です。
「先生ぇ、美冬さんがお見えだぁよ」
船を操っていた女性が大きな声で呼ばわると、奥から老人が出てきました。
「おお、美冬殿か・・・そちらのお方はどなたじゃ」
老人の顔は、朝に会った同心中村に瓜二つな気がしますが、きっと気のせいです。
「・・・なるほど、そういうことがあったのか」
チャングムと太田は温かい鶏鍋を振舞われました。チャングムの話を聞き、秋山小兵衛というその老人は腕を組みます。
「太田さんたちが聞き込むなら安心だが、狙われているというのは気がかりじゃな」
「はい。私には何がなんだかわかりません」
うなだれるチャングム。
「よし、明日田沼様にお話してみよう。美冬殿にはご心配をおかけするが」
無言で静かにうなづく美冬。
(あーあ、こんな人々まで出してしもたよ)
今日は、太田と二人で八丁堀あたりに聞き込みです。
おや、太田が、見回り中の奉行所同心に近寄っていきます。
「南町の中村さん、この絵描きを知らないか?」
「あ、これは太田様。んー、ちょっと知りませんねぇ。いや、お役に立てなくて面目ない」
顔の長い中村という同心は気の毒そうに答えます。
この日も、江戸中を歩き回ったのにたいした成果はありません。根岸宅からは結構距離のあるところまで来てしまいました
もう夕暮れです。早く戻ろうと歩き始めました。
いきなり薄闇の中から白い光が飛び出してきました。
「危ない!」
とっさによける二人。
白刃を提げた食い詰め浪人風の男が数人迫ってきます。太田は御家人とはいえ剣の腕には覚えがありません。
塀際に追い詰められる二人。
一斉に落ちてくる白刃、もうだめか!とおもったそのとき、一陣の風が吹き抜けたかのように浪人どもはひっくり返って地に伏し悲鳴をあげました。
「?」
何が起こったのか分からず、呆然とする二人に、刀を鞘に収めた剣士が近寄ります。
長い髪を後ろできりりと束ね、袴姿も凛々しい男装の麗人でした。
「おけがはないですか」
「は、はい。あ、あなたさまは、ご老中さまの」
言いかけた太田をぴしゃりと遮るように女性は名乗ります。
「私は佐々木美冬、一介の剣士です」
「あの、この連中は?」
地に伏していた連中は逃げ去っています。お約束どおり峰打ちだったようですね。
「食い詰め浪人でしょう。辻斬りでもないようですし。・・・あなたたちに狙われる心当たりはありませんか」
「いいえ、ありません。わたしはこの国に来てから、狙われるようなことをなにもしたおぼえがありません」
「そうですか。今日はもう暗いのでお家へ帰るのは危険です。私についてきなさい」
女剣士佐々木美冬に連れられてやってきたのは川のほとり、おしん似の女性が操る船に乗って渡って着いた先は一軒の農家です。
「先生ぇ、美冬さんがお見えだぁよ」
船を操っていた女性が大きな声で呼ばわると、奥から老人が出てきました。
「おお、美冬殿か・・・そちらのお方はどなたじゃ」
老人の顔は、朝に会った同心中村に瓜二つな気がしますが、きっと気のせいです。
「・・・なるほど、そういうことがあったのか」
チャングムと太田は温かい鶏鍋を振舞われました。チャングムの話を聞き、秋山小兵衛というその老人は腕を組みます。
「太田さんたちが聞き込むなら安心だが、狙われているというのは気がかりじゃな」
「はい。私には何がなんだかわかりません」
うなだれるチャングム。
「よし、明日田沼様にお話してみよう。美冬殿にはご心配をおかけするが」
無言で静かにうなづく美冬。
(あーあ、こんな人々まで出してしもたよ)
これは メッセージ 1619 (toapanlang さん)への返信です.
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