いまこそ李明博の“政治主導の”
投稿者: joomoonsuk 投稿日時: 2010/05/15 22:58 投稿番号: [9049 / 9237]
経済政策に学べ
竹中平蔵(慶應義塾大学教授)
波乱万丈の人生を経た「経済大統領」
ここ最近、韓国経済の強さがひときわ目を引いている。日本企業が世界のマーケットで苦戦を強いられているのを横目に、サムスン電子、現代自動車などの韓国企業は、世界シェアを獲得、拡大を続けている。一方、韓国国内に目を転じれば、2010年度のGDP成長率見通しは5.2%と、当初の予想(4.6%)から大幅に上方修正された。つい先日も韓国国債の格付けが「A1」に引き上げられ、いまや韓国経済は完全に回復基調といっていいだろう。
なぜ韓国経済は強く、一方で日本経済はこれほど脆弱なのか。一部では、韓国経済が世界金融危機から比較的早く回復したのは、リーマン・ショック後の急激なウォン安によるものだ、という意見もある。しかし昨今、輸出産業が大きく持ち直し、ウォンが上昇傾向にある事実をみれば、為替だけが韓国経済の強さの理由とは考えられない。
韓国経済の強さを語るうえで欠かせないのは、なによりも現大統領・李明博の政治的リーダーシップであろう。2008年2月に大統領に就任した彼は、韓国を世界の先進国へと押し上げるべく、いち早く「大韓民国747」というスローガンを打ち出した。これは「毎年7%の経済成長、10年で一人当たり所得4万ドル、世界七大大国入り」を達成しようというものだ。いま韓国は、国家が一丸となり、このスローガンの実現をめざしているのである。
ここで韓国の個々の政策をみる前に、まず李明博大統領はどういった人物なのかを簡単にみておきたい。なぜなら、ここに現在の韓国ならびに彼のリーダーシップの強さのもとがあるからである。
彼の人生は、まさに波瀾万丈だといっていい。というのは、幼少期は極貧のなかで過ごし、高校時代は日中に働きながら夜間の定時制に通い、さらに自ら学費を貯めることで大学へ進学。大学在学中には民主化運動への参加が原因で獄中に捕らえられるという経験もしている。大学卒業後は現代建設に入社し、ここから彼の躍進が始まるのだが、タイの高速道路建設プロジェクトで成功を収めたのを皮切りに数々の実績をあげ、現代建設会長にまでのぼり詰め、同社を韓国のトップ企業に成長させる。その後、ソウル市長として活躍、2008年2月に韓国大統領に就任する。夢のようなサクセスストーリーであるが、ここに至るまでに乗り越えてきた苦難の数と大きさは、日本の大半の世襲政治家とは比べものにならない。
李明博が「経済大統領」「国のCEO」などといわれるのは、まさにこのような経歴からだ。そして、民間企業のトップを務めただけのことはあって、物事をきわめてロジカルに考え、政策を確実に実行に移す手腕の持ち主である。実際に会って話すと、じつに紳士的で知的な印象を受けるが、内に秘めたエネルギーは相当なものがある。
国家の経済成長をなんとしても成し遂げようという意気込みを、私も直に感じ取ったことがある。
李明博政権発足直後、韓国の未来戦略や公共部門の改革などについて大統領に助言を行なう「大統領国際諮問団」が組織されたのだが、私はそのメンバーの一員として韓国を訪問した。当時、盧武鉉前政権が政府をやたらに大きくしてしまったという反省があり、李明博大統領は、私の語る日本の行政改革、なかでも郵政民営化についてとても熱心に耳を傾けた。大統領直属のスタッフからも「日本の小泉改革を学びたい」といわれたことを印象深く覚えている。
この大統領国際諮問団は、私のほかに世界各国から集められた経済人15名から成り、委員長はマッキンゼー・アンド・カンパニーのマネージング・ディレクターを務めるドミニック・バートン氏。メンバーとして他に、世界経済フォーラム(WEF)のクラウス・シュワブ会長、米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長、シンガポール前首相のゴー・チョクトン氏などが名を連ねていた。もし日本で同様のことを行なえば(つまり政治・政策に関して外国人のアドバイスを受ければ)即「国益に反する」との大批判を受けるであろう。大統領および韓国政府の、諸外国の優れた経済から学ぼうという真剣さに感服したものだ。
http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=298
鳩山さんも見習ってください。
竹中平蔵(慶應義塾大学教授)
波乱万丈の人生を経た「経済大統領」
ここ最近、韓国経済の強さがひときわ目を引いている。日本企業が世界のマーケットで苦戦を強いられているのを横目に、サムスン電子、現代自動車などの韓国企業は、世界シェアを獲得、拡大を続けている。一方、韓国国内に目を転じれば、2010年度のGDP成長率見通しは5.2%と、当初の予想(4.6%)から大幅に上方修正された。つい先日も韓国国債の格付けが「A1」に引き上げられ、いまや韓国経済は完全に回復基調といっていいだろう。
なぜ韓国経済は強く、一方で日本経済はこれほど脆弱なのか。一部では、韓国経済が世界金融危機から比較的早く回復したのは、リーマン・ショック後の急激なウォン安によるものだ、という意見もある。しかし昨今、輸出産業が大きく持ち直し、ウォンが上昇傾向にある事実をみれば、為替だけが韓国経済の強さの理由とは考えられない。
韓国経済の強さを語るうえで欠かせないのは、なによりも現大統領・李明博の政治的リーダーシップであろう。2008年2月に大統領に就任した彼は、韓国を世界の先進国へと押し上げるべく、いち早く「大韓民国747」というスローガンを打ち出した。これは「毎年7%の経済成長、10年で一人当たり所得4万ドル、世界七大大国入り」を達成しようというものだ。いま韓国は、国家が一丸となり、このスローガンの実現をめざしているのである。
ここで韓国の個々の政策をみる前に、まず李明博大統領はどういった人物なのかを簡単にみておきたい。なぜなら、ここに現在の韓国ならびに彼のリーダーシップの強さのもとがあるからである。
彼の人生は、まさに波瀾万丈だといっていい。というのは、幼少期は極貧のなかで過ごし、高校時代は日中に働きながら夜間の定時制に通い、さらに自ら学費を貯めることで大学へ進学。大学在学中には民主化運動への参加が原因で獄中に捕らえられるという経験もしている。大学卒業後は現代建設に入社し、ここから彼の躍進が始まるのだが、タイの高速道路建設プロジェクトで成功を収めたのを皮切りに数々の実績をあげ、現代建設会長にまでのぼり詰め、同社を韓国のトップ企業に成長させる。その後、ソウル市長として活躍、2008年2月に韓国大統領に就任する。夢のようなサクセスストーリーであるが、ここに至るまでに乗り越えてきた苦難の数と大きさは、日本の大半の世襲政治家とは比べものにならない。
李明博が「経済大統領」「国のCEO」などといわれるのは、まさにこのような経歴からだ。そして、民間企業のトップを務めただけのことはあって、物事をきわめてロジカルに考え、政策を確実に実行に移す手腕の持ち主である。実際に会って話すと、じつに紳士的で知的な印象を受けるが、内に秘めたエネルギーは相当なものがある。
国家の経済成長をなんとしても成し遂げようという意気込みを、私も直に感じ取ったことがある。
李明博政権発足直後、韓国の未来戦略や公共部門の改革などについて大統領に助言を行なう「大統領国際諮問団」が組織されたのだが、私はそのメンバーの一員として韓国を訪問した。当時、盧武鉉前政権が政府をやたらに大きくしてしまったという反省があり、李明博大統領は、私の語る日本の行政改革、なかでも郵政民営化についてとても熱心に耳を傾けた。大統領直属のスタッフからも「日本の小泉改革を学びたい」といわれたことを印象深く覚えている。
この大統領国際諮問団は、私のほかに世界各国から集められた経済人15名から成り、委員長はマッキンゼー・アンド・カンパニーのマネージング・ディレクターを務めるドミニック・バートン氏。メンバーとして他に、世界経済フォーラム(WEF)のクラウス・シュワブ会長、米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長、シンガポール前首相のゴー・チョクトン氏などが名を連ねていた。もし日本で同様のことを行なえば(つまり政治・政策に関して外国人のアドバイスを受ければ)即「国益に反する」との大批判を受けるであろう。大統領および韓国政府の、諸外国の優れた経済から学ぼうという真剣さに感服したものだ。
http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=298
鳩山さんも見習ってください。