東アジア経済 深化する協力
投稿者: koshien21c 投稿日時: 2007/01/17 15:00 投稿番号: [4739 / 9237]
この記事は多くのことを示唆してます。
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日経1月17日朝刊9面
中国の温家宝首相は15日フィリピン中部のセブ島で開いた東アジア首脳会議で「制度と文化の多様性を尊重しなければならない」と演説した。当たり前の言葉と聞こえるが、安倍晋三首相が一連の会議で「民主主義という普遍的な価値」というフレーズを繰り返したのに照らすと、温首相の思惑がはっきりする。
安倍首相は民主化など中国が苦手な分野に焦点を当て、温首相はそうした議論を棚上げした。根っこには実利優先の発想がある。
欧米からシフト
昨年中国の欧米向け繊維輸出の伸びに急ブレーキがかかった。対米は2005年に前年比84%増であったが、昨年1−11月は前年同期比12%。05年の通商摩擦で輸出の伸びに枠がはめられたためだ。一方東南アジアでは、中国からマレーシア向けが05年の25%増から昨年は11月迄に39%増、インドネシアも32%増と好調だ。東南アジア諸国連合との関係強化は欧米との貿易摩擦を和らげる効果がある。
緩衝材の役割が国際ルールを外れるケースもある。カンボジアの首都プノンペン郊外の新繊維工場。ほぼ完成したチノパンとポロシャツを中国から運び「カンボジア製」と書いたタグを縫い付ける。工場の多くは中国系だ。
これだけの加工では原産地証明を取得できないが、「カンボジアでは簡単」(工場関係者)同国05年の米国向け繊維輸出は00年の2倍に膨らんだ。ルールの甘い運用が中国企業の迂回貿易を許す。
温家宝首相はASEANとの会談でFTAをサービス分野に広げることを決めた。物のFTAは05年から始まっている。
日本はASEANと日中韓にインド、オーストラリア、ニュージーランドを会わせて自由貿易圏にする壮大な構想を掲げながら、実はASEANとモノのFTAさえ実現していない。日本が民主化を掲げ中国を牽制する背景にはこうした現状へのあせりもある。
ただASEAN各国が中国に心を許したわけではない。中国商人に市場を席巻されてはならない」。昨年12月、ベトナム政府が三井物産に全額出資の子会社を認めるかどうかを議論した際の内部発言だ。
ベトナムはWTOへの加盟合意で、商業分野を09年に開放すると約束した。だが日本の商社には2年早く認可した。中国の影響力が増すのを心配したためとみられる。
中国が日本との関係改善を急ぐわけも、こうした文脈から考える必要がある。中国政府関係者は「日本と上手くゆかないとアジアから信用されない」と語る。
温首相は15日の演説で「相当長い間発展が(中国政府の)中心任務だ。だから平和と友人を求める」と語った。
では相当長い間を経てさらに力を増した後、中国は日本やASEANにどう向き合うのか。東アジアの経済協力は消せない不安を抱えつつ進んでいる。
(セブ=吉田忠則)
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日経1月17日朝刊9面
中国の温家宝首相は15日フィリピン中部のセブ島で開いた東アジア首脳会議で「制度と文化の多様性を尊重しなければならない」と演説した。当たり前の言葉と聞こえるが、安倍晋三首相が一連の会議で「民主主義という普遍的な価値」というフレーズを繰り返したのに照らすと、温首相の思惑がはっきりする。
安倍首相は民主化など中国が苦手な分野に焦点を当て、温首相はそうした議論を棚上げした。根っこには実利優先の発想がある。
欧米からシフト
昨年中国の欧米向け繊維輸出の伸びに急ブレーキがかかった。対米は2005年に前年比84%増であったが、昨年1−11月は前年同期比12%。05年の通商摩擦で輸出の伸びに枠がはめられたためだ。一方東南アジアでは、中国からマレーシア向けが05年の25%増から昨年は11月迄に39%増、インドネシアも32%増と好調だ。東南アジア諸国連合との関係強化は欧米との貿易摩擦を和らげる効果がある。
緩衝材の役割が国際ルールを外れるケースもある。カンボジアの首都プノンペン郊外の新繊維工場。ほぼ完成したチノパンとポロシャツを中国から運び「カンボジア製」と書いたタグを縫い付ける。工場の多くは中国系だ。
これだけの加工では原産地証明を取得できないが、「カンボジアでは簡単」(工場関係者)同国05年の米国向け繊維輸出は00年の2倍に膨らんだ。ルールの甘い運用が中国企業の迂回貿易を許す。
温家宝首相はASEANとの会談でFTAをサービス分野に広げることを決めた。物のFTAは05年から始まっている。
日本はASEANと日中韓にインド、オーストラリア、ニュージーランドを会わせて自由貿易圏にする壮大な構想を掲げながら、実はASEANとモノのFTAさえ実現していない。日本が民主化を掲げ中国を牽制する背景にはこうした現状へのあせりもある。
ただASEAN各国が中国に心を許したわけではない。中国商人に市場を席巻されてはならない」。昨年12月、ベトナム政府が三井物産に全額出資の子会社を認めるかどうかを議論した際の内部発言だ。
ベトナムはWTOへの加盟合意で、商業分野を09年に開放すると約束した。だが日本の商社には2年早く認可した。中国の影響力が増すのを心配したためとみられる。
中国が日本との関係改善を急ぐわけも、こうした文脈から考える必要がある。中国政府関係者は「日本と上手くゆかないとアジアから信用されない」と語る。
温首相は15日の演説で「相当長い間発展が(中国政府の)中心任務だ。だから平和と友人を求める」と語った。
では相当長い間を経てさらに力を増した後、中国は日本やASEANにどう向き合うのか。東アジアの経済協力は消せない不安を抱えつつ進んでいる。
(セブ=吉田忠則)
これは メッセージ 1 (live_in_Asia さん)への返信です.