脱北者、16万円で妻に 1
投稿者: jgeilsbandfreak 投稿日時: 2011/03/11 14:15 投稿番号: [2149 / 2559]
脱北者、16万円で妻に
中国
今を生きる―家族(1)2011年3月5日
中国東北地方の農村に暮らす朴恩恵(パク・ウネ)さん(仮名)は今月、3千グラムを超える元気な女の子を産んだ。
養育費用は工面できるのか。戸籍はどうなるのか。心配はつきないが、喜びはそれ以上だ。北朝鮮から中国に逃れて来て、やっと心から愛情を注げる対象ができた。子供が成長して朝鮮語を学ばせれば、何でも話すことができる。「子供を韓国に出稼ぎに行かせ、親類を捜し出してもらう。それがたった一つの夢なんです」
昨年、記者の前に姿を見せた朴さんはおびえで瞳をふるわせ、「本当に北朝鮮政府の人ではないのですね」と念を押してから語り始めた。
2006年2月。20代後半だった朴さんは案内人の女性と一緒に警備兵の目を盗み、凍りついた国境の川を対岸目がけて必死で駆け抜けた。
中国国境に近い故郷では、金正日(キム・ジョンイル)総書記が実権を握った1994年ごろから配給が滞り、97年ごろには大部分が停止。生活は一気に苦しくなった。脱北直前、朴さんは細々と続けた商売で稼いだ200ドル(約1万6千円)ほどの金を知人にだまし取られ、日々の食事にも事欠いた。追い詰められ、「国際電話が使える中国に渡り、韓国に住む父方の親類に援助を求めよう」と考えた。
父親は韓国の親類を懐かしがっていたが、当局の迫害を恐れ、その連絡先を我が子には絶対に明かさなかった。朴さんは、父親が手帳に書き記していたソウルの親類の住所と電話番号を偶然見つけ、こっそり書き取ったメモを上着の生地の中に隠した。
「脱北」の手はずは、市場で知り合った女性に頼んで整えた。中国製品の密輸を手がけ、中国の朝鮮族に知人が多いと話していたからだ。
中国側の岸に着くと、待機していた朝鮮族の男の自動車に乗り込んだ。翌日、朴さんだけが小さな旅館に連れて行かれた。そこで、中国人の妻になるか、売春婦になるか迫られた。人身売買業者にだまされたのだ。
極貧の農民、両手がない男、精神病患者……。そんな男たちが次々と姿を現した。30代後半だった夫もその一人。窃盗で捕まり、刑を終えて出所したばかりだった。
朴さんは風邪をこじらせて肺炎になり、衰弱しきっていた。「誰でもいい。早く結婚しなければ死んでしまう」と、一番まともそうにみえた今の夫と一緒になることにした。夫の親類は1万3千元(約16万円)を払い、朴さんを買った。不法滞在なので正式な結婚はできなかった。
病床でもうろうとしている間に、誰かが上着を洗濯してしまった。メモは読めなくなり、韓国の親類との連絡手段が絶たれてしまった。
2に続きます。
中国東北地方の農村に暮らす朴恩恵(パク・ウネ)さん(仮名)は今月、3千グラムを超える元気な女の子を産んだ。
養育費用は工面できるのか。戸籍はどうなるのか。心配はつきないが、喜びはそれ以上だ。北朝鮮から中国に逃れて来て、やっと心から愛情を注げる対象ができた。子供が成長して朝鮮語を学ばせれば、何でも話すことができる。「子供を韓国に出稼ぎに行かせ、親類を捜し出してもらう。それがたった一つの夢なんです」
昨年、記者の前に姿を見せた朴さんはおびえで瞳をふるわせ、「本当に北朝鮮政府の人ではないのですね」と念を押してから語り始めた。
2006年2月。20代後半だった朴さんは案内人の女性と一緒に警備兵の目を盗み、凍りついた国境の川を対岸目がけて必死で駆け抜けた。
中国国境に近い故郷では、金正日(キム・ジョンイル)総書記が実権を握った1994年ごろから配給が滞り、97年ごろには大部分が停止。生活は一気に苦しくなった。脱北直前、朴さんは細々と続けた商売で稼いだ200ドル(約1万6千円)ほどの金を知人にだまし取られ、日々の食事にも事欠いた。追い詰められ、「国際電話が使える中国に渡り、韓国に住む父方の親類に援助を求めよう」と考えた。
父親は韓国の親類を懐かしがっていたが、当局の迫害を恐れ、その連絡先を我が子には絶対に明かさなかった。朴さんは、父親が手帳に書き記していたソウルの親類の住所と電話番号を偶然見つけ、こっそり書き取ったメモを上着の生地の中に隠した。
「脱北」の手はずは、市場で知り合った女性に頼んで整えた。中国製品の密輸を手がけ、中国の朝鮮族に知人が多いと話していたからだ。
中国側の岸に着くと、待機していた朝鮮族の男の自動車に乗り込んだ。翌日、朴さんだけが小さな旅館に連れて行かれた。そこで、中国人の妻になるか、売春婦になるか迫られた。人身売買業者にだまされたのだ。
極貧の農民、両手がない男、精神病患者……。そんな男たちが次々と姿を現した。30代後半だった夫もその一人。窃盗で捕まり、刑を終えて出所したばかりだった。
朴さんは風邪をこじらせて肺炎になり、衰弱しきっていた。「誰でもいい。早く結婚しなければ死んでしまう」と、一番まともそうにみえた今の夫と一緒になることにした。夫の親類は1万3千元(約16万円)を払い、朴さんを買った。不法滞在なので正式な結婚はできなかった。
病床でもうろうとしている間に、誰かが上着を洗濯してしまった。メモは読めなくなり、韓国の親類との連絡手段が絶たれてしまった。
2に続きます。
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