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「やより賞」受賞山本潤子氏のお言葉

投稿者: jgeilsbandfreek 投稿日時: 2006/12/19 10:44 投稿番号: [3781 / 10735]
もう一つの価値観に勇気   「やよりジャーナリスト賞」山本潤子

  夏と冬に二度ほど、米軍基地の拡張により立ち退きを迫られている韓国・平澤市の大楸里という集落を訪れました。入り口は封鎖され、住民以外の立ち入りを防ぐため、軍人や警官が常時、監視しています。田畑の周りには鉄条網や深い溝が作られ、農民たちの立ち入りを妨げ、生活の糧を奪い、暮らしの足元を脅かしています。

  仕方なく立ち退きに応じ、主を失った家々は支援者が住みつくのを防ぐため、見事に破壊されています。空爆を受けたように破壊された家々に囲まれ、残った住民は日々の暮らしを続けています。テレビでしか見たことのないパレスチナの風景が頭をよぎりました。そして、20分も車を走らせれば、こうこうと明かりのともる市街地が広がります。

  大楸里で見た風景も驚きでしたが、それ以上に、封鎖された集落の外に広がる普通の街と普通の人々の屈託の無さ(その中には自分も含まれますが)の落差に消化できない思いを抱えました。そのとき、以前「在日朝鮮人問題」という言い方をした私に、「それは、在日朝鮮人問題ではなく、日本人問題じゃないのか」と返した友人の言葉がよみがえってきました。大秋里という場に象徴される米軍基地問題は、圧倒的多数の無関心の側が作り出している問題ではないかと。大秋里を撮影してきた監督が「ここは孤島だ」と言い当てていましたが、米軍基地問題だけに限らず、心身ともに有形無形の暴力にさらされる当事者が、互いに切り離され、孤島のように世の中に存在しているのではないでしょうか。

  「孤島」といえば、韓国には基地村という基地の周りに広がる米兵相手の飲食店街があります。米兵によってそこで働く女性が惨殺されたことをきっかけに、韓国では米軍犯罪、米軍基地問題に光が当てられました。韓国の女性たちの運動は、事件を「保護すべき民族の娘が被害を受けた」とするのではなく、女性への暴力の問題として問い直し、米軍基地問題だけではなく暴力や差別に支えられた軍事文化そのものを問い直す動きを見せています。

  南北分断という緊張の最前線にあり、個人の可能性や多様性の前に軍事文化が頑強に立ちふさがる韓国という場だからこそ、根本的にとらえ直さざるをえないのだと思います。韓国の女性たちの闘いは、再度、軍事化の最終段階に入りつつある日本の人たちに、問題解決への確かな道筋を示してくれると思います。

  高維京さんのような平和運動家は、基地村や大楸里のような「孤島」と陸地の回路を結ぶべく荒波の海を渡るように表に立って活動されています。今回の作品では、高さんという船を頼りに、「陸」と「島」の人たちが結び合える場を作り出していきたいと思いました。

  また、平澤では、いろいろな人に会いました。集落の子どもたちに毎週ピアノを教えに来る高校生、競争だけの企業社会に疑問を感じ、退職し運動家になった男性、反戦アートを描く芸術家…。みなが自分のできることを持ち寄り、問題解決にあたっていました。小さな場所に芽生えつつあるもうひとつの価値観に大いに勇気づけられました。

  今回、志と技に支えられたジャーナリストとして、苦境に置かれた人たちに寄り添いつづけた松井やよりさんの名前を冠した賞をいただき、非常に身の引き締まる思いとともに、今後のライター活動の大きな励みとさせていただきたいと思っています。

  また、今回の作品制作は、高さんが取り組む米軍基地問題をはじめとする日韓共通の問題の解決に心を砕く、若い世代との協力なしには成り立ちえないものになると思います。作品づくりを通じ、日本と朝鮮半島のあいだに、差別と暴力ではない、新たな回路を見出す可能性に力を尽くしたいと思います。

[朝鮮新報 2006.12.18]


無知な私は「山本潤子」さんはもとより「松井やより」さんも存じ上げません。
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