斜め上の雲 106
投稿者: toapanlang 投稿日時: 2007/05/08 00:05 投稿番号: [2017 / 2847]
二〇〇二年十二月十九日に大統領選挙がおこなわれ、与党である新千年民主党の盧武鉉候補が、野党の李会昌候補をやぶって当選した。
盧武鉉は大学にゆかず苦学して弁護士資格をとり庶民派の弁護士として知られていたが、この選挙では反米をうたいあげて北朝鮮との融和、民族主義を称揚する言動を繰りかえしていた。
前にもすこしふれたが、この年の六月に米軍装甲車が二人の女子中学生を轢いて死亡させるという事件がおこった。親米的な姿勢をとっていた李会昌は当初優勢であったのだが、この事件によって若い世代を中心にして盧武鉉への支持率が急激に上昇したのであった。
「インターネットが大統領をつくった」
とまで称されたこの事態は、韓国社会がIT先進国であると内外に印象づける結果となったといわれている。もっとも、たんに煽動にのりやすいという悪癖がインターネットによる迅速な情報伝達によって拡大再生産されたにすぎないという見方もある。
世実も華秉もこの結果をあらたな時代の幕開けと感じ、民族を第一とする思想――具体的には、反米をあげ南北の朝鮮民族の団結を至上とする――の伸展を予想した。
翌年二月二十五日、盧武鉉は大統領に就任した。
大統領となった盧武鉉は、ものごとの空想力に富んだ人物で、そういう点が大韓民国の元首というしごとにむいていたらしい。さらには物事をおおざっぱにとらえる性格で、こういう点も韓国と朝鮮民族の優秀さを壮語するには適材であったかもしれない。
盧のみえっぱりは有名であった。かれは爛熟したころの韓国社会に身をおいたからよかったが、朴正煕時代にもしこの型が存在したとしたら、おそらくその実務社会からはじきだされたにちがいない。
のちのことだが、盧はたれ下がったまぶたの肉を除去すると称して、二重まぶたに整形する手術をした。
夫人も側近もそれにならって整形をし、居酒屋ではその整形に批判的な言動をした女性が殴られるという事件もおこった。
韓国が整形大国といわれてひさしいが、大統領みずから整形手術をおこない、周囲が追従したのは例をみない。
盧は就任直後、政府と軍部の高官などをあつめ、
「在韓米軍が撤退したばあいの安全保障政策について検討しろ」
とまっさきに命じた。
前代未聞の命令であった。これまでいかに反米感情をもっていた大統領であっても、現実の国防をかんがえた場合そのような言葉をいっさい口にすることはなかった。
結局は沙汰やみとなったのであるが、ある程度予想されていたこととはいえ、盧がこれまでの大統領とは色合いが大きくことなる種の人間であることが周囲にひろく知れわたった。
盧武鉉は大学にゆかず苦学して弁護士資格をとり庶民派の弁護士として知られていたが、この選挙では反米をうたいあげて北朝鮮との融和、民族主義を称揚する言動を繰りかえしていた。
前にもすこしふれたが、この年の六月に米軍装甲車が二人の女子中学生を轢いて死亡させるという事件がおこった。親米的な姿勢をとっていた李会昌は当初優勢であったのだが、この事件によって若い世代を中心にして盧武鉉への支持率が急激に上昇したのであった。
「インターネットが大統領をつくった」
とまで称されたこの事態は、韓国社会がIT先進国であると内外に印象づける結果となったといわれている。もっとも、たんに煽動にのりやすいという悪癖がインターネットによる迅速な情報伝達によって拡大再生産されたにすぎないという見方もある。
世実も華秉もこの結果をあらたな時代の幕開けと感じ、民族を第一とする思想――具体的には、反米をあげ南北の朝鮮民族の団結を至上とする――の伸展を予想した。
翌年二月二十五日、盧武鉉は大統領に就任した。
大統領となった盧武鉉は、ものごとの空想力に富んだ人物で、そういう点が大韓民国の元首というしごとにむいていたらしい。さらには物事をおおざっぱにとらえる性格で、こういう点も韓国と朝鮮民族の優秀さを壮語するには適材であったかもしれない。
盧のみえっぱりは有名であった。かれは爛熟したころの韓国社会に身をおいたからよかったが、朴正煕時代にもしこの型が存在したとしたら、おそらくその実務社会からはじきだされたにちがいない。
のちのことだが、盧はたれ下がったまぶたの肉を除去すると称して、二重まぶたに整形する手術をした。
夫人も側近もそれにならって整形をし、居酒屋ではその整形に批判的な言動をした女性が殴られるという事件もおこった。
韓国が整形大国といわれてひさしいが、大統領みずから整形手術をおこない、周囲が追従したのは例をみない。
盧は就任直後、政府と軍部の高官などをあつめ、
「在韓米軍が撤退したばあいの安全保障政策について検討しろ」
とまっさきに命じた。
前代未聞の命令であった。これまでいかに反米感情をもっていた大統領であっても、現実の国防をかんがえた場合そのような言葉をいっさい口にすることはなかった。
結局は沙汰やみとなったのであるが、ある程度予想されていたこととはいえ、盧がこれまでの大統領とは色合いが大きくことなる種の人間であることが周囲にひろく知れわたった。
これは メッセージ 1989 (toaniuniu05 さん)への返信です.
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