斜め上の雲 94
投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/12/03 12:40 投稿番号: [1886 / 2847]
九四年七月八日、北朝鮮の最高指導者である金日成主席は八十二歳で死去した。南北会談を予定していた矢先のことであったという。
このとき、韓国の大統領は金泳三であるが、九三年の就任以来かれは北朝鮮に対して定見のない姿勢をとり続けていた。以下、代表的な言辞をあげる。
「いかなる同盟国も民族にまさることはできない。いかなる理念、思想であっても民族よりも大きな幸福をもたらすことはできない」(九三年二月)
「核兵器をもっている相手とはけっして握手できない」(九三年六月)
「北朝鮮は核兵器をすすめ、スパイを投入するなど対南赤化戦略を放棄していない」(九四年三月)
「北朝鮮に対しては、いまや制裁以外の方法はないという共通認識が形成されつつある」(九四年六月)
「北朝鮮が核の透明性を保障して、開放と改革のみちをえらぶなら、われわれは資本と技術を提供しよう」(九四年十月)
「北朝鮮が万一、核合意を誠実に履行せず時代に逆行する選択をするなら、全世界の懲戒をまぬかれることはできない、ということを言明しておく」(九五年三月)
「われわれの米が不足すれば、外国から買ってでも北朝鮮に追加支援をおこなう」(九五年六月)
わずか二年のあいだに、これほど極端なゆれがあるのも世界史上に類をみないであろう。
金泳三のあとをついだ金大中政権は、親北姿勢をさらに露骨にした。
二〇〇〇年六月には平壌におもむき、金日成の死後指導者となっていた金正日と南北首脳会談を実現した。これにより、離散家族の再会事業や朝鮮戦争によって分断されていた京義線、東海線の鉄道と道路の再連結事業などが決定した。
史上初の快挙であるとして多くの韓国人はさわぎ、にわかに親北の熱風がふき荒れた。韓国人には「鍋根性」といい、ものごとに極端に熱中しすぐさめるという性癖があるとされるが、まさにそれであったといっていい。
韓世実(ハン・セシル)は、学生時代に主体思想にかぶれていたこともあって北朝鮮に対して好意的であったが、この会談によってさらに親北化した。
「これでウリミンジョクは統一して世界の強大国になれる」
かれは昂奮した。優秀であるがゆえに日本のロビー活動と米ソの謀略で分断された韓民族が、ついにもとのように一つになれるのである。
そのよろこびに満ちた言説をネット上で次々と発表しつづけた世実は、この前年には「VANK」の設立に関与し、ネット世界では若くして重鎮となっていた。
一九九九年一月一日に発足したVANKは、正式名称を「Voluntary Agency Network of Korea」といい、インターネットを通じて各国の交流をおこなうサイバー外交使節団と称している。
サイバー民間外交使節団を自認し、会員数は公称一万二千人であるが、そのほとんどは高校生以下の子供であるという。
世実は、世界に爆発的に普及してきたインターネットをつうじて、海外にひろく韓国を宣伝しようと構想を練り、朴起台(パク・ギテ)などの有志をあつめてVANKを組織したのである。朴起台が団長に就任し、世実は顧問の一人となった。
このとき、韓国の大統領は金泳三であるが、九三年の就任以来かれは北朝鮮に対して定見のない姿勢をとり続けていた。以下、代表的な言辞をあげる。
「いかなる同盟国も民族にまさることはできない。いかなる理念、思想であっても民族よりも大きな幸福をもたらすことはできない」(九三年二月)
「核兵器をもっている相手とはけっして握手できない」(九三年六月)
「北朝鮮は核兵器をすすめ、スパイを投入するなど対南赤化戦略を放棄していない」(九四年三月)
「北朝鮮に対しては、いまや制裁以外の方法はないという共通認識が形成されつつある」(九四年六月)
「北朝鮮が核の透明性を保障して、開放と改革のみちをえらぶなら、われわれは資本と技術を提供しよう」(九四年十月)
「北朝鮮が万一、核合意を誠実に履行せず時代に逆行する選択をするなら、全世界の懲戒をまぬかれることはできない、ということを言明しておく」(九五年三月)
「われわれの米が不足すれば、外国から買ってでも北朝鮮に追加支援をおこなう」(九五年六月)
わずか二年のあいだに、これほど極端なゆれがあるのも世界史上に類をみないであろう。
金泳三のあとをついだ金大中政権は、親北姿勢をさらに露骨にした。
二〇〇〇年六月には平壌におもむき、金日成の死後指導者となっていた金正日と南北首脳会談を実現した。これにより、離散家族の再会事業や朝鮮戦争によって分断されていた京義線、東海線の鉄道と道路の再連結事業などが決定した。
史上初の快挙であるとして多くの韓国人はさわぎ、にわかに親北の熱風がふき荒れた。韓国人には「鍋根性」といい、ものごとに極端に熱中しすぐさめるという性癖があるとされるが、まさにそれであったといっていい。
韓世実(ハン・セシル)は、学生時代に主体思想にかぶれていたこともあって北朝鮮に対して好意的であったが、この会談によってさらに親北化した。
「これでウリミンジョクは統一して世界の強大国になれる」
かれは昂奮した。優秀であるがゆえに日本のロビー活動と米ソの謀略で分断された韓民族が、ついにもとのように一つになれるのである。
そのよろこびに満ちた言説をネット上で次々と発表しつづけた世実は、この前年には「VANK」の設立に関与し、ネット世界では若くして重鎮となっていた。
一九九九年一月一日に発足したVANKは、正式名称を「Voluntary Agency Network of Korea」といい、インターネットを通じて各国の交流をおこなうサイバー外交使節団と称している。
サイバー民間外交使節団を自認し、会員数は公称一万二千人であるが、そのほとんどは高校生以下の子供であるという。
世実は、世界に爆発的に普及してきたインターネットをつうじて、海外にひろく韓国を宣伝しようと構想を練り、朴起台(パク・ギテ)などの有志をあつめてVANKを組織したのである。朴起台が団長に就任し、世実は顧問の一人となった。
これは メッセージ 1871 (toapanlang さん)への返信です.
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