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解説:斜め上の雲 84

投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/09/20 23:12 投稿番号: [1796 / 2847]
前回に続いて日清開戦直前から開戦までが元ネタです。以下原文。

≫首相の伊藤博文も陸軍大臣の大山巌もあれほどおそれ、その勃発をふせごうとしてきた日清戦争を、参謀本部の川上操六が火をつけ、しかも手ぎわよく勝ってしまったところに明治憲法のふしぎさがある。ちなみにこの憲法がつづいたかぎり日本人は右のようでありつづけた。とくに昭和期に入り、この参謀本部の独走によって明治憲法国家がほろんだことをおもえば、この憲法上の「統帥権」という毒物のおそるべき薬効と毒性がわかるであろう。
  とにかく参謀次長川上操六は、清国についてのあらゆる材料を検討した結果、
「短期決戦のかたちをとれば成算あり」
  という結論をえた。
  長期にながびけば、不利になる。第一に日本の財政が破綻し、さらには国際関係の点でもロシアと英国が清国側につくにちがいなかった。そのことについては、川上は外相陸奥宗光と内々で十分なうちあわせをとげていた。短期に大勝をおさめるしごとは川上が担当し、しおをみてさっさと講和へもってゆくしごとは陸奥が担当する。この戦争は、このふたりがやったといっていいであろう。
  兵は、神速にうごいた。
(中略)
  大鳥は元来それが生地であったが、一個旅団の後援をえていよいよ韓国に対し強引な外交をやった。「日本の大使は銃剣の威をかりて強盗のようなことを」と京城の列強外交団はことごとく大鳥をきらい、この悪評が東京にまできこえた。
  大鳥は、韓国朝廷の臆病につけ入ってついにはその最高顧問格になり、自分の事務所を宮殿にもちこんだ。
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