解説:斜め上の雲 55
投稿者: toaniuniu05 投稿日時: 2006/07/09 16:36 投稿番号: [1621 / 2847]
>錫元は、ヘリや車両にたよらず歩兵でじみちに戦線をつくり、確実におしてゆくという方法をとった。
「戦線をつくる?密林に塹壕でも掘るというのか」
と嘲笑する声もあったが、錫元は意に介さなかった。
たしかに、密林には塹壕で形成される古来の意味での戦線はつくれないであろうが、部隊の制圧地域にすきまができないようにし、完全に制圧したと判断できない場合は、そこに部隊を張りつければよい。
(海軍の対潜戦闘とおなじじゃないか)
潜水艦のひそんでいる海域をしらみつぶしに駆逐してゆくように、敵兵を完全に掃討したという確信が持てないかぎりは、そこで戦いつづけるべきである。
>ヘリボーンによる部隊の急速展開が、瞬時に要衝を制圧することができる有用な戦術であることには疑いをいれない。ただ、
(使い方がまちがっているのだ)
と、錫元はおもった。
ようやくこれを書けた。
元ネタは『征途』(佐藤大輔)で、ベトナム戦争に派遣された自衛隊一等陸佐の福田定一がとった戦術です。
この小説は、大東亜戦争後、南北に分断された日本の話ですが、あまた横行する架空戦記の中ではほぼ唯一まともなものだと考えております。
以前「ベトナム戦争で書きたいネタがひとつある」といったのはこれでした。サムライさんには花見オフでもお話したかもしれません。
以下原文。
≫(そして)
と、福田は思った。密林に戦線が張れないというのも誤解だ。確かにそこでは、塹壕で形成される古臭い戦線は造れないかもしれない。だが、足で敵を追う普通科部隊で制圧してゆくことは可能だ。要は、それらの部隊の制圧地域に隙間ができないようにしておけばよい。完全に制圧したと判断できない場合、そこに部隊を貼り付ければよい。
密林の制圧作戦は、駆逐艦による対潜戦闘(ASW)と同じだ。敵を叩き潰したと確信が持てない限り、そこで戦い続けさせるべきなのだ。
≫福田は、ヘリボーンによる部隊の急速展開――このヴェトナムの戦いで発展した戦術について疑問を抱いていた。空中機動そのものが間違っているというのではない。使い方が間違っていると考えている。
「戦線をつくる?密林に塹壕でも掘るというのか」
と嘲笑する声もあったが、錫元は意に介さなかった。
たしかに、密林には塹壕で形成される古来の意味での戦線はつくれないであろうが、部隊の制圧地域にすきまができないようにし、完全に制圧したと判断できない場合は、そこに部隊を張りつければよい。
(海軍の対潜戦闘とおなじじゃないか)
潜水艦のひそんでいる海域をしらみつぶしに駆逐してゆくように、敵兵を完全に掃討したという確信が持てないかぎりは、そこで戦いつづけるべきである。
>ヘリボーンによる部隊の急速展開が、瞬時に要衝を制圧することができる有用な戦術であることには疑いをいれない。ただ、
(使い方がまちがっているのだ)
と、錫元はおもった。
ようやくこれを書けた。
元ネタは『征途』(佐藤大輔)で、ベトナム戦争に派遣された自衛隊一等陸佐の福田定一がとった戦術です。
この小説は、大東亜戦争後、南北に分断された日本の話ですが、あまた横行する架空戦記の中ではほぼ唯一まともなものだと考えております。
以前「ベトナム戦争で書きたいネタがひとつある」といったのはこれでした。サムライさんには花見オフでもお話したかもしれません。
以下原文。
≫(そして)
と、福田は思った。密林に戦線が張れないというのも誤解だ。確かにそこでは、塹壕で形成される古臭い戦線は造れないかもしれない。だが、足で敵を追う普通科部隊で制圧してゆくことは可能だ。要は、それらの部隊の制圧地域に隙間ができないようにしておけばよい。完全に制圧したと判断できない場合、そこに部隊を貼り付ければよい。
密林の制圧作戦は、駆逐艦による対潜戦闘(ASW)と同じだ。敵を叩き潰したと確信が持てない限り、そこで戦い続けさせるべきなのだ。
≫福田は、ヘリボーンによる部隊の急速展開――このヴェトナムの戦いで発展した戦術について疑問を抱いていた。空中機動そのものが間違っているというのではない。使い方が間違っていると考えている。
これは メッセージ 1620 (toaniuniu05 さん)への返信です.
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