朝鮮を笑う

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斜め上の雲 40

投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/06/07 22:40 投稿番号: [1544 / 2847]
  朴正煕は明治維新をモデルとしてその施政を「維新体制」と称した。空虚な論議を排し実務に徹底したその富国強兵策はまさに明治維新の再現である。
  それまで韓国社会は伝統どおり武や軍隊を軽視していた。六五年に訪韓した日本人の新聞記者にたいし、ある韓国人記者は、
「われわれはクーデターという事態がおこってはじめて軍隊という強力な武装集団が存在することに気づいた。政府に対抗するものといえば学生か労働者しかいないと思いこんでいた」
  といったほどである。

  国策の要諦は、文化や儀容をほこることではない。韓国人の古来の好みとして、じぶんたちだけが文化国であるという小中華思想をもって武をさげすみ、強大な国家に事大するといったところに礼秩序と治国のみちがあるとしてきた。清朝皇帝への三跪九叩頭や貢進などが事大の典型であるだろう。
  ところが、金春秋や光海君がそうであるように、現実の冷静な分析と忍耐づよく努力することが国策の大原則であり、政治というのは山積する問題について、優先順位を定め、かぎられた資金や人力を集中することをいうのである。あとは効率よい事務行政を運営してゆきさえすればいい。
  李朝の儒学者や両班が事大や文治を好んだために、その伝統がずっとつづき、現代の指導者までが政治家のくせに上の前近代的思想に憑かれ、朝鮮特有のふしぎな軍隊蔑視思想を継承して、ついには盧武鉉が出現したが、朴政権のころの思想はその後のそれとはまったくちがっている。経済計画遂行のための資金不足になやみ悪戦苦闘をかさねたが、それでも現実を見すえ、日韓基本条約の締結やベトナム派兵などをおこなって資金を獲得し、実務的に社会建設をすすめた。
  朴正煕の功績である経済成長は、上のような理由で、きわめて正統的な経済政策のうえに立っており、きわめて当然な結果として健全な成長をまねいた。
「あの韓国が、とてつもない成長をしている」
  という報道は世界をかけめぐり、韓国政府が期待していた国際的地位の向上での好結果が露骨に出た。
「北よりも南のほうがずっといい」
  という観測が、この圧倒的な「漢江の奇跡」によって、出てきた。
「努力だけではない。運も憑いている」
  といったのは、錫元である。
「北がこれから伸びようかというときに、中ソ対立や文化大革命がおこり、北への援助もむちゃくちゃになってしまった。中ソのどちらかが既定の方針どおり援助を続行していれば、情勢はわからなかったかもしれない」

  もっとも、これは錫元の慎重すぎるみかたであったかもしれない。
  北朝鮮の発表する経済統計の多くは、当時から実数なしの倍数やパーセンテージであらわされており、どうやら内幕を隠匿する必要がある、つまり実勢を知られたくないほどの欠陥があるからではないか、ということがすでにささやかれていた。
  援助の有無にかかわらず、北朝鮮の経済政策はみかけほどうまくいっていなかったといっていい。
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