鳥取藩池田家文書2
投稿者: hangetsujoh 投稿日時: 2002/12/29 21:21 投稿番号: [605 / 18519]
補足ですが、塚本氏は竹島(鬱陵島)渡海免許の年を1618年としていますが、最近の研究では1623年とする見方が強いようです(注2)。これに関しては別の機会にふれることにします。
さて、「竹島一件」を記した池田家文書には注目されるふたつの史料があります。ひとつは徳川幕府が鳥取藩にあてた「御尋の御書付」であり、もうひとつはこれに対する「御返答書」です。これにより幕府や鳥取藩が松島(竹島=独島)をどのようにみていたのかが明白です。このあたりを私のさる小論から転載します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
老中・阿部豊後守は鳥取藩にたいし七か条からなる質問「御尋の御書付」を問い合わせた。そのなかで注目される質問は「因州 伯州え付候竹嶋はいつの此より両国え附属候哉」「竹嶋の外両国え附属の嶋有之候哉」の二点である。幕府は、竹島が鳥取藩付属であると思いこんでいたようである。
また、幕府は竹島以外に因幡、伯耆両国所属の島が存在するかどうか尋ねたが、これはとりもなおさず当時の幕府は松島(竹島=独島)の存在を認識していなかったことを示している。大谷家の記録によると同家は幕府の許可を得て松島の開発も行ったとされているが、そうした渡海許可の公文書は見当たらないうえに、元禄時代の幕府が松島を認識していないようなので、幕府は松島渡海許可の公文書を発行しなかったと考えられる(注2、注3)。
幕府の質問に対して鳥取藩は「竹嶋は因幡 伯耆附属ニては(ママ)無御座候」「竹嶋松嶋其外両国え付属の嶋 無御座候」と明言し、竹島、松島は自藩領ではないと回答した(注1)。幕府は、鳥取藩が竹島は自藩領でないと回答したことや、その島に日本人が住んでいないこと、さらに地理的に因幡からよりは朝鮮からの方が近いことなどを考慮し、同島はかつて朝鮮領であったことは明らかであると判断した。
このとき「兵威」を用いて竹島を日本領にする案もあったが、結局は竹島を放棄した。一六九六(元禄九)年一月二十八日、竹島を「無用の小島」と断じて鳥取藩に同島への渡海禁止を申しわたした。この決定は、対馬藩を通じて朝鮮へ伝えられ、竹島一件は終結した。その際、幕府は松島(竹島=独島)については何も言及しなかったが、幕府決定における鳥取藩回答書の役割からみて、幕府は松島も暗に放棄したものとみられる
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(つづく)
さて、「竹島一件」を記した池田家文書には注目されるふたつの史料があります。ひとつは徳川幕府が鳥取藩にあてた「御尋の御書付」であり、もうひとつはこれに対する「御返答書」です。これにより幕府や鳥取藩が松島(竹島=独島)をどのようにみていたのかが明白です。このあたりを私のさる小論から転載します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
老中・阿部豊後守は鳥取藩にたいし七か条からなる質問「御尋の御書付」を問い合わせた。そのなかで注目される質問は「因州 伯州え付候竹嶋はいつの此より両国え附属候哉」「竹嶋の外両国え附属の嶋有之候哉」の二点である。幕府は、竹島が鳥取藩付属であると思いこんでいたようである。
また、幕府は竹島以外に因幡、伯耆両国所属の島が存在するかどうか尋ねたが、これはとりもなおさず当時の幕府は松島(竹島=独島)の存在を認識していなかったことを示している。大谷家の記録によると同家は幕府の許可を得て松島の開発も行ったとされているが、そうした渡海許可の公文書は見当たらないうえに、元禄時代の幕府が松島を認識していないようなので、幕府は松島渡海許可の公文書を発行しなかったと考えられる(注2、注3)。
幕府の質問に対して鳥取藩は「竹嶋は因幡 伯耆附属ニては(ママ)無御座候」「竹嶋松嶋其外両国え付属の嶋 無御座候」と明言し、竹島、松島は自藩領ではないと回答した(注1)。幕府は、鳥取藩が竹島は自藩領でないと回答したことや、その島に日本人が住んでいないこと、さらに地理的に因幡からよりは朝鮮からの方が近いことなどを考慮し、同島はかつて朝鮮領であったことは明らかであると判断した。
このとき「兵威」を用いて竹島を日本領にする案もあったが、結局は竹島を放棄した。一六九六(元禄九)年一月二十八日、竹島を「無用の小島」と断じて鳥取藩に同島への渡海禁止を申しわたした。この決定は、対馬藩を通じて朝鮮へ伝えられ、竹島一件は終結した。その際、幕府は松島(竹島=独島)については何も言及しなかったが、幕府決定における鳥取藩回答書の役割からみて、幕府は松島も暗に放棄したものとみられる
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(つづく)
これは メッセージ 604 (hangetsujoh さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1835396/cddeg_1/605.html