> 〉「決定的」とは短絡的(続々)
投稿者: nochonggakk 投稿日時: 2003/06/10 16:35 投稿番号: [2078 / 18519]
(前略)外務省では、来るべき講和会議に備えて日本側の対応を準備しておこうとの気運が高まり、早くもその年(1945年―引用者注記)の十一月二十一日、省内に「平和条約問題研究幹事会」が設置された。(中略)幹事会は翌四六年一月半ばに第一回会合を開き、(中略)次ぎに独立後の日本の安全をどう守るべきかが(幹事会の―引用者注記)主要テーマになった。(中略)日本固有の領土を確保するための、歴史的根拠に立った理論武装に重点が置かれた。(中略)われわれは後者(カイロ宣言―引用者注記)を突破口として沖縄、小笠原、北方領土の返還を実現しようと考えたわけである。つまり連合国がカイロ宣言で領土的野心が無いことを宣明している以上、日本固有の領土を返還してもらうのは当然という理論構成である。これに関しては条約理論に詳しい外務省条約局の川上健三氏が、各領土の史実を克明に調べて詳細な報告書を作成した。(中略)ところで総司令部側は、平和条約問題に関して日本側の作成した文書を受け取ることは、ソ連始め他の連合国側に対する気兼ねもあって、四六年頃までは躊躇したが、その後米ソの対立が激化する中で、右文書の価値がワシントンでも認められるようになり、日本側文書を快く受け取るようになった。私は東京・日本橋の三井本館にあったシーボルド大使の事務所を暮夜密かに訪れて、何回となく報告書を伝達する役目に当たった。これらの報告書は総計で数十冊、数十万語に達し、平和条約の内容に関係のありそうな事項は網羅されていた。(以下略)
下田武三「外務省における講話準備」(『戦後日本外交の証言』、同前書より再引用)
1948-50年の時期に、外務省で作成された領土問題に関わる報告書(各領土の史実を克明に調べて詳細な報告書)が米側に提出されていたことがわかる。そして、
(1)それら報告書作成には川上健三があたっていたこと
(2)それら報告書がシーボルド駐日政治顧問のもとへも手渡されたこと
(3)それら報告書の作成と伝達は、わが国の利益を擁護してもらうために、米国に日本の代弁者となってもらおうとの意図からなされたこと
以上の三点が指摘できる。
これらを踏まえつつ、講和条約成立に至る草案作成の過程において、当初米側草案にあっても竹島=独島を日本領から外す方向で検討していたにもかかわらず、1949.11シーボルド意見書を機に竹島=独島は日本領に含めるよう方向を転じたことを、どのように評価すべきだろうか。
私は、以下のような情景を想起する。
ある企業が経営陣の判断ミスによって倒産することとなった。外部監査を受け、倒産した事情を第三者が評価し、経営陣の責任を追究しようとした。そのとき旧経営陣側が自分たちに判断ミスはなかった旨の報告書を自ら作成し、外部監査にあたっている第三者機関に提出し、自分たちに対する訴追を免れようとした。外部監査機関の幹部が旧経営陣と懇意の間柄にあったから、監査の手をゆるめてもらえることを期待したのである。そして期待通り、旧経営陣のミスは無かったとの監査結果が公表され、彼らは退職金を手にしてほくそ笑んだ。
百歩譲って講和条約で竹島=独島が日本領だと確認されたのだとしても、とても手放しで「そうですか」と納得するわけにはゆかない。「自作自演」のようなものだからである。
下田武三「外務省における講話準備」(『戦後日本外交の証言』、同前書より再引用)
1948-50年の時期に、外務省で作成された領土問題に関わる報告書(各領土の史実を克明に調べて詳細な報告書)が米側に提出されていたことがわかる。そして、
(1)それら報告書作成には川上健三があたっていたこと
(2)それら報告書がシーボルド駐日政治顧問のもとへも手渡されたこと
(3)それら報告書の作成と伝達は、わが国の利益を擁護してもらうために、米国に日本の代弁者となってもらおうとの意図からなされたこと
以上の三点が指摘できる。
これらを踏まえつつ、講和条約成立に至る草案作成の過程において、当初米側草案にあっても竹島=独島を日本領から外す方向で検討していたにもかかわらず、1949.11シーボルド意見書を機に竹島=独島は日本領に含めるよう方向を転じたことを、どのように評価すべきだろうか。
私は、以下のような情景を想起する。
ある企業が経営陣の判断ミスによって倒産することとなった。外部監査を受け、倒産した事情を第三者が評価し、経営陣の責任を追究しようとした。そのとき旧経営陣側が自分たちに判断ミスはなかった旨の報告書を自ら作成し、外部監査にあたっている第三者機関に提出し、自分たちに対する訴追を免れようとした。外部監査機関の幹部が旧経営陣と懇意の間柄にあったから、監査の手をゆるめてもらえることを期待したのである。そして期待通り、旧経営陣のミスは無かったとの監査結果が公表され、彼らは退職金を手にしてほくそ笑んだ。
百歩譲って講和条約で竹島=独島が日本領だと確認されたのだとしても、とても手放しで「そうですか」と納得するわけにはゆかない。「自作自演」のようなものだからである。
これは メッセージ 2077 (nochonggakk さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1835396/cddeg_1/2078.html