日本外務省内の混乱と結論1
投稿者: hangetsujoh 投稿日時: 2003/03/30 22:30 投稿番号: [1567 / 18519]
半月城です。
RE:1564
> そのとおり古来の松島(獨島)は、日本には全く関係の無い島であったわけです。
> しかし、朝鮮国へ照会するという重要な手順を欠いた天城艦による「実地調査」で、「然ルトキ今日ノ松島ハ即チ元禄十二年称スル所ノ竹島ニシテ 古来我版図外ノ地タルヤ知ルヘシ」と云う突拍子もない「結論」を得ます。
たしかに古来の松島(獨島)は、日本に関係のないことを明治政府の太政官も1877年に公式に確認しているくらいなので、前段の指摘には異論ありません。
後段ですが、「松島開拓」問題の対象であった「今日の松島」が元禄時代の竹島(鬱陵島)であるという結論は、当時の外務省内の議論からみてそれほど唐突だったとは思われません。今回はそのあたりの事情をくわしく見ることにします
1876年ころから外務省に申請された「松島開拓願」ですが、そこに記された「松島」の所在をめぐって外務省内では議論を呼び、数年間諸説ふんぷんでした。これは無理からぬことです。元禄時代の「竹島一件」以来、日本では90年近く松島、竹島の領有意識が失われ、渡航もほとんど途絶えてしまったので、島名の混乱はしかたなかったといえます。
さて、かんかんがくがくの外務省の議論で「竹島日本領派」がつとにこだわっているのが記録局長・渡邊洪基の意見です。外務省の記録によると、ただひとり渡邊は竹島、松島を「暗に日本所属と見なしたるべし」と述べましたので、かれらが飛びつくのも無理からぬことです。同派の川上は渡邊の意見を下記のようにまとめました(注1)。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(1)古来わが国で「竹島」と称したのは、朝鮮の鬱陵島のことである。
(2)デラセ島(ダジュレー島)を松島としているが、それは本来の竹島であり、鬱陵島である。
(3)わが国で古来松島としているのは、ホルネットロックス(ホーネット・ロックス)のことである。
(4)ヨーロッパ人は、古来の竹島を松島となし、さらに烏有の島(アルゴナウト島)に対し竹島を想起したもののごとくである。
(5)ホルトネットロックス(古来の松島)がわが国に属していることは、各国のいずれの地図も一致している。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
渡邊は、古来の竹島はダジュレー島(鬱陵島)、古来の松島はホーネット・ロックス(竹島=独島)と正しく考えていたようでした。また、アルゴノートを烏有、すなわち架空の島であるとこれも正しくみていました。余談ですが、烏有の読みくだしは「いずくんぞ有らんや」で、存在しないという意味です。
しかし、その渡邊も隠岐島の沖合にある島の数は、2島なのか3島なのか確信がもてずに「若(もし)竹島以外ニアル松島ナレバ我ニ属セザルヲ得ザルモ 之ヲ決論スル者無シ」と意見書に記すくらいでした(注3)。
つまり、竹島(鬱陵島)以外に開拓願いにいう「松島」が別に存在するのなら、それは日本領であるべきだが、判断できる人が誰もいないとの意見でした。もちろん、実際はそのような島は存在しません。
渡邊は、存在するのかどうかわからないけれど、もしあるならそれは日本領であると主張するあたりは帝国主義の官僚らしい発想といえます。
(つづく)
RE:1564
> そのとおり古来の松島(獨島)は、日本には全く関係の無い島であったわけです。
> しかし、朝鮮国へ照会するという重要な手順を欠いた天城艦による「実地調査」で、「然ルトキ今日ノ松島ハ即チ元禄十二年称スル所ノ竹島ニシテ 古来我版図外ノ地タルヤ知ルヘシ」と云う突拍子もない「結論」を得ます。
たしかに古来の松島(獨島)は、日本に関係のないことを明治政府の太政官も1877年に公式に確認しているくらいなので、前段の指摘には異論ありません。
後段ですが、「松島開拓」問題の対象であった「今日の松島」が元禄時代の竹島(鬱陵島)であるという結論は、当時の外務省内の議論からみてそれほど唐突だったとは思われません。今回はそのあたりの事情をくわしく見ることにします
1876年ころから外務省に申請された「松島開拓願」ですが、そこに記された「松島」の所在をめぐって外務省内では議論を呼び、数年間諸説ふんぷんでした。これは無理からぬことです。元禄時代の「竹島一件」以来、日本では90年近く松島、竹島の領有意識が失われ、渡航もほとんど途絶えてしまったので、島名の混乱はしかたなかったといえます。
さて、かんかんがくがくの外務省の議論で「竹島日本領派」がつとにこだわっているのが記録局長・渡邊洪基の意見です。外務省の記録によると、ただひとり渡邊は竹島、松島を「暗に日本所属と見なしたるべし」と述べましたので、かれらが飛びつくのも無理からぬことです。同派の川上は渡邊の意見を下記のようにまとめました(注1)。
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(1)古来わが国で「竹島」と称したのは、朝鮮の鬱陵島のことである。
(2)デラセ島(ダジュレー島)を松島としているが、それは本来の竹島であり、鬱陵島である。
(3)わが国で古来松島としているのは、ホルネットロックス(ホーネット・ロックス)のことである。
(4)ヨーロッパ人は、古来の竹島を松島となし、さらに烏有の島(アルゴナウト島)に対し竹島を想起したもののごとくである。
(5)ホルトネットロックス(古来の松島)がわが国に属していることは、各国のいずれの地図も一致している。
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渡邊は、古来の竹島はダジュレー島(鬱陵島)、古来の松島はホーネット・ロックス(竹島=独島)と正しく考えていたようでした。また、アルゴノートを烏有、すなわち架空の島であるとこれも正しくみていました。余談ですが、烏有の読みくだしは「いずくんぞ有らんや」で、存在しないという意味です。
しかし、その渡邊も隠岐島の沖合にある島の数は、2島なのか3島なのか確信がもてずに「若(もし)竹島以外ニアル松島ナレバ我ニ属セザルヲ得ザルモ 之ヲ決論スル者無シ」と意見書に記すくらいでした(注3)。
つまり、竹島(鬱陵島)以外に開拓願いにいう「松島」が別に存在するのなら、それは日本領であるべきだが、判断できる人が誰もいないとの意見でした。もちろん、実際はそのような島は存在しません。
渡邊は、存在するのかどうかわからないけれど、もしあるならそれは日本領であると主張するあたりは帝国主義の官僚らしい発想といえます。
(つづく)
これは メッセージ 1564 (Am_I_AHO_1st さん)への返信です.
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