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阿部知二

投稿者: shinkuuboakagi00 投稿日時: 2005/05/24 05:31 投稿番号: [25767 / 43168]
昭和初期、第一次大戦後とも言うべき不安と不安定の季節が続くのであった。そのような気分を私は『冬の宿』という小説で書いた・・・三四郎池のほとりに腰をかけていると、学生ではない二人ずれの話す言葉が耳に入ってきた。

睡蓮の花を指しながら話ていた。
「いい花だね」
「うん、こういうのは売れば1円や1円50銭にはなりますよ」

三四郎の幻想はたちまち破れてしまった。

2年生か、3年生のときに喫茶店でマルキストを自認する友達と話していた。

私はテーブルの上の鉢のバラを指差していった。

「どんなイデオロギーを持ってもこのバラの美しさは変わらないんじゃないか」

「いや、君がそんなプチブル的観念やロマンティシズムを捨てて、新しい世界観をもてば、花などきれいでも何でもなくなる。従って芸術も変化する」

私はそれで、この花が美しく感じられないようなイデオロギーは持ちたくないと答えた・・・・・

ある特定の読者層のために書かれた書籍の一文です。


阿部は決して右ではなかったですね。
興味あるのは、この友だちは戦後、どうしたのだろうかということです。共産党あたりにはいったのだろうか。
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