長璋吉『朝鮮・言葉・人間』
投稿者: bosintang 投稿日時: 2001/02/25 03:25 投稿番号: [34 / 3669]
47歳で早逝した長璋吉の遺稿集。
>なんだか結構気難しい方だったみたいですね。
同書にはいくつか追悼文が収録されているが、次は田中明の「私の朝鮮語小辞典」に対する評。
「それまでの日本の韓国談義は、いずれもイデオロギーに乗っかったラフでひ弱なものだった。ところが彼の文章はそんな一般的な風潮など歯牙にもかけず、ひたすら言葉というチャンネルをたどりながら、裸の目で韓国を見据えていた。編集(同人誌)を担当していた私は驚喜した。
現実の長君は、口が重くボソボソと小声でしかしゃべらない、色白で小柄な20代の青年だった。だが、彼は触れば切れるような鋭い言語感覚をもっていた」
次は尹学準。
「それまで韓国についての読み物といえば、どれもこれも観念のみが先走っていて、「ファッショ独裁を糾弾する」ボルテージの高いものばかりだったから、私はいい加減ウンザリしていた。そうしたところに長璋吉の「遊学記」が現れたのである。つけたりも、差し引きもない裸眼で見たソウルの風景――まぶしいほど新鮮だったし、驚きだった」
死後、彼の書庫には、彼が20年間こつこつと集めた膨大な韓国語用例カードが残されていたそうです。
「朝鮮語も勉強をしたことのある人なら誰しもが感じることだが、言語感覚のかけらもない既存の「朝日辞典」に対して、彼の不満ははかりしれぬものがあったはずである。そして、自分の手で「韓日辞典」をものするためにこのカードを根気良く集めたに違いない。
それをそっくり残したまま彼は逝ってしまった。痛恨のきわみである」
なお、小学館『朝鮮語辞典』まえがきを見れば、彼が初期の段階で編集に参加していたことがうかがわれます。
長璋吉『朝鮮・言葉・人間』(河出書房新社 1989)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9890807866
これは メッセージ 28 (Anastasia99 さん)への返信です.
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