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【半島を出よ】 作者:村上 龍 氏

投稿者: acura95_87 投稿日時: 2005/05/30 20:03 投稿番号: [2502 / 3669]
作戦名付けることができるのは共和国でただひとりだけだ。
キム・グァンチョルは胸を張り、全員を見回しながら得意そうに作戦名を告げた【半島を出よ】prologue 2より

作者:村上 龍
幻冬舎創立11周年記念特別書き下ろし作品、1650枚。
上・1890円   下・1995円

【出版社/著者からの内容紹介】
北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。〈財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟〉

【目次】

prologue 1     2010年12月14日    川崎   ブーメランの少年
prologue 2     2011年3月21日     平壌   朝鮮労働党三号庁舎・第一映写室
introduction 1   2011年3月3日     見逃された兆候
introduction 2   2011年3月19日    待ち受ける者たち
phase one 1    2011年4月1日     九人のコマンド
phase one 2    2011年4月2日     種のないパパイヤ
phase one 3    2011年4月2日     ゾンビの群れ
phase one 4    2011年4月2日     アントノフ2型輸送機
phase one 5    2011年4月2日     宣戦布告
phase two 1    2011年4月3日     封鎖
phase two 2    2011年4月3日     円卓の騎士たち
phase two 3    2011年4月4日     夜明け前
phase two 4    2011年4月5日     大濠公園にて


【レビュアー】 お気楽セーラーさん

これは凄い小説である。この最新作は「5分後の世界」で描いた彼の論点(後述)をさらに深掘りした傑作だと私は思う。

ページを開く前の最大の疑問(=期待)は、このスケールの物語をリアルに描くために「森」に始まって「木」、「枝」、「葉」へと至る細部をどれだけ描き分けるのだろう?ということであり、次の疑問は、果たしてこの厚さの2部構成でそんなストーリーが描ききれるのだろうか?ということだった。

私の評価は「素晴らしい!」である。正確に分析したわけではないが、個別のシーンを思い出すと登場人物の性格や場面ごとの状況のディテールがやたらと丁寧に描かれいて、細部描写の連続のような印象がある。しかしながらそれら極細の絹糸が彼の魔術的な手腕によって巧妙に編まれ、読者の目の前には突然具象的で巨大な柄が現出するような趣がある。そして読者が「この素晴らしい柄の織はどうなっとるんかいな?」と目を凝らすと、中間の構成単位はなくて再び極細の糸しか見えない。なんだかそんな織物を見せられたような気がしている。ひらたく言やあ、おらぶっ魂消たんだよ!!

明らかに村上龍は、現在の日本の状況と日本国憲法を「恥にあふれた」状況だとみなしている。そして「5分後の世界」と「半島に出よ」は、日本国の現況に対して彼が渾身の生命力をこめて打ち立てたアンチテーゼなのである。

【レビュアー】 uzmmst60さん

北朝鮮の優秀なコマンドー部隊が、「退廃の権化」「鬼」と教え込まれてきた日本にふれ、微妙に心変わりしていく様が面白いですね。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434400759X/qid=1117449890/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-3594269-9729027
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